大久保 実哲 様
中央大学 法学部
慶応義塾大学法科大学院(既修) 在学中 2022入学
令和5年司法試験 合格
総合 1200位台
論文 1200位台
公法系 A、A
民事系 A、B、C
刑事系 E、B
以前通っていた予備校の論証数が少なく、司法試験に十分対処できるか不安がありました。そこで、サンプルのテキストを見たときにその内容が自分に合うと感じ、この予備校を選びました。過去問講座に関しては、私は筆力に自信がなかったので時間内にたくさん書くことが難しいと感じていました。そのため中位答案が存在する過去問講座は自分でも書くことができるのではと思うことができました。
授業では、聞いた内容を総まくりテキストと論証集に反映しました。論証集の目次を利用して、論点の重要度や記憶の定着度を〇×△で測り、時間に応じて×から優先的につぶしていきました。
過去問講座では、Aランクの科目を優先的に取り組みましたが、答案構成だけを行った科目もありました。民法や商法に関してはAランクのみをフルで起案しました。共通点として、一回目はランクに拘らず答案構成のみに集中しました。答案構成の時間は科目によりますが、大体25分くらいにとどめるようにしました。また、フルで起案するときにも論証集を見てから起案していました。というのも、論証を覚えることは計画を立てるときに最後の一か月は論証を覚えること、短答を解くことのみに集中しようと思っていたからです。
令和5年の司法試験において、特に憲法や行政法の教材が大きな助けになりました。憲法では答案の型を重視し、行政法では過去問との関連性が明確であることに気付きました。特に行政裁量や重大な損害に関する処理手順がテキストに掲載されており、迷うことなく対応できました。事前に処理手順を決めることが行政法の典型論点に対処する上で重要であると感じました。
また、民法は過去問よりも総まくりでの暗記を頼りに事実関係から問題となっていそうなところを問題文を読んでいるときに考え、答案構成において訴訟物から考えるようにしました。
商法に関しては忘れやすい論点が多い印象であったので、自分で論証集の中から忘れやすいといわれた論点、自分が忘れやすい論点をまとめて直前に見るようにしていました。忘れやすい論点を教えてくれていたことが、令和5年の司法試験で役に立ちました。
民事訴訟法に関しては、苦手意識があり、本番でもうまく解けた気がしませんでした。ですから点に飛びつき出来るだけ問題点を明示、規範を書く、あてはめるという型を絶対に曲げないように解きました。規範に関しては論証集に処理手順から掲載されていたので、困ることはありませんでした。
刑法に関しては成績が悪いので確かなことは言えないですが、規範を正確に覚え事実を引用するようにしていました。本番での反省点として設問1は総まくり論証集にそのまま掲載されている判例が元ネタであったように思いますが、暗記にたよりすぎて理由や事実引用が薄くなってしまったことが点数が伸びなかった原因だと思われます。
刑訴に関しては行政法と同じく、過去問との関連性が強く、過去問を使いながら論証を覚えたり、あてはめの方向性を覚えたりすることが効率的だと思いました。令和5年でも一部を除いて過去問の焼き増しである部分が多く、過去問を解いているかどうかで差が出たのではないかと思います。
私は『HUNTER×HUNTER』という漫画に登場する「制約と誓約」という概念を取り入れて、司法試験に臨みました。この考え方は、自らにルールと覚悟を課すことで、能力や精度を向上させるというものです。例えば、朝九時に自習室へ行くなど、自分にルールと覚悟を課すことで、司法試験に向けて力をつけるという根拠のない自信を手に入れました。
司法試験は学力だけでなく、本番になると時間も長く、体力やメンタルも試されるものです。私自身、本番に弱い方でしたが、この制約と誓約によって自信を持ち、最後まで挑むことができました。
自分に厳しいルールを設け、覚悟を決めることで、自信を養い、試験に向かう心構えを整えることができます。学力の重要性は言うまでもありませんが、最後までやりきるためには体力とメンタルの準備も大切です。自信を持って挑んでください。成功への道のりは厳しいかもしれませんが自分なりのルールを決めることなどで克服していけるはずです。頑張ってください。