金沢 勇輝 様
法科大学院(既修)在学受験
令和5年司法試験 合格
経済法 59.69点(上位13~14%)
私が本講座を受講し始めたのは、令和5年4月中旬であり、司法試験本番の3か月前でした。この本番3か月前の4月時点で私は絶体絶命の危機を迎えていました。というのも、LSの講義で基礎知識は習得していたものの、それまで司法試験経済法の過去問について真剣に取り組んだのは2年度分ほどしかないという状況だったのです。選択科目は法律基本7科目よりも後回しということを繰り返した結果、そのような状況を迎えてしまいました。そのような中、さすがに経済法の過去問に本気で取り組もうと思いましたが、自分一人で、過去問を解いて、出題趣旨・採点実感を読んで分析し、疑問点を教科書等で調べて・・・といった作業をやっていくことは、ほぼ確実に本番までに間に合わず、不可能と思える状況でした。
そこで、救いを求めていくつか予備校のHP等を検討したところ、加藤ゼミナールの経済法講義と出会いました。本講義は、「出題趣旨・採点実感を読み込んだり、基本書・判例集を使ったリサーチをすることを要せずに、経済法の過去問分析を完成させることができます」とHPで紹介されていました。それら読み込み・リサーチをする時間が残されていない私にとってはまさに救いの手が差し伸べられたように思えました(そして本当に上記HPの紹介どおりでした)。
加藤ゼミナールの経済法司法試験過去問講座の魅力は、なんといっても平成18年度から始まる全年度の司法試験過去問の解説・模範答案を、経済法1位という実績を持つ加藤駿征先生がいちから作成したという点にあります。私は、実際にサンプル講義・サンプルテキストを見て正確かつ実践的な解説・模範答案であると感じ、ぜひともそれらを手元において勉強したいと思い、受講を決めました。
私は上記のとおり、本番までに時間が十分に残されていない状況でしたので、まず自力で時間を計って答案を作成した上で講義をみる、ということはできませんでした。問題文を見て、5分~10分ほど頭で解答筋を自分なりに考えてみて、そのあとはすぐに本講義をみるということをひたすら繰り返し、それにより、なんとか全年度の過去問を1周、Aランクと加藤駿征先生が位置付けているものは2周、まわすことができました。
選択科目の勉強では、司法試験の過去問の検討の際によりどころとする解説・模範答案をどうするかという問題があると思います。私は、本講座を受講する前、最初は合格者の再現答案を参考にしていましたが、やはりその内容の正確性に不安が残り、また出題趣旨・採点実感を参考にするも、求められるものが多く、合格にどこまでが実際に必要か分からず上手く扱えないという状況でした。
本講座のテキストでは、講師である加藤駿征先生が解説・模範答案をいちから作成しているため、その内容の正確性に信頼ができ、また、出題趣旨・採点実感が整理されて記載されたうえで、合格に必要十分な解説がなされているため、どこまで実際の答案に書く必要があるのか明確に意識しながらメリハリをつけて学習することできました。
経済法ではよく条文選択が難しいといわれています。しかし、本講座では、当該問題ではなぜこの条文が問題になるのかということを、注目すべき問題文の事実を指摘しながら毎回丁寧に教えてくれるため、この講座を受講して、私は条文選択で迷うことはほとんどなくなりました。令和5年度の司法試験本番でも、条文選択においてさほど迷うことなく答案作成ができました。
また、論じるうえで必要な規範の確認、あてはめの際の重要な視点の提供がこの講座では丁寧になされていますが、それにとどまらず、現実的にはどこまで論じるかといった点も話してくれています。これらの指導内容は、当該問題の理解につながるのみならず、他の問題を解く際にも応用がきくものばかりでした。
私は上記で実際に時間を計って答案を書くという作業をやらなかったと述べましたが、このやり方が必ずしも正しいとはいえません。というのも、結局私が時間を計って経済法の問題を解いたのは、模試と司法試験本番の2回だけでしたが、その演習不足ゆえに、本番の経済法で時間配分を誤ってしまい、大問2について、検討して書きたかったことのすべてを書ききることはできませんでした(おそらく大問2が足を引っ張って60点を超えるには至らずということになったのだと思います。)。
せっかく良い教材を使って知識・書き方が身に付いたのに、それを答案で書けない、発揮できないということはすごくもったいないことだと思います。私を一つの反面教師として、早めに過去問にとりかかり、時間配分にはくれぐれも気を付けて対策しておいてください。
皆さんが司法試験に無事合格することを心からお祈りいたします。