加藤ゼミナールについて

法科大学院入試の合格者再現答案

大学3年次に早期卒業制度を利用して2023年度の法科大学院入試に合格された後藤光(ごとう こう)様の再現答案を公開いたします。

後藤光様は、2021年から加藤ゼミナールの講座を利用して法律の学習を開始し、在籍中の駒澤大学における早期卒業制度を利用し、大学3年次に、2023年度の慶應義塾大学法科大学院の既修者にコースに合格するとともに、同年度の中央大学法科大学院の既修者コースに学費全額免除で合格されました。

総まくり講座の内容を忠実に沿った再現答案は、今後の学習方針等においても大変参考になるものであると考えております。

 

【合格者プロフィール】

後藤 光(ごとう こう)様(21歳)
2021年4月 駒澤大学法学部 入学
2021年6月 司法試験の勉強を開始
2023年9月 慶應義塾大学法科大学院既修者コース合格(3年次)
      中央大学法科大学院既修者コース合格(3年次、学費全額免除)

 

【受講講座】
・基本7科目の総まくり講座
・基本7科目の基礎問題演習講座
・基本7科目の予備試験過去問講座

 

後藤光様のロースクール合格の勉強法

後藤光さんに、慶應&中央ローのダブル合格を果たした勉強法についてお話して頂きました!

後藤光様のロースクール合格体験記はこちらからご覧いただけます

 

慶應義塾大学法科大学院

試験科目・時間

憲法・民法・刑法 150分

商法・民事訴訟法・刑事訴訟法 120分

再現答案

憲法

(合格者コメント)
問題を見た瞬間処分違憲の問題だと気づいたが、判例学習はそこまでしっかりやっていなかったため、三段階審査でいくしかないと思った。直前にサッと判例を見返していて、南九州税理士会事件の公益目的とか強制加入とかっていう考慮要素は見た気がしていたので、それをどこかに書こうかな。と考えた結果、目的審査の場面で書いたが、正しいのかはわからないままであった。また、エホバの証人の判例も「不利益を避けるためには、思想に反する行動をするしかない」みたいなキーワードだけ入っていたので、それも似ているし、とりあえず書くか。となった。
どうやら正当化の余地がないみたいな議論が受験生の間であったみたいだが、自分はあまり自分が採点者なら答案が不完全でもしっかり勉強した形跡があれば評価してあげたいと考えるから、いつも書いているような形で書いた。
最後の6のところは、問いに答えているのだというアピールをするための悪あがきのようなものだが、重要なことだと思った。
科目としてはどの過去問よりも難しかった。

民法

(合格者コメント)
設問1 先週中央ローで似た問題やったな。これは信頼関係破壊の法理を使うやつだ。主張反論の構成だから綺麗に揃えながら書けば良さそう。と思ったので、全く臆することなく書けた。
設問2 民法に割く予定だった60分まであと20分ちょいしかない。設問1を丁寧にやりすぎた。ここも書くことは少なくないので、設問前段は本当に必要な部分だけストレートに書くと決意。設問後段は「無資力」という言葉を見つけた瞬間に印をつけて目立つようにした。学習初期から債権者代位とか詐害行為取消に気付けないことが多くあったため、本番こそは。という思い。
要件が多いため、面倒だけど地道にやるしかない。
全体 科目としては難化もしてないし易化もしておらず標準レベルという感想だが、ガッチリと論点らしい論点があったわけではないので、手応えはあまりなく、あっているのかも全くわからなかった。

刑法

(合格者コメント)
問題1 まず、去年は設問3つだったから今年もそれならかなりしんどいと思って問題を見たら2問だったのと、2つとも直前に見返したところだったので心の中でガッツポーズ。誤想防衛の相当性を検討する際に、頭から落とすより安全な柔道技何があるかな。小手投げとかでもいいけど、咄嗟に小手投げは選択しないからな。と思い、有名な2つの技を書いておいた。別に技名を書く必要はなかったが、より具体的な議論をした方が点数もくると思った。
問題2 殺人の検討が面倒だと思ったが、1点でも欲しかったので書いた。
これは死者の占有と利用処分意思を書くのだと気づき、さっさと終わらせようと決意した。
権利者排除意思は一般的に権利者が許容しないであろう程度・態様の利用をする意思みたいな規範を書いている余裕がないから当てはめだけでいいや。という思いで省略した。
それ以降のものは予定時間をオーバーしていたので、とにかく短く終わらせた。
全体 科目としては過去問よりもレベルが低く感じたので、レベルの高い争いになりそうだと感じた。

商法

(合格者コメント)
設問1 基礎問でやったけどここは薄めにやっていたため、基礎問の答案例が頭にぼんやりとしか浮かばなかった。そこで、覚えている範囲で書くのと、とにかくしつこいくらい条文適示しようと決めた。
設問2 論点があるのだとしたら全くわからない。時間ないけど白紙はいやだからそれっぽいこと書いておこうと決意。
全体 科目としての難易度は標準だったと思うけど、薄めにやっていたところがそのままでた。普段の勉強に大反省。

民事訴訟法

(合格者コメント)
とりあえず問1の(1)は作用しないで良さそう。(2)は既判力のことも書けば点数入りそうだから書いた。いつもは争点効否定して係争利益のやつを書くが、時間がかかるから、争点効を肯定した。結局時間はかなり使ってしまった。
問2は普通に訴えの利益だなと思い、訴えの利益のことを書いており、ある程度進んだ段階で将来給付だと気づいた。まだ引き返せたため、少し短めに規範を書いて当てはめて終わり。
科目としてはやや難だったけど、基礎問を何周も回したおかげで得意なので大丈夫だった。

刑事訴訟法

(合格者コメント)
どんな問題かと見てみると、設問が3つもあったため、かなり焦った。とにかく速く書きつつ、それでも点数が欲しいので少し丁寧にやりつつ設問2つ終わらせると、残り5分もなかったが、これで慶應ローは終わりだという思いのラストスパートでなんとか書き終えた。
科目として、問題自体は難しくないけど、全体的に当てはめが薄かった。考慮要素をもう少し詰めておくべきだった。

 

 

中央大学法科大学院(学費全額免除で合格)

試験科目・時間

憲法・民法・刑法 150分

商法・民事訴訟法・刑事訴訟法 120分

再現答案

憲法

(合格者コメント)
設問1を一見すると「クーデター」や「将軍」という文言が問題文中にあったため、またしても統治が出てしまったと思い(過去問で何度か出題されていた)、統治は全く対策をしていなかったことから不合格を確信しつつ、民法と刑法を先にやって余った時間でやろうと考えた。
民法と刑法をなんとか終わらせ、残り時間は50分であったが、問題をよく読むと財産権に関する問題であることに気がつき、直前に財産権の当てはめのポイントを総まくり論証集で確認していたことから一気に自信が湧き、しっかりと書き上げた。
設問2は損失補償であり、こちらも直前に確認していたが、当てはめ方に困って迷走してしまった。もう少し綺麗に当てはめられたらよかったが、相対的に沈むほどではないと思ってそのまま当てはめた。
科目として、財産権の問題であることに気づくことができれば大きく苦労することもないと感じた。この問題と同様に財産権を扱っていた基礎問27問目について、問題と答案例の流れがそのまま頭に入っていたので、事実の違いを踏まえながら当てはめるだけで答案の9割が完成する問題で、とても楽しく書けた。

民法

(合格者コメント)
設問1は普通に要件を検討していくだけだったので、漏れのないように慎重に書いた。
あまり手応えはなかったが、大きく外しているような感覚もなかった。ガッツリと論点があるわけではない問題が一番怖いと実感した。
設問2の①はなんのことか全く分からず、条文を引いてみたが結局解決できなかった。知識に穴があることに焦ってしまったが、この1つだけで落ちることはないと思い、勇気を持って白紙にした。
②については留置権のことだと思ったので、①が白紙になった分を取り返すために丁寧に検討したかったが、あまり長く当てはめている時間もなかったので中途半端になってしまった。
科目としての難易度は例年より少し高かった印象。
契約系の問題ではなく苦手な賃貸借を訊かれたので、全く余裕は無かった。

刑法

(合格者コメント)
去年まで小問2つだったのにただの罪責検討になっていたため少し動揺したが、いつも通りの問題であるため焦らず丁寧に書きたかった。
しかし、30行に収まるわけのない量で、あまりにも制限が厳しかったため、まとまりのない汚い答案になってしまった。特に半分以降はもう刑法で点数取ることを諦めて他で頑張ろうと思い、適当に書き上げた。
何を書くかよりも何を書かないかが重要だと感じた(今回でいうと住居侵入罪など、成立することが明らかで、かつ何も旨味のないものは捨てるべき)。
答案用紙が横に25cmくらいで、予備試験や司法試験の答案用紙と比べると1.5倍近くあったので、思ったよりは書けるが、それでも無理だった。
科目としては公開されていた過去3年分の過去問で一番嫌な気持ちになった。

商法

(合格者コメント)
設問(1)は基礎問や総まくり論証集に載っているもので、少し苦手意識があったことから直前にしっかり見直していたため、焦ることなく書けたと思う。もう少し丁寧に検討したかったが、時間も紙面もなかったので割り切った。
設問(2)は利益供与と気づいたので丁寧に書こうとしたが、②もあることに気がつき、本当に書く場所がなかったが、信じられないくらい小さな字で書いた。
科目としての難易度は例年通りくらいであったが、利益供与のことは総まくり論証集でかなり丁寧に記載されていたので、施行規則の条文も覚えていて幸いだった。

民事訴訟法

(合格者コメント)
設問1はただの確認の利益の問題だと思い、サクッと終わらせた。基礎問17問目で当てはめの視点まで記載されていたので、安全な当てはめができたと思う。
設問2は何もしらないものだったので心が折れかけたが、反訴と142条の関係みたいな論点(基礎問27問目の設問2)に似ていると思ったので、それを応用して正解筋であることを祈りながら一生懸命書いた。

刑事訴訟法

(合格者コメント)
訴因は去年の慶應ローで出たのでしっかり復習していたが、この時点で手が痛すぎて書きたくなかった。
設問(1)では何を書くか迷った結果、訴因の特定と訴因変更の可否を書いてみたが、訴因の特定で規範だけ書いて当てはめるのを忘れていた。しかしこのことには訴因変更の可否を書き終わった時に気がつき、そんなことのために戻っている余裕はどこにも見当たらなかったので放置した。
設問(2)は訴因変更請求が必要かどうかという聞き方をされていたので、そのまま訴因変更の要否を丁寧に書いた。
当てはめの視点はぼんやりと覚えていたので、記憶を信じて当てはめた。
訴因変更の要否は基礎問で5問くらい扱われていたので、安心して安全に書くことができた。