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【司法試験】自分が労働法選択でよかったと思うポイント

合格者の試験対策(労働法上位合格 相田さん)

今回は、令和3年度司法試験の労働法で上位合格できた私が、労働法選択にしてよかったと思う点についてランキング形式でご紹介します。

第5位 将来役立つ

たとえば、経済法であれば大手法律事務所以外ではほとんど扱うことはないでしょう。また、知的財産法についてもブティック系の法律事務所以外は、あまり扱う機会がないと思われます。他方で、 労働法は、弁護士になれば誰でも一度は扱う分野 といえ、街弁から大手法律事務所まで、どの事務所に所属することになったとしても目にする機会があるはずです。そのため、受験生時代に、労働法を体系的に勉強して理解を深めておけば、弁護士になった後も、自信をもって事件に向き合うことができます。合格後を考えれば、将来役立つことは間違いないので、労働法を選択してよかったと思います。

第4位 受験者層が多い

司法試験では、労働法を選択する受験者数が毎年1番多く、令和3年度司法試験でも受験者の約3割が労働法を選択しました。そのため、他の選択科目と比較しても選択する受験生のタイプもさまざまです。たとえば、倒産法は民事系科目との特性が強いことから、民意系が得意な受験生が多いため、民事系が得意な集団の中で勝負しなければなりません。また、国際私法は、予備試験合格者の多くが選択するため、ポテンシャルの高い予備試験合格者と戦わなければなりません。その反面、 労働法は、さまざまなタイプの受験生が選択するため、スタートラインで受験者層に偏りがありません。 受験者が多く、ライバルに偏りがない労働法を選択してよかったと思います。

第3位 勉強しやすい環境が整っていること

 労働法を開講していないロースクールはほぼない はずですし、 予備校の講義や教材も多数用意 されています。国際公法や環境法のように、受験者数が少ない科目であれば、ロースクールによっては開講していない場合もありますし、予備校教材も充実しているわけではないので、受験対策がしにくいというデメリットがあります。また、受験者数が多いことから、必然的に周りに労働法を選択している 受験仲間も多い です。そのため、友人たちと自主ゼミを組むことができたり、わからない点を周りの友人に相談できるのもメリットだと思いました。このように、勉強しやすい環境が整っていたため、労働法を選択してよかったと思っています。

第2位 努力と比例して得点に反映されること

労働法は、判例を正確におさえておく必要があります。そのため、勉強量は他の選択科目と比較しても一番多い科目といえます。しかし、労働法の試験では、判例をストレートに聞いてくる問題が多々出題されるため、知識を知って入れば確実に得点を身につけることができ、努力と比例して得点に反映されます。たとえば、憲法で、いくら判例の知識を覚えたとしても点数には直結しませんが、労働法は判例の知識を勉強したら、勉強した分だけ点数に結びつきます。そのため、点数が安定するというメリットがあります。 努力と結果が比例する 科目というのはなかなかないため、労働法を選択してよかったと思いました。

第1位 暗記力で高得点が狙えること

労働法を選択して一番よかったと思う点は、 暗記力で高得点が狙える ことです。基本7科目の司法試験では、判例は知っていることを前提に、その射程が問われる問題が多く、判例そのままの事案が出題されることはほとんどありません。他方、労働法では、裁判例の事案がそのまま出題される(令和2年度司法試験など)場合も多く、判例をストレートに聞いてくる出題が多いです。そのため、答案も判例に従って書くことが求められ、判例を無視した答案は低い答案になります。これは、逆にいえば、判例に従って論述をすすめれば、高得点につながることを意味するため、判例を頭の中に多くストックできる人が優位に立てます。私は、もともと暗記力には自信があったため、判例を暗記すれば高得点につながるという労働法は非常に魅力的でした。たしかに覚えるべき事項は多かったですが、暗記することができれば非常の強力な得点源となります。私も勉強量を増やし多くの事項を記憶することで、現に、令和3年度の司法試験で上位合格することができたため、労働法を選択してよかったと思っています。

以上、私が労働法を選択してよかった点をご紹介しました。労働法は勉強量が比例するため、努力した分だけ結果がついてくる科目です。そのため、勉強すればするほど成績が上がり、得点が安定しやすいというメリットがあります。選択科目は試験の初日にありますが、得点の安定する労働法を選択することで、いいスタートダッシュをきることができます。受験を振り返ってみれば、得点の安定する労働法を選択したことは、論文試験を乗り切るために重要な決断であったと思います。

執筆者情報
相田光輝さん
大阪大学法科大学院(既修者コース)卒業
令和3年司法試験合格者(2回目合格、労働法上位7%)
不合格から900番upでの2回目逆転合格