亀岡 諒大 様
大阪大学法学部 早期卒業
大阪大学法科大学院(既修) 在学
令和6年司法試験 合格
総合 784.25点 1500位台
論文 389.29点 1300位台
公法系 120点台(A、A)
民事系 110点台(E、B、A)
刑事系 90点台(A、D)
選択科目 50点台後半
第1に、「論点の顕在化場面が具体例も踏まえつつ明示されていたから」です。
私は、論点の知識がいくらあったとしても、それを書くべき場面を正確に把握していなければ、論点落としや余事記載を誘発してしまい、良い成績にはつながらないと考えておりました。そこで、論点の顕在化場面を明示している加藤ゼミナールの教材を用いることとしました。
第2に、「徹底して司法試験委員会の立場に準拠していたから」です。ロースクールには、判例・通説とは異なる立場を採る先生もおられるため、司法試験本番においてどの立場に依拠して論じるべきか、悩みが生じやすいです。
しかし、どの立場を採るべきか長時間悩むことは非効率的であり、その時間を規範の正確な暗記とあてはめの作法の習得に充てるべきです。
加藤先生は、司法試験の出題趣旨・採点実感から司法試験委員会の立場をひもといておられるため、教材の記載通りに論じるだけで、司法試験委員会に評価される(少なくとも批判されない)規範を定立することができます。
私は、加藤先生が推奨している講座の進め方のとおり、【総まくり講座→基礎問題演習講座→過去問演習講座】の順で一気に受講をしました。
受講方法の詳細については、加藤ゼミナールのホームページや加藤先生のブログを参照してください。以下では、私が学習にあたって工夫していたことを紹介させていただきます。
試験直前期には、短期間で全範囲のインプットを終わらせる必要があります。それゆえ、情報を1つの教材に集約しておくことが大切です。
私は、基礎問題演習講座・過去問演習講座・ロースクールの授業で有益だと思ったことを、全て総まくり論証集に書き込んでいました。また、論点が顕在化する典型事例を、必要に応じて加筆していました。
私は、とにかく暗記が苦手でした。そこで、暗記の負担を減らすべく、「キーフレーズのみを暗記する」ことにしました。
論点に対する理解があれば、キーフレーズのみ暗記して、脳内で直ちに論証を作成することができます。多少論証の質が下がったとしても、本番で確実に思い出せることの方が重要だと思います。
また、論証例を眺めていると、同じフレーズが何度も登場することがわかります。私は、何度も登場するフレーズを抜き出し(パンデクテン方式のように)、特に意識して暗記するようにしました。
現場思考問題では、このようなキーフレーズ(条文の趣旨等)から規範を定立することが大事になるため、結果的にこの学習方法は本番で奏功したと思います。
私は、キーフレーズのみをWordファイルで各科目30頁程度にまとめ、紙に印刷して常に持ち歩いていました。移動中や食事中でも、自分にとって必要な知識をさっと確認することができ、時間の有効活用につながったと思います。
たとえば、会社法の利益相反取引の部分では、「会社ひいては株主の利益保護」というキーワードを覚えておくと、いろいろと応用が利きます。
私は、答案の書き方をあらかじめ決めておく方が、答案を書きやすくなるタイプでした。そこで、可能な限り答案の「型」を作成しておくことにしました。
私は、1年でも早く司法試験に合格することを考えていたため、短答式試験はギリギリで突破して、論文式試験で勝負しようと考えておりました。
論文対策の時間を少しでも増やすべく、私は、「短答過去問パーフェクト」を1周しかせず、その代わりに、総まくりテキスト(現在の基礎応用完成テキスト)に短答式試験の出題実績を記載しました(逐条テキスト〔TAC出版〕には、出題年度の記載があるため、それを参考にしました。)。
試験直前期には、出題箇所が記載された総まくりテキストを高速で周回することにより、少ない勉強時間で、短答式試験を突破することができました。
反省点としては、論理型や読解思考型の問題のトレーニング(とりわけ刑法)が不足していたことが挙げられます。知識があっても、過去問の解き方に慣れていないと得点はとりづらいため、もう少し過去問演習をしておけばよかったと思いました。
全科目を通じて、加藤ゼミナールでは、「答案に書くこと」から逆算したインプットを徹底されています。
単に必要な知識を指導するのみならず、それを答案上どのように表現するのかについても教えてくださったため、本番において、答案の書き方レベルで悩むことは一切ありませんでした。
加えて、接続詞の使い方をあらかじめ決めていたことも、限られた時間で少しでも答案を充実させることに役立ちました。
基礎問題演習講座では、司法試験・予備試験過去問をシンプルにしたものを中心に学習します。
問題文はたしかにシンプルですが、問題における本質の部分は過去問と何ら変わりありません。そのため、基礎問を何度も(本番までに、基礎問の答案構成を20周以上はしたと思います)解いているうちに、司法試験過去問に対して感じていた高い壁は、さほど感じられなくなりました。
憲法では、違憲審査基準の定立過程、あてはめの作法を精確に把握しておくことが肝要です。
一見差がつきづらいように思える憲法ですが、私は違憲審査基準の厳格度を左右する要素を数多くかつ精確に理解するように心がけていたため、周りに差をつけることができたと思っています。
行政法では、「違法性の承継」が出題されました。超重要論点であるとともに、規範が会議録で明示されていたため、考慮要素レベルまで把握していないとあてはめで差がつきづらい出題でした。
加藤ゼミナールの論証集では、考慮要素にまで踏み込んだ記載があり、かつマーク指示までされていたため、本番で迷いなくあてはめを行うことができました。
今年は、行政法・会社法を中心に、現場思考問題が多かったと感じます。
しかし、現場思考問題の対処法については、司法試験過去問講座を中心に、加藤先生が何度も解説されていたため、最低限の答案を維持することができたと考えております。
私は、1500番台というまさにボーダーラインで司法試験に合格しました。民法と刑事訴訟法で大きなミスをしてしまった(民法に至っては、途中答案同然の最悪の出来でした。)ことが、1500番台になった原因だと分析しています。
しかし、私は、「2科目までのミスなら合格ラインに乗る」と考えていました。それは、「加藤ゼミナールの教材をしっかり自分の血肉にすれば、上位合格レベルに達する」という、教材に対する絶大なる信頼感があったからです。
信頼できる1つの教材を徹底的に使い込むこと、そして最後まで全力を尽くしきったことで、2科目でミスがあった私でも、なんとか合格ラインに乗ることができました。
現在では在学中受験がメジャーになってきており、早期卒業制度と併用することで1年でも早く司法試験合格を目指す方も増えてきています。
限られた時間で合格レベルに達するためには、論証例を修正するプロセスをできるだけ減らす必要があります。そして、判例・学説の動向に沿った現実的な論証例を提示しているのは、加藤先生だけだと思います。
私が短期合格できたのは、信頼できる教材に巡り合えたからにほかなりません。これから司法試験・予備試験を受験される方にも、ぜひ信頼できる教材をボロボロになるまで使い込んでほしいと思います。
司法試験・予備試験に合格することは、決して容易ではありません(私も何度も心が折れました。)。しかし、謙虚に努力を積み重ねていけば、必ず合格することのできる試験です。
優秀な人がたくさんいる世界ですので、周りの受験生と自分とを比べて悲観的になるのではなく、自分で「よくやった!」と思える日を1日でも増やせるよう、コツコツ頑張ってください。そして、本番では、とんでもないミスをしてしまっても、最後の1科目まであきらめずに受験してください。
いつか一緒に働きましょう!