大学3年次合格者が作成した日本大学法科大学院の参考答案と傾向対策を公開しております。
2022年度入試 第1期
2022年度入試 第2期
2023年度入試 第1期
2023年度入試 第2期
2024年度入試 第1期
2024年度入試 第2期
日本大学法科大学院 入学者選抜
https://www.law.nihon-u.ac.jp/lawschool/admissions03.html
※1.2022年度入試は2022年入学者選抜試験、2023年度入試は2023年度入学者選抜試験、2024年度入試は2024年度入学者選抜試験を指します。
※2.コメントにおける「基礎問」は加藤ゼミナールで販売されている基礎問題演習講座及びそのテキストを、「論証集」は加藤ゼミナールで販売されている総まくり論証集を指します。
【入試概要】
試験科目
1限目:憲法(60分)
2限目:民法(60分)
3限目:刑法(60分)
4限目:面接(20分)
※ここでは法律科目についてのみ取り上げ、面接対策については取り上げません
答案用紙の特徴
不明
気をつけること
【各科目の出題概要・対策】
※日大では過去問が3年分しか公開されていないため、2024年度の問題が公開され次第追記して合計4年度分の出題概要を掲載します。
憲 法
2021年度 | 営利表現の自由 |
2022年度 | 明確性の法理(徳島市公安条例事件) |
2023年度 | 国家公務員法102条1項と表現の自由 |
2024年度 | ※ 後日、更新します |
憲法では判例そのままのような事案が出題されます。
この対策としては判例をしっかり読んでおくことが大切です。
判例の読み方としては、判例の事案を見て「答案ではどのように書くのか」という点を意識するのが良いと考えています。私は受験する慶應ローが判例そのままの事案の出題ではなかったので判例はあまり勉強していませんでしたが、日大のように判例が問われるところでは受験生の多くが判例学習を徹底してくるはずなので、相対的に沈まないように判例学習をしておくことが必要不可欠になってきます。
また、判例を学習してもそのまま使えるわけではないので、答案に落とし込むために答案の型を知っておくことも必要になってきます。
正直日大の合格レベルを推測するのは難しいですが、倍率の高さからするとかなり高いレベルになってくると思うので、憲法を苦手科目にするとかなり痛いです。
このための対策としては、市販の判例解説などを読むのが効果的なのではないかと思います。もし予備校を利用されているのであれば、そのテキストに載っている判例の解説を何度も読み込んで深く理解しておくことが必要だと思います。
その解説でわからないことがあるのであれば市販の判例百選などの判例集を用いて勉強するという手段も考えられます。
民 法
2021年度 | 制限種類債務・履行不能・弁済の提供・受領遅滞 |
2022年度 | 借地権の対抗力・権利濫用 |
2023年度 | 物権的請求権の相手方 |
2024年度 | ※ 後日、更新します |
民法は問題自体の難易度はそこまで高くないのですが、聞き方が少し難しいことがあるので、論点をそのまま学習するのではなく、なぜその論点が論点となるのかという問題の所在を理解しておくと良いと思いました。
また、出題に偏りがあるわけでもないので、不法行為や代理なども聞かれても全くおかしくないです。
2022の2期のように問題文が短くて色々なことを聞いてくる出題もあれば、普通の事例問題として聞いてくることもあるので、色々なロースクールの過去問をやって色々な角度の出題に対応できるようにすると良いと思います。
2021の制限種類債務や履行不能は気付きづらいところだと思うので、この論点が出てきたらこの論点もセットで聞かれやすいなどという傾向のようなものを掴めるくらいまでやり込むと良いと思います。日大は科目数が少ないので受験生のレベルも高いことが予測されます。そのため、1科目1科目を大切にしながらそれぞれハイレベルな答案を目指すべきです。
このための対策としては、加藤ゼミナール受講生の方であれば論証集を読み込むことが効果的だと思います。基礎問ももちろんやるべきですが、それ以上に論証集で知識の穴を塞ぐことが最も大切です。そのうえで少し余裕があれば基礎問を極めにいくべきです。
他の予備校や問題集を使用されている場合にも、それぞれの問題集をやるよりは知識の穴をなくすことを最優先にすると良いと思います。
刑 法
2021年度 | 不真正不作為犯・放火罪 |
2022年度 | 中止犯 |
2023年度 | 因果関係(大阪南港事件) |
2024年度 | ※ 後日、更新します |
刑法は出題の仕方が大きく2通りに分けられ、1つは単論点で当てはめ力を試すもの、もう1つは多論点で網羅性を試すものです。私が解いた2022と2023の1期は前者、2期は後者という印象です。
当てはめ力はとにかく問題文にある事実を全て使い切るくらいの気持ちでやるのが良いです。そのような出題の際にはすべての事実に意味があるはずなので、事実を使い切ったうえで評価を盛り込んでいけばそれなりの分量になります。
多論点の場合には当てはめを気にする余裕がないので、一つ事実を拾って、一言評価を加えてあげるのが良いと思います。このような出題の場合に当てはめが充実していても罪名落としがあるとかなり痛いので、検討事項を網羅する方に集中すべきです。
この傾向からいくと1期では単論点、2期では多論点というようになりそうなので、もちろんそれを信じすぎてはいけないですが、一応の目安として知っておくと良いと思います。
この対策としては、加藤ゼミナール受講生の方であれば基礎問と論証集をしっかりやりこめば足ります。ここに載っていることをすべてできるようにすれば特に苦労することなく高いレベルの答案が書けるはずです。
ここで、総論では答案を書く際に55分くらいで書けるようにすべきとしましたが、刑法に関しては書くことが多すぎて55分だと足りない場合もあるので、私であれば刑法に限っては60分で過去問演習をすると思います。