谷口 陸 様
令和元年 予備試験合格
令和2年 東京大学法科大学院(既修者コース)卒業
令和2年 司法試験合格
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労働法60点(上位15~16%)
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私はロースクール最終学年時に労働法の勉強を完全にゼロの状態からスタートしました。
労働法を選択した理由については、労働法がいわゆる暗記重視の科目と言われており、暗記に苦手意識の無かった私に合っていると感じたからです。
労働法講座を扱っている予備校が多数ある中、私が加藤先生の講座を選択した理由は主に2つあります。
1つ目は、加藤先生が平成26年司法試験労働法で全国1位を獲得されており、その加藤先生がいちから作られたオリジナルのテキストを用いた講義をされていることです。
2つ目は、当時、既に加藤先生の総まくり講座で基本7科目受講しており、圧倒的な信頼があったことです。
また、これらに関連して、加藤先生はあらゆる学説などをベースにしたテキストではなく司法試験委員会の立場が示されている出題趣旨・採点実感をベースにして全ての講義とテキストを作成されているので、「司法試験に合格する」という目標にとってベストな選択だと感じたことも理由の一つです。
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まず、労働法速修テキスト講座を1日2コマペースで受講し、およそ1ヶ月以内でインプットを終えます。その間は、習った範囲について定期的に記憶作業を図りながら講義を進めました。労働法は講義前半で習う知識と後半で習う知識が有機的に繋がっていることが多く、ある程度理解・記憶した状態で講義を進めていくことが必要となります。この点、加藤先生の講座は、基本書の目次通りの進め方ではないですが、完全な初学者が一つずつ理解出来るよう、習う順番も工夫して下さっています。
こうして、一通りのインプットを終えた後は、直ちに過去問に着手し、実際に答案を書き、講義を聴講しました。答案を書いてみる中で落とした論点や規範が正確に浮かばなかった論点、理解の浅い論点に出くわす度に、速修テキストに戻り、逐一メモするなどして知識の一元化を図りました。
最初のうちは、必死でインプットした論点も問題にされると全く書けないと言うことが多々ありました。しかし、同じ問題を繰り返しながら、新しい年度の問題を解き進めていくうちに、頻出の論点や問題のクセが分かるようになり、段々と答案も形になっていきました。
そして、過去問を一通り解き終えた後は、水町勇一郎先生の事例演習労働法に着手しました。こちらは時間的にも余力があればで良いとは思いますが、論点がどのような問題文との関係で顕在化するか、という問題文と論点のつながりをストックする上では非常に有益でした。私の場合は、司法試験の1年前から労働法の勉強に着手することが出来たので、事例演習労働法にも手が回りました。もっとも、過去問との重複もかなり多いので、時間に余裕が無い方は「過去問に未出かつ事例演習労働法には掲載のある論点」のみ目を通しておいても良いかと思います(そのような箇所自体はそう多くはなく全50問中10問くらいかと思います)。
こうして、労働法講座を一通り終えた後は過去問と事例演習労働法(過去問と重複しない部分のみ)を回しながら、並行して速修テキストに戻るという作業をひたすら繰り返しました。試験2ヶ月前くらいには、過去問にも事例演習労働法にも掲載のないCランク論点にも目を通していました。しかし、結局、試験本番までにはそこまで手が回らず、ABランク論点の規範が9割くらい正確に頭に入っている状態で試験本番に臨むことになりました(Cランク論点は試験に出ても基本的に受験生は書けないので無視しても良いものと個人的には思います)。
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この点については、大きく(1)暗記対象の的確なメリハリ付けと(2)現場思考問題の処理の仕方という2つが得点に直結したと考えています。
(1)暗記対象の的確なメリハリ付け
労働法は暗記対象が他の選択科目に比べるとかなり多く、その負担も大きいです。従って、暗記対象のメリハリ付けがかなり重要になるのですが、加藤先生は(おそらく予備校業界でも随一)文句の付け所がないほど徹底されていました。
実際に令和2年司法試験第1問でも、加藤先生がAランクを付けられていた論点(さらに言えば出題を予想されていた論点)がドンピシャで出題されていました。
これは司法試験を研究し尽くし、最新の傾向も理解されている加藤先生だからこそ、なし得たものだと思います。
このように、加藤先生が膨大な量の論点や判例から、暗記対象をかなり細かく明示(判例のあてはめの方向性レベルまで)して下さることで、暗記の負担が軽減されることはもちろん、安心して勉強することができます。
(2)現場思考問題の処理の仕方
近年の労働法の問題はただ暗記した論点をベタ貼りするだけ、といった問題がやや減少し、現場思考的要素を含む問題が増えている傾向にあります(それでもなお暗記の比重はかなり高いです)。
しかし、加藤先生は全科目に通用する現場思考問題の処理の仕方について過去問を用いながら教えて下さったので、これが司法試験の本番でもかなり活きました。
実際に令和2年司法試験第2問でも現場思考問題が真正面から問われたのですが、「問題文から逆算してあてはめのしやすい抽象的な規範を立てる」という加藤先生の教えがモロに役に立ちました。
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これまで述べた通り、加藤先生の労働法講座は正直、ほぼ穴が無いと言っても良いレベルで洗練されています。完全に0スタートの私が、長い期間を要することなく労働法で上位を取れたのは、加藤先生の講座無しにはあり得なかったことだと感じています。
選択科目に迷いがある方、また、司法試験の選択科目を労働法にしようと考えている方は、加藤先生の労働法講座を受講して間違いないと自信を持ってオススメ出来ます。
また、観点は変わりますが、近年の司法試験労働法では、比較的最近の判例(平成20年以降)が出される傾向がありますので、その点の勉強も抜かりなくやっておくと良いと思います。もっとも、加藤先生の講座を受講すれば判例名レベルで指定して下さりますので、その点もカバーされており、文字通り加藤先生の講座だけで1位答案を狙えると言っても過言ではありません(現に、令和2年司法試験で出題されたテックジャパン事件もテキストにしっかり掲載があり、あてはめの方向性まで講義で解説されていました)。
選択科目に不安のある方や労働法選択の方はぜひとも加藤先生の講座を真っ先に検討してみてほしいと思います。暗記も大変ですが、その分、事例なども身近で比較的馴染みやすい科目でもありますので、めげずに頑張って下さい!これを読んだ皆様が試験本番で高得点を獲得されることを切に願っております。