法科大学院入試の科目や配点は?合格点についても調査

法科大学院の受験対策を行うにあたり、どういった科目がどのくらいの比重で出題されるのか、またどの程度の点数をとれば合格できるのかを把握することは重要です。

結論としては大まかな傾向は法科大学院ごとの既修・未修それぞれ共通しますが、必要な科目や配点などは院の方針により異なります。

本記事では法科大学院入試での出題科目や配点、合格点などについて公表されている情報をまとめました。志望度の高い法科大学院対策のための試験対策配分や、志望校選定の参考にご活用ください。

法科大学院の入試スケジュールについてはこちらの記事をご参照ください。

既修者コースの科目や配点

既修者コースにおいては当然ながら法律の知識や思考力、論理構成力を問う問題(記述式・面接など)が出題され、採点の比重も高いレベルを占めます。

多くの入試では「書類審査(GPA,語学など)」「筆記試験」「面接」の3つの総合点から判定します。

ただし、東京大学法科大学院のように面接試験が実施されないケースもあります。東京大学法科大学院は合格者数・合格率ともに高い上位ローであり、そのハードルは低くありませんが上位校を目指せる自信がありつつも面接試験が得意でない場合は有力な選択肢になるかもしれません。

出題されるのは基本的には法律基本科目と呼ばれる3分野7科目。学部でも必修となることが多い科目ばかりです。

  1. 公法(憲法)
  2. 公法(行政法)
  3. 民事法(民法)
  4. 民事法(民事訴訟法)
  5. 商法・刑事法(商法)
  6. 商法・刑事法(刑法)
  7. 商法・刑事法(刑事訴訟法)

全ての院の入試においてこれらの科目が出題されるわけではなく、この中から一部が出題されるケース、もしくはこれらの科目に加えて選択科目等が出題されるケースもあります。

以下は法科大学院の試験の出題科目および配点です。

  • 東大:公法系、民事法系、商法・刑事法系の3系統から各1題、合計3題の論述式
  • 京大:憲法:100 点,行政法: 50 点,民法:100 点,民事訴訟法:50 点,刑法:100 点,刑事訴訟法:50 点,商法:100 点
  • 一橋:民事法(民法及び民事訴訟法)、憲法 、刑事法(刑法及び刑事訴訟法)
  • 早稲田:憲法:100 点  民法:180 点 刑法:120 点 民事訴訟法:80 点 刑事訴訟法:80 点 商法:80 点(民事訴訟法と刑事訴訟法は同じ試験時間内で実施)
  • 慶應:憲法・民法・刑法(同一の試験で実施)、商法・民事訴訟法・刑事訴訟法(同一の試験で実施)、配点は憲法・民法・刑法が各3、商法・民事訴訟法・刑事訴訟法が各2
  • 同志社:行政法・商法受験型(憲法、民法、刑法、行政法、商法の5科目)、民訴法・刑訴法受験型(憲法、民法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法の5科目)

上位校を中心に出題科目を比較すると、出題科目や科目数にも大きな差があることがわかります。憲法、民事法、刑事法は基本的に出題される傾向にありますが、商法や行政法は法科大学院の方針によって実施の有無がことなります。

また、同志社のように受験科目を選択できるケースもあります。

 

未修者コースの科目

一方で、未修者コースにおいては法学初学者を対象とするため試験で法律の内容は問われず、大学のGPA、語学(TOEICなど)、ステートメント(志望動機)などでの書類選考に加え、法律の分野の知識を問わない小論文や面接試験が課されます。主には論理的思考能力、論述力、コミュニケーション能力、法曹への志望動機および適正について選考されます。

 

法科大学院の入試の合格点は?公表している院のデータから考察

入試における合格点などの情報は多くの法科大学院がHP上では公表していませんが、データが公表されている院のデータを比較し考察します。

大阪大学(2022年度)

未修者コース一般選抜(100点満点)

  • 最高点:85.07点
  • 最低点:68.52点
  • 平均点:74.44点

既修者コース(450点満点)

  • 最高点:333.59点
  • 最低点:225.46点
  • 平均点:261.84点

九州大学(2022年度)

未修者コース(250点満点)

  • 最高点:223点
  • 最低点:172点

既修者コース(400点満点)

  • 最高点:338点
  • 最低点:214点

関西大学(2022年度※各日程の一般試験の平均)

未修者コース(300点満点)

  • 最高点:241.6点
  • 最低点;205.1点

※C日程は配点が異なるため除外

既修者コース(450点満点)

  • 最高点平均:281.3点
  • 最低点平均:209点

公開されているデータを比較すると未修者コースは概ね70%程度の評価が求められているのに対し、既修者コースは50%程度で合格できることがわかります。

まとめ

法科大学院入試において課される科目や求められる試験の水準は未修者コースと既修者コースで大きく異なります。

  • 未修者コースの場合は書類(GPA、語学、志望動機)・小論文・面接がメイン(いずれも法学とは関連のないもの)
  • 既修者コースの場合は3分野7科目の中から出題範囲は大学院により異なる
  • 未修者コースで求められる基準は既修者コースよりも高い(公表されている情報では未修者70%程度、既修者50%程度)

特に既修者コースの場合、出題科目は出願や試験対策に大きく影響する可能性もあるため、志望度の高い法科大学院をよく確認することをおすすめします。