法科大学院を修了することで司法試験への挑戦権を得られますが、その合格率や合格者数は法科大学院によってかなり開きがあるのが実情です。したがって、これから法科大学院の受験を検討する場合、いわゆる上位校に入学できるよう対策を行うことは司法試験合格を見据えても重要であると言えるでしょう。
本記事では2022(令和4)年度の司法試験の合格者の出身校データからみる合格者数・合格率上位の法科大学院についてまとめました。
法科大学院選択の参考としてぜひご一読ください。
合格者数上位の法科大学院ランキング
法務省が公表している法科大学院別の合格者数のデータから、合格者数上位の法科大学院についてまとめました。
順位 | 法科大学院名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
1 | 京都大学法科大学院 | 175 | 119 | 68.0% |
2 | 東京大法科大学院 | 192 | 117 | 60.94% |
3 | 慶應義塾大法科大学院 | 181 | 104 | 57.46% |
4 | 早稲田大法科大学院 | 232 | 104 | 44.83% |
5 | 一橋大法科大学院 | 110 | 66 | 60.00% |
6 | 神戸大法科大学院 | 111 | 54 | 48.65% |
7 | 大阪大法科大学院 | 111 | 51 | 45.95% |
8 | 中央大法科大学院 | 191 | 50 | 26.18% |
9 | 東北大法科大学院 | 48 | 27 | 56.25% |
10 | 同志社大法科大学院 | 81 | 25 | 30.86% |
11 | 日本大法科大学院 | 75 | 24 | 32.00% |
12 | 九州大法科大学院 | 66 | 22 | 33.33% |
13 | 立命館大法科大学院 | 75 | 19 | 25.33% |
14 | 筑波大法科大学院 | 55 | 18 | 32.73% |
15 | 東京都立大法科大学院 | 72 | 17 | 23.61% |
多くの合格者を輩出しているのは旧帝大をはじめとする上位国公立の法科大学院および早稲田・慶應を筆頭とする上位の私立法科大学院であることがデータからもわかります。
合格率上位の法科大学院ランキング
合格者数は受験する母数が多ければ高くなりがちであるため、合格率からも比較を行います。合格率に関しては母数が少ない中で合格者数が相対的に多ければ合格率が高くなる点には注意が必要です。
順位 | 法科大学院名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
1 | 京都大法科大学院 | 175 | 119 | 68.00% |
2 | 東京大法科大学院 | 192 | 117 | 60.94% |
3 | 一橋大法科大学院 | 110 | 66 | 60.00% |
4 | 慶應義塾大法科大学院 | 181 | 104 | 57.46% |
5 | 東北大法科大学院 | 48 | 27 | 56.25% |
6 | 愛知大法科大学院 | 4 | 2 | 50.00% |
7 | 神戸大法科大学院 | 111 | 54 | 48.65% |
8 | 大阪大法科大学院 | 111 | 51 | 45.95% |
9 | 早稲田大法科大学院 | 232 | 104 | 44.83% |
10 | 創価大法科大学院 | 32 | 12 | 37.50% |
11 | 大阪市立大法科大学院 | 41 | 15 | 36.59% |
12 | 九州大法科大学院 | 66 | 22 | 33.33% |
13 | 南山大法科大学院 | 15 | 5 | 33.33% |
14 | 筑波大法科大学院 | 55 | 18 | 32.73% |
15 | 日本大法科大学院 | 75 | 24 | 32.00% |
2022(令和4)年度、1名以上の合格者を出した法科大学院は44校ありますが、全体でみると合格率50%を超えるのは6校、10位のラインで合格率40%を下回ることがわかります。
一定の合格人数を輩出しながら、合格率も高い法科大学院としては国公立トップクラスの法科大学院や早稲田・慶應といった上位の私立法科大学院が挙げられます。
一方で、大学受験でいわゆる上位校といわれるような大学の法科大学院の全てが好成績を収めているわけではなく、立教大学法科大学院、上智大学法科大学院、学習院大学法科大学院は合格率15%を割り、横浜国立大学法科大学院、青山学院大学法科大学院は10%を割っています。
法科大学院の倍率や難易度
法科大学院には「偏差値」のような難易度を数値化した指標がなく、一概に法科大学院同士の難易度を比較することはできません。入試倍率の高さはその法科大学院の人気の指標として参考にはできますが、受験する層が異なる可能性があるため、難易度と倍率が相関関係があるとは限りません。
合格実績の高い法科大学院は集まる学生、提供されるカリキュラム、学習環境などの面で優れている可能性が高い程度の認識は持っておいても良いかもしれません。
法科大学院の倍率・難易度についてはこちらの記事をご参照ください。
合格者が出ていない法科大学院
2022(令和4)年度に合格者が出ていない法科大学院は以下の通りです。
※受験者が出ていない場合も含みます
- 神奈川大学法科大学院
- 関東学院大学法科大学院
- 京都産業大学法科大学院
- 久留米大学法科大学院
- 國學院大学法科大学院
- 静岡大学法科大学院
- 島根大学法科大学院
- 大東文化大学法科大学院
- 中京大学法科大学院
- 桐蔭横浜大学法科大学院
- 東洋大学法科大学院
- 北海学園大学法科大学院
- 山梨学院大学法科大学院
募集停止(予定を含む)の法科大学院についてはこちらをご参照ください。
まとめ
法科大学院ごとの合格者数・合格率の上位ランキングをまとめると、実績に差異があることがわかります。
これから法科大学院を受験する場合は実績の高い院を中心に検討する方が環境が整っていると言えるでしょう。また、実績が上位でない法科大学院に在籍している場合は学内でどの程度の位置にいれば合格可能であるかを把握し対策を行うことが重要です。