
11月12日(水)16時に令和7年司法試験の合格発表がありました。
受験された方は本当にお疲れ様でした。
令和7年司法試験論文式を受験された方々に、私からメッセージを送らせて頂きます。
はじめに
司法試験合格、誠におめでとうございます。
ここに来るまで、本当に長い道のりだったと思います。
司法試験や予備試験を複数回受験して最終合格を果たされた方は、何度も悔しい思いや不安な思いを経験してきたと思います。
なかには、自分の可能性を信じられなくなりそうになったこともあると思います。
短期合格を果たした方であっても、中学受験、高校受験、大学受験というように様々な受験を経験してきた方々にとっては、今日に至るまで長い受験生活を続けてきたことになります。
受験における成功体験が多ければ(あるいは、失敗経験が少なければ)、その分だけ、絶対に落ちられないというプレッシャーが強くかかります。
試験直前や合否発表直前には、もし落ちていたらどうしようという不安で押しつぶされそうなった方もいると思います。
本当によく頑張りました。
司法試験合格、誠におめでとうございます。
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司法修習では経験と出会いを大事にする
司法修習では、様々な経験と出会いが待っています。
実務修習中には、修習生だからこそできる経験もあります。
これからたくさん、良い経験を積んでいただきたいと思います。
それから、修習同期、修習の教官、実務修習先の弁護士など、司法修習中に色々な人たちに出会います。
一生モノの付き合いが生まれることもあります。
実務の経験だけでなく、司法修習中の出会いも大切にして頂きたいと思います。
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進路選択の正解は1つではない
これは毎年、合格者の方々に向けてお話ししていることです。
進路選択における正解は人ごとに異なります。
自分にとってのベストな選択が、業界の多数派のイメージと一致する人もいれば、一致しない人もいます。
多数派のイメージに流されることなく、自分が納得できる道に進んでほしいと思います。
さらに言えば、自分にとってのベストな選択も1つではないと思っています。結局は、人生の主人公である自分がどう思えるかなので、「これで良かった」と自分が満足できるような生き方と考え方をできるかが重要なのだと思います。
司法試験合格は、受験生活のゴールである一方で、今後の社会人生活のスタート地点にすぎません。
自分としっかりと向かって、本当に自分がやりたいことを見つけ、悔いのない人生を送って頂きたいと思います。
皆様が満足のゆく素晴らしい人生を歩まれることを念願しております。
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合格祝賀会のご案内
加藤ゼミナールでは、講座の受講者様を対象とした合格祝賀会を開催いたします。
加藤ゼミナールへの合格体験記の提出、他校への合格体験記の提出禁止、他校での講師活動の禁止といった参加条件はございません。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
加藤ゼミナール同窓会 創立
同期の繋がりだけではなく、合格時期や年齢の違いを超えた繋がりを作る場も提供させて頂きたいとの想いから、加藤ゼミナール同窓会を設立いたしました。
加藤ゼミナール同窓会では、毎年1回、総会・懇親会を開催いたします。
同窓会員の一人ひとりが充実した人生を送ることができ、また、同窓会員同士で協力し合うことでより一層、社会に貢献することができる。これが、加藤ゼミナール同窓会の目指すことです。
早く勉強を再開する
辛い時期であるのは重々承知しておりますが、早く勉強を再開する必要があります。令和7年司法試験まで残り8カ月しかありません。
令和8年司法試験から短答と論文でCBT方式が導入されるため、残り8か月間で、法律に関する学習に加えて、CBT方式に慣れるための工夫・訓練もする必要があります。
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自己分析からスタートする
リベンジに向けた勉強の出発点は、自己分析です。自分と向き合うことから絶対に逃げてはいけません。
再現答案を使って全科目に共通する改善点と科目分野ごとの改善点を確認した上で、改善点が反映された勉強計画を作り、それに従って勉強しましょう。
試験直後に再現答案を作っていない方は、今から、問題文と六法以外は何も参照しないで、8科目分の答案を作成しましょう。
皆さんが本当にやるべきことは、試験時の自分と合格ラインの距離を埋めることではなく、現時点の自分と合格ラインの距離を埋めることです。
今から作成した答案には、現時点における自分の実力が如実に反映されていますから、合格ラインに到達するために必要なことを探求するための資料として十分役に立ちます。
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試験終了時から実力が推定している
7月の試験終了時から勉強を継続することにより実力を底上げすることができている方もいれば、試験当時よりも実力が衰退している方もいます。
実力が衰退している方は、残りの期間で、実力を試験当時の水準まで回復するための勉強もやる必要がありますから、そのことを肝に銘じておきましょう。
新しい知識、方法論を仕入れるだけでなく、記憶、思考力、情報処理速度、答案を書く力、問題を解く勘などを回復するための勉強も怠ってはいけません。
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他力本願な敗因分析では勉強の方向性を見誤る可能性がある
不合格の原因を分析する際に、他人に頼りすぎないように注意しましょう。
普段の勉強でも、不合格の原因の分析でも、他人に完全に寄りかかるような主体性を欠いたやり方では、効果がないどころか、他人からのアドバイスを自分にとっての適合性・必要性を検証することなく鵜呑みにすることで悪い効果をもたらすことすらあります。
また、情報収集に時間をかけすぎないように注意する必要もあります。たまに、手当たり次第に合格者や予備校講師にアドバイスを求めようとする方がいますが、合格者や予備校講師ごとにアドバイスの内容は異なるため、アドバイスを求める相手が多ければ、その分だけ、不合格の原因と合格に必要なこととが増えていき、結果として自分にとって本当に大事なことが見えなくなってしまいます。
このように、不合格の原因の核心部分から優先的に改善していきましょう。
私がゼミなどを通じて多くの受験生の方々を見てきた経験から言うと、500番~1000番付近での合格を目指すのであれば、「これを改善すれば合格できる」という不合格の原因の核心部分は基本的に1個であり、多い人でも2個までです。
自分にとっての不合格の原因の核心部分としっかりと向き合い、それを改善するための勉強を続けましょう。
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受験資格を失った方へ
今は、どうしたらいいのかわからない状態にあると思います。
今後の生活をどうするか、司法試験に再挑戦するか、他の資格試験を目指すべきかなど、様々なことが頭をよぎっていると思います。
今後の進路選択は、人生に大きな影響を及ぼします。
司法試験に再挑戦するにしても、予備試験経由と法科大学院経由のいずれを選択するべきか、法科大学院経由の場合には上位ローと学費免除を得やすいローのどちらを選択するべきかなど、再挑戦する方法についてもしっかりと考える必要があります。
他の資格試験を目指す場合には、その資格試験に合格することが自分がやりたいことを実現する上でにどれだけ役に立つのか、その資格試験に合格すれば自分を満足させることができるのか、司法試験受験で勉強したことがその資格試験の受験にどれだけ役に立つのかといったことについて、慎重に考える必要があります。
今後の進路については、じっくりと、慎重に考えて頂きたいと思います。
司法試験受験、本当にお疲れさまでした。