加藤ゼミナールについて

私が司法試験を目指した理由 深澤直人弁護士

2025年06月11日

 

私が司法試験を目指した理由

今回のコラムでは、私が司法試験を目指すことになった経緯について、お話します。

司法試験受験生、司法試験予備試験受験生や法曹に興味がある方にとって、少しでも参考になることがあれば幸いです。

私は上智大学法学部法律学科を卒業しているのですが、そもそも、法学部を受験することになったのは、大学受験のときに親族から「今相続で大変なんだよ。直人が弁護士になってくれたら助かるな」と何気なく言われたことがきっかけでした。

私の父が法学部出身であったことやとりあえず「法学部に行っておけば安心」というような話も聞いたことがあったことから、最終的に法学部に進むことを決めました。

大学1年生、2年生の頃は、バイトや遊び、ゲームの時間にほとんどの時間を費やしており、法律の勉強は期末試験のときだけするという学生生活を送っていました。この時の私は、司法試験のことなど頭のどこにもなかったと思います。

そんな私に転機が訪れたのは、大学2年生の1月頃でした。この頃、私の祖父が亡くなったことをきっかけに、私は、「このままの生活を続けていいのか?」と自分の生活や将来について真剣に考えるようになりました。

大学3年生に上がるころには、真剣に法学を学ぼう、どうせ学ぶなら司法試験を目指そうと思うようになりました。そこで、大手予備校に通いはじめ、真剣に司法試験合格に向けての勉強を始めました。

同時期に所属していた刑法ゼミでは、法解釈や判例の射程をめぐる議論に触れる機会が多かったです。勉強はじめたての自分には少し難しい部分もありましたが、同時に、法律の知的な面白さに気付くこともできました。今思うと、この頃から、法律学習が期末試験の前に行う無機質な暗記作業から、面白い・楽しいものに変わったのだと思います。

大学4年生に上がり、受験する法科大学院を選択する際には、刑法ゼミの担当教授の師匠がいる中央大学法科大学院でさらに深く法律を学びたいと思い、同法科大学院を受験することに決めました。無事、中央大学法科大学院に進学し、そこでは、「司法試験合格」という同じ目標を持つ友人・仲間たちと切磋琢磨しながら、法律をより深く、かつ体系的に学ぶことができました。

いよいよ司法試験本番です。

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、2日目から最終日まで、まさかの体調不良に見舞われてしまいました。ものすごいプレッシャーを感じていたのだと思います。

なんどか「途中で棄権すべきか」「明日は会場に行けないんじゃないか」と思うことがありました。しかし、ここで受けきらなければ合格は100%ありえない、とにかく受けきることだけを目標に最終日まで頑張ろう、と考えて、なんとか5日間全ての科目を受けきりました。

法務省の掲示板で自分の番号を見たときは、喜びよりも「受けきってよかった」という気持ちになったことを覚えています。

以上、私が司法試験を目指した理由と司法試験合格までの話でした。

見ていただいた通り、私が司法試験を目指した理由・きっかけは大したものではありません。ただ、興味をもって法律学習を始めてからは、司法試験合格を目指す勉強がとても楽しいものなっていき、最終的には司法試験に合格することができました。

皆さんも、司法試験に興味をお持ちになったのであれば、司法試験を目指してみてほしいです。そして、法律学習の面白さを感じていただき、是非合格をつかみ取っていただきたいと考えています。

 

受験生の方々へのメッセージ

本稿の趣旨とは少しずれますが、受験生の方々へちょっとしたメッセージをお送りします。

司法試験は、合格までの道のりが長く、本番では精神力・体力も求められる過酷な試験だと思います。万全の準備をしていたとしても、体調や環境といった自分でコントロールできない要素に左右されることもあります(体調はコントロールできるだろというご指摘はあるかもしれません。笑)。

それでも、とにかく最後まであきらめずに、最後まで受けきることが合格につながります。

試験直前期にこの記事をご覧になっている方、不安がたくさんあるかもしれません。不安は、これまで皆さんが頑張ってきた証拠と捉えましょう。とにかく最後まで受けきってください。
皆さんに、合格という結果が訪れるよう、心から願っています。

 

執筆者

深澤 直人

加藤ゼミナール専任講師・弁護士

上智大学法学部 卒業
中央大学法科大学院 修了(主席)
総合200番台で司法試験合格
第77期司法修習修了・弁護士登録
倒産法講座を担当