浅田 哲臣 様
東京大学工学部 卒業
令和5年予備試験 合格
令和6年司法試験 合格
総合 160位台
論文 170位台
予備試験合格後に司法試験の過去問の答案例を探している時に、友人より、加藤ゼミナールに全部の年度の答案例を載せた講座があるというのを聞きましたので、受講しようと思いました。
初期は「ぶんせき本」を利用していたのですが、再現答案のため、正しい正解筋がどれなのかがわかりにくいところがありました。
また採点実感や出題趣旨だと求められているレベルが高すぎることや、実際の書き方がわからなかったため、責任をもって答案作成されている加藤ゼミナールの司法試験過去問講座を選択することにしました。
講座・教材の使い方について、私は全部の年度、全部の科目の司法試験の過去問の答案を実際に作成しましたので、答案作成後に、過去問講座の解説および、答案例を読むという利用の仕方をしていました。
刑法のみ他の予備校の過去問講座を利用していたので、刑法以外の6科目で加藤ゼミナールの司法試験過去問講座の教材を利用しておりました。
解説の動画も見たかったのですが、自分の勉強スタイルや時間的な制限もあり、見る余裕がなかったので、主にはテキストを中心として取り組みました。
解説や答案例を読む際は、正解筋通りに書けているか、問題文中で法的評価が必要な事実が漏れていないかということの確認をしながら、テキストを利用しました。
それでもいくつか解説動画もみましたが、テキストを読んだだけでは理解できない部分が丁寧に解説されていたので、時間があれば、テキストだけでなく、動画解説もみることができていれば、より理解が深まったと思いました。 自分がなかなか理解できない論点を含む年度の解説動画だけでももうちょっと解説動画を見ておきたかったです。
講座が一番役に立った点は、行政法で問題文と議事録の内容の関係性が記述されているページがあり、こうやって問題文と議事録をまとめると、整理がしやすく、解答も書きやすいと実感できた点です。
司法試験の行政法は、予備試験の行政法と違って、問いにただ答えれば良いというものではなく、議事録の誘導にのる必要があったため、議事録を元にどう解答を書くかということが大きな課題でした。
そこで、司法試験過去問講座では、議事録の使い方が整理されていたおかげで、議事録から答案を書く方法がイメージしやすかったので、非常に助かりました。
次に役立った点は、全問記載があったわけではないですが、模範答案と、中位程度の答案との二つが用意されているものがあったことです。上位と中位の答案の内容の違いは何か、分量はどれくらい違うのかが非常にわかりやすくて参考になりました。
予備試験と司法試験は類似点も多いですが、どちらを目指すのかによって合格へのアプローチが違うと考えております。
書籍、ネットともに、情報として、予備試験と司法試験は同じものとして書かれていることも多いので、自分が合格しようとしている試験に関して最適な情報なのかを考えて、情報の選別をしていただきたいと思います。
試験傾向は毎年変化しています。情報の中には古いものもたくさんありますので、常に最新の情報をキャッチするよう心がけた方が良いと思います。
特に令和8年度からは、手書きからCBT方式の試験に変更になります。これまでは思考のスピードと手書きのスピードの乖離が大きかったため、思考力の差がそれほど大きく出なかったですが、CBT方式になると思考力の差が大きく結果に影響する可能性がありますので、普段から記憶だけでなく、深く考えることを重視する勉強をしなければ、なかなか合格に近づけなくなるかもしれません。
これはあくまで一例ですが、過去の情報に引きずられ過ぎず、新しく正しい情報を取得することを心がけていただきたいと思います。
特に社会人の方は予備試験を目指される方がほとんどだと思います。勉強時間が限られた中で、膨大な量の勉強をこなさなければなりません。
情報に惑わされすぎてもいけないですが、お金は多少犠牲にしても、正しい情報を得るために投資をして、少しでも少ない時間で合格できるような工夫を常にし続けることも大切だと思います。
大変な試験ですが、合格できたときの感動はその分大きいので、頑張ってもらえればと思います。