H.A 様
令和3年予備試験 合格
令和4年司法試験 合格
労働法 67.61点(上位2%台)
私は、暗記が比較的得意でした。労働法は、暗記さえすれば本番でも確実に得点できると聞き、労働法を選択しました。加藤先生の講座は、周囲でも受講している人が多く、「司法試験対策はこれだけで十分」との声もあり、受講を決めました。労働法1位合格の先生が作成した教材という点でも安心感がありました。
まずは、速修テキスト講座を一通り受講しました。この段階では、労働法の全体像を知るために、多少難しいと感じる部分があってもそこで立ち止まらず、とにかく一通り聞き終えることを目標にしていました。マーク、アンダーラインの指示動画が講義動画とは別にアップロードされるので、講義中に、何色ものペンを持ち替えたり、線を引いたりする作業に追われることがなく、講義内容に集中できました。マーク指示はかなり詳細なので、指示通りこなせば、メリハリのついた、見やすいテキストが完成します。私は、労働法で高得点を狙いたいと思っていたので、付属の論証集ではなく、速習テキストを論証集としても使っていました。なかなか覚えられない論証には付箋をはり、試験開始直前まで繰り返し確認しました。ルーズリーフタイプのテキストを使用していましたが、自分が苦手な部分だけを取り外して持ち歩くことができたのは便利でした。テキストには重要判例も掲載されているので、別途、判例集を開くこともほとんどありませんでした。試験合格のためにインプットすべき知識は、全て速修テキストに掲載されているといってよいと思います。
速修テキスト講座を受講し終えた後は、過去問講座を一通り受講しました。重要問題100選講座よりも先に過去問講座を受講したのは、本番での問われ方や難易度を知ることで、勉強の方向性を固めたかったからです。教材の解説中には、出題の趣旨や採点実感が適宜引用されているので、自分で法務省のサイトを訪れる必要がなく、時間の節約になり、効率的に学習できました。過去問教材は、司法試験本番までに、2周ほど繰り返しました。同様の論点がでたときに、確実に得点できるよう、模範答案を自力で再現できるよう訓練しました。
過去問講座を一通り受講し終えた後は、100選講座を受講しました。100選講座の教材は何度も繰り返し、試験本番までに6周ほど答案構成をしました。100選講座の教材には、未出題の論点の他、過去に司法試験で問われた論点も全て含まれているので、過去問で演習を繰り返すよりも、問題文が比較的短い100選講座の教材を繰り返す方が効率が良いと考え、メインの演習教材は100選講座を使用していました。答案構成をする中で、該当箇所を適宜速修テキストで確認するというスタイルをとっていました。労働法は範囲が広く、問題演習はインプットが終わってから、と考えてしまうと、いつまでも問題演習ができなくなってしまうので、全体の概観をつかんだ後は早めに問題演習にとりかかるべきだと思います。速修テキスト同様、なかなか正解できない問題には付箋をはり、苦手な問題は試験当日も持参して、直前まで確認しました。
労働法では、①配置転換命令の法的根拠・その適法性、②有期労働契約の雇止めの可否、②書面化されていない労使合意の効力、③労使慣行の法的効力、④労働条件を不利益に変更する協約締結権限(規範的効力)の有無、⑤短時間・有期雇用労働法8条が禁止する不合理な待遇の相違の有無、⑥同条違反を理由に請求する場合の請求の根拠が出題されました。いずれも、速修テキスト・重要問題100選テキストの双方で取り上げられていたため、論点は全て拾うことができました。なかでも、⑤⑥は、最近の法改正による新しい論点で、十分に準備ができていなかった受験生も少なくないテーマだったと思います。しかし、私は、重要問題100選テキストで繰り返し演習をしていたので、本番でも迷うことなく論述できました。論点を一つも落とさなかったこと、周りの受験生の出来が良くなかったと思われる問題で確実に得点でき、相対的に浮上したことが、上位の成績につながったと感じています。
前述のように、労働法は暗記が肝心な科目です。覚えるべき知識の量は少ないとはいえませんが、努力と結果が比例する科目だと思います。そのため、信頼できる教材で、盤石な知識を身につければ、司法試験で上位の成績を残すことも決して難しいことではありません。
選択科目は司法試験の全8科目の中で最初に行われる試験です。ここで手ごたえを得られれば、たとえ後の科目で満足のいく答案が書けなかったとしても、精神的に平穏を保つことができます。
皆さまが、予備試験・司法試験に合格されることを祈念しております。