法科大学院のカリキュラムやスケジュールは?制度の目的に照らして解説

司法試験を見据えるにあたり、法科大学院を目指すか予備試験を目指すか迷われている場合、法科大学院の中で何が学べるかといったカリキュラムや講義のスケジュールは重要な判断要素です。

本記事では法科大学院で実施されているスケジュールやカリキュラムに関して、法科大学院制度の目的とも照らし合わせて解説します。また、法科大学院の制度改革についても併せて考察を加えます。

法科大学院の受験を迷われている方にとって判断材料となりますのでぜひご一読ください。

法科大学院の年間スケジュール

法科大学院は基本的に4月から始まり3月に年度が終わる、前期・後期(春期・秋期)の2期制で講義が行われるスケジュールで実施されます。

慶應義塾大学法科大学院や駒澤大学法科大学院では以前は秋入学制度も導入されていましたが、現在は制度を停止、もしくは募集そのものを停止しています。

従来、法科大学院修了後の司法試験は5月中旬に実施されていたため、修了後約1か月半、独学で試験対策を行うようなスケジュールが想定されていました。

夏期、冬期、春期にそれぞれ長期での休暇期間が設けられ司法試験という大きな目標に向けて講義の予習・復習や独自での試験対策など自主学習に充てる期間として、休暇期間の過ごし方が試験結果の合否を決めるかもしれません。

制度改革による学生のスケジュールの変化

2023(令和5)年度より、制度改革で法科大学院修了見込みの段階から所定の条件を満たすことによって司法試験の受験が可能になります。伴い、在学中の受験生へのスケジュールの配慮から司法試験のスケジュールも7月へと変更。法科大学院の年間のスケジュールは現状変更されない見通しですが、司法試験に向けた学習戦略は変更する必要が出てくる可能性もあるため注意が必要です。

法科大学院のカリキュラム内容

法科大学院のカリキュラムについて、分類やなぜ司法試験と一見関連の薄いカリキュラムがあるのか、解説します。

法科大学院で実施される講義の分類

法科大学院では以下のような大項目に分けられたカリキュラムが実施されます。

  1. 法律基本科目(憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法に関する分野の科目)
  2. 法律実務基礎科目(法曹としての技能及び責任その他の法律実務に関する基礎的な分野の科目)
  3. 基礎法学・隣接科目(基礎法学に関する分野又は法学と関連を有する分野の科目)
  4. 展開・先端科目(先端的な法領域に関する科目その他の実定法に関する多様な分野の科目)

司法試験の受験に直結する科目として特に重要なのは法律基本科目ですが、関連して周辺の分野についても教育が実施されます

 

法科大学院修了に必要な単位

法科大学院の修了に必須となる総単位数は各院によって異なりますが、93単位以上の取得を条件とすることは定められています。概ね100単位前後を修了条件と定めている大学院が多いです。

司法試験と関連が薄い分野の講義が行われる理由

法科大学院は法曹人材の養成を目的に教育を行います。そのため司法試験合格は大前提ではありますが、その後法曹の道に進むことを見越し、その際に必要な能力を養成するカリキュラムも実施されます。

具体的には「法曹倫理」といった基礎的な科目の根底となるような科目から、法律を現場で扱う実践の練習としての模擬法廷、さらに実際の実務に近い部分に触れるエクスターンシップといったプログラムが設けられているところもあります。

 

法科大学院と予備試験どちらで受験すべきか

司法試験を受験するにあたっては法科大学院修了、もしくは予備試験の合格が求められます。長い目で見ると、将来法曹界で活動するにあたって幅広い知識・経験を得られる法科大学院の教育システムは充実していると言える一方で、そもそも大前提となる司法試験の合格を目標とした場合、必ずしも短期での目標には直結しない科目に時間を割かれることは否定できません。

予備試験ルートで受験を目指す場合、学習のスケジュールは全て自己決定となるため(予備校に通う場合も予備校の選択を含めて)、当然ながら将来を見据えた学習を独自に行うことも、最初の関門として予備試験合格のみを見据えて学習することも可能です。

とはいえ、試験と直接関連の薄い講義の方がより専門的な教育であり、独学が難しいことも否めません。

まず、司法試験合格に絞るのか、もしくは法学の幅広い教育を受けていく中で司法試験以外の道も考えるのかといった方針の違いも選択を左右するかもしれません。

法科大学院と予備試験の比較についてはこちらの記事もご参照ください。

まとめ

法科大学院は単に司法試験に合格するための学習を行う場所ではなく、将来法曹で活躍できる人材の要請を目指して幅広い教育が行われる機関。カリキュラムを通じて様々な経験や人脈が得られる一方で、大前提となる司法試験合格のみを考えるのであれば必ずしも最短ルートとは言えません。

どういった進路を取るのか、司法試験受験前の段階でどのような知識・スキルを取得したいか、法曹以外の道を検討する選択肢はあるかといった軸を明確にしたうえで選択を行ってみてください。