加藤ゼミナールについて

司法試験における過去問との付き合い方

合格者の試験対策(実務家Sさん)

私の使用していた過去問集

まずは、私が論文対策、短答対策のために使用していた過去問を紹介します。

論文

■司法試験 論文過去問答案パーフェクトぶんせき本(辰巳法律研究所 )
採点実感、解説、答案構成例が掲載されていたのと、再現答案が複数載っていたことから、この本を使用していました。
もっとも、比較的高額(1冊で約7000円)なため、苦手意識をもっていた会社法しか購入せず、必要なときには、図書館や友人の本を借りて読んでいました。

■司法試験論文対策 1冊だけで労働法(辰巳法律研究所)
趣旨・規範と司法試験の論文答案例が1冊にまとまった本です。
主に、趣旨・規範部分を使用したくて購入したのですが、司法試験ではどのように論点が出題されるのか、また、コンパクトに論述する方法を確認するため、後半の論文パートも読んでいました。

■法務省ホームページ
ほとんどの科目は、法務省のホームページで問題を入手して解き、自主ゼミで採点実感を読みました。採点実感には、どうやったら点数が取れるのか、あるいは、何がだめな答案なのか、司法試験採点のエッセンスが盛り込まれているため、非常に役に立ちました。ただ、採点実感で学んだことを、なかなか自分の答案に反映することができなかったです。

■加藤ゼミのレジュメ
司法試験の論文の書き方や参考答案例は、最終的にすべて加藤ゼミのものを使用していました。

短答(択一)

■司法試験&予備試験短答過去問パーフェクト(辰巳法律事務所)
試験本番の出題形式に近く、1題ごとに解説がなされています。
司法試験の択一では、科目によって、正しいものの組み合わせを一つ選んだり、〇×の組み合わせを選んだりと、設問に特徴があります。この本であれば、本番にどのような出題方法がなされるのかがわかるため、より実践的な勉強をすることができます。各設問の解説が詳しいところもよかったです。
余白もきちんとあるので、私は、余白部分に図や表を書き込んでいました。
私は、択一を解き始めた当初、この本を使っていました。しかし、電車などで脚と回答をさっと見るのに向いておらず、途中から、次の本に切り替えています。

■司法支援・予備試験 体系別短答式過去問集(早稲田経営出版)
体系別に脚がわかれており、一問一答形式で解くことができます。
同じ体系の脚を一気に解くことができるため、似ている制度を比較したり、同一分野をまとめて復習するのに長けていました。また、体系ごとに脚がまとまっているため、同一分野でどのような問いが頻出であるのかが、一目瞭然な点がよかったです。

過去問の使い方

ここでは、私の過去問の使い方を紹介します。

論文

1周目は、自主ゼミで時間を測りながら答案を書き、採点実感を読んでゼミ生同士で添削する、という方法をとっていました。論述内容はボロボロでしたが、時間を測って解くことで、論文式試験の出題形式になれることができました。もっとも、ゼミ生同士でお互いに採点することに時間を取られ、復習がおろそかになっていた点は否めません。

2周目は、答案構成のみ行い、出題論点について知識を習得できているか、また、自分で決めた時間内に答案構成をすることができるかを確認しました。本番では、答案構成ができるかが勝負といっても過言ではないので、この取り組みは有用だったように思います。

3週目以降は、加藤ゼミでの添削に際し、時間を図って論述を行いました。1周目とほぼ同じですね。ただし、加藤ゼミでは、加藤先生から個別のコメントをもらうだけでなく、関連する論点について学んだり、広く「答案の書き方」について指導を受けました。そのため、3周目が最も濃密だったと思います。
なお、すべての教科を3周したわけではなく、フル起案(時間を図って、すべて文章化すること)の回数や年度も、教科によって差があります。

短答(択一)

短答式試験は、本番で8割をとることを目標に、ひたすら解いては解説を読むことを繰り返していました。時間短縮のために、理由を含めて、正しい選択肢を選ぶことのできた問題については、×印をつけて、次回以降解かないようにしていました。
また、賃貸借と使用貸借のように似ている制度については、択一六法を使ったり、自分で図を書き込んだりして、整理をするようにしていました。

★司法試験の論文対策・短答対策について、詳細は下記の記事をお読みください。

執筆者情報
実務家弁護士S
私大法科大学院卒業・新司法試験合格・実務経験2年以上
加藤ゼミの受講により勉強法を変えたことで司法試験に合格したことから、その経験を後輩に伝えたいと思い記事を執筆。
受験生時代の得意科目は刑法、苦手科目は行政法。