添野 将嗣 様
明治大学商学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院(既修) 在学
令和6年司法試験 合格
総合 900点代 600番台
論文 430点代 700番台
公法系 80点代(A、E)
民事系 160点代(B、B、A)
刑事系 130点代(A、A)
選択科目 60.82点
学部時代は予備校の教材を利用して勉強したことがなかったため、ロースクール入試会場でほとんどの人が同じような教材を用いて勉強していたことに危機感を覚えました。
そこで、改めて基礎から勉強し直すことを目的に、加藤ゼミナールの総まくり講座をロースクールの合格後から受講することに決めました。
またその際に選択科目を一番興味のあった労働法に決めたことから、司法試験に向けて1から勉強しようと思い、労働法パックを受講しました。
私はとにかく問題に触れて起案や答案構成をするというアウトプット型の勉強よりも、何周も総まくり講座のテキストや論証集を読むというインプット型の勉強の方が身になっている感覚があったため、とにかくインプットを頑張りました。文章を一言一句読んでいくのではなく、ざっと論点や手続きの流れが理解できる程度に読み、それを何周もしたと思います。
労働法についてはテキストや論証集だけでなく、重要問題100選講座や過去問講座の模範答案を、当てはめの感覚や論述の流れに至るまでを理解することを意識して何度も読みました。
重要問題100選も過去問も、ともに1問も起案や答案構成をすることなく、判例との違いを踏まえて事案にどのように対処すべきかを考えながら読みました。
まず私は、ロースクールの授業で触れていても、労働法速修テキストや論証集に載っていないことは基本的にあまり触れないように決めていました。そのくらい、労働法速習テキストに載っていることには網羅性があり、司法試験の問題を解くのに必要な知識が十分に載っています。
次に、加藤ゼミナールのテキストには判例百選に掲載してあるような重要な判例の事案と当てはめに必要な要旨が適宜載っていたため、判例百選を読むことなく判例を理解できたとともに事案を対処するための当てはめの感覚まで身につけることができました。
例えば、令和6年度司法試験労働法の問題では、“管理監督者”(労基41条2項前段)該当性が出題されました。
この論点で重要な判例である日本マクドナルド事件について、労働法速修テキストにはここまで丁寧に掲載されています。論証と当てはめの対応関係を理解することができたため、司法試験の事案がどのように判例と異なっているかを悩むことなく把握することができ、論証に当てはめることができました。
最後に、重要問題や過去問の模範答案が論証集と同様の流れや文言を用いて作成されており、かつ模範答案同士も同様の流れで検討されているため、答案の書き方について悩む必要がなかった点も役に立ちました。
上述した通り、私は起案することなくテキストや過去問を何度も読み込むという勉強をしました。実際に答案を書くよりも、模範的な答案をトレースできる程度にまで読み込もうと決意できたのも、一貫して作成されている模範答案あってこそだったと思います。
私が司法試験に合格することができたのは、自分自身が信じた勉強法を貫いたからだと思っています。
周りに優秀な受験生や合格者がいる場合、自分のしている勉強法よりもより良い勉強法があるのではないのかと思って勉強法を変えてしまう人がいます。しかし、誰かと一緒に勉強する際に参考にするべきは勉強法ではなく、答案の書き方や考え方だと思います。
実際、私が学部時代に一人で勉強していた際は、法学部の人たちはより効率が良く司法試験合格が近づくような勉強法をしていると思っていました。
しかし、ロースクールで友人と共に勉強をするようになってわかったことは、皆それぞれの勉強法を貫いているということです。誰かが考えた勉強法をそのまま真似しても、自分にとって良い結果が出るとは限りません。
自分に合う勉強法は自分が一番わかると思います。自分に足りていないものは何か、できるようにするためには何をするべきなのかを自分で必死に考えて、それを貫くことが合格に近づく秘訣だと思います。