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はじめに:社会人受験生が抱えるリアルな悩み
• 「フルタイムで働きながら勉強時間をどう確保すればいいのか分からない」
• 「家庭・仕事・学習のバランスが崩れて、すぐに疲れ果ててしまう」
• 「せっかく勉強しても計画倒れになり、継続できない」
司法試験・予備試験を目指す社会人受験生の多くが、同じような悩みを抱えています。私自身も、フルタイムで働きながら、家庭を持ち、限られた時間で予備試験に挑戦した社会人受験生でした。
その中で、「時間管理」こそが合格の鍵だと気づき、結果として約1年間の学習スケジュールで予備試験を突破しています。その後、司法試験合格にもつなげることができました。
本記事では、私の体験に基づき、仕事・家庭・勉強を両立しながら1年で合格を実現するための時間管理メソッドをお伝えします。
社会人受験生にとって「時間管理」が合否を分ける理由
社会人が司法試験や予備試験を受験する場合、1日24時間の使い方が勝負になります。
学生受験生のように授業を含め、丸1日を法律の勉強に使うことはできません。
仕事は手を抜けず、家庭の責任も果たさなければならない。その中で「余った時間で勉強」しようとすると、計画倒れになってしまいます。
だからこそ、どの時間を勉強に充てるかを先に決めるという計画性が必要になるのです。
まずは大枠を決める:1日のスケジュール設計
大事なのは、手が空いたら勉強するのではなく、勉強する時間を固定化することです。
私が実践していた1日の基本スケジュールは以下の通りです。
• 6:00〜7:00 学習(1時間)
• 7:00〜8:00 出発準備・家族との時間
• 8:00〜9:00 通勤中学習
• 9:00〜19:00 仕事
• 19:00〜20:00 通勤中学習
• 20:00〜23:00 帰宅後家族との時間
• 23:00〜24:00 学習(1時間)
こうして朝・通勤・帰宅後・就寝前のざっくり4つの時間帯に勉強を組み込み、必ず1日3時間以上は確保しました。
重要なのは、「何をどの時間帯にやるか」を決めることです。たとえば朝は記憶に向けた頭が冴えているというタイプの方であれば朝はインプット学習を中心に行い、通勤中は過去問解説動画の視聴、夜はアウトプットや復習、というように役割を振り分ける等、自分の体質や生活スタイルにあった設計をすると良いでしょう。
突発的な残業や予定変更にどう対応するか
社会人である以上、突発的に仕事が長引いたり、家庭の用事が入ったりします。
そこで私は、週単位・月単位で柔軟に調整しました。
• 1日で崩れても、1週間で帳尻を合わせる
• 1週間で崩れても、1か月で調整する
例えば、平日に勉強時間が減った場合は、週末にまとめて取り返す等です。このアロケーションを習慣化すれば、多少の予定変更でも「挫折」にはならず、合格に向けた中長期的な学習スケジュールを実現できます。
週単位・月単位のアロケーションで全体を最適化
司法試験・予備試験は長期戦です。だからこそ、上記の通り一定の期間でトータルで何時間やったかという視点が重要です。
私は1週間で、25-30時間の学習を目標にしていました。平日が忙しい週は、土日の学習時間を増やし、月単位では100-120時間をノルマとし、必要な学習をするために逆算して導いた学習時間を確保しました。
このように、「日→週→月」の三層スケジュールを設定することで、計画倒れを防ぐことができ、モチベーション維持にも寄与します。
優先順位付けのルールを決める
限られた時間だからこそ、その時々で何を優先するかを決めることも大切です。
私が意識していた優先順位のルールは以下です。
1. 復習を優先:過去問を解いた直後の復習は最重要。時間を空けずにやることで知識定着が倍増する。
2. インプットよりアウトプット:テキストを隅々まで何度も読む時間的余裕はないため、問題演習を中心に据え、理解の穴を埋める形でインプットを補う。
3. 緊急性と重要性を基準:今すぐやるべき学習かどうか、重要な学習かどうかを視点に日々の優先度を決定。
「時間を計測」する習慣で効率を最大化
学習時間を1時間と決めたら、必ず1時間で区切るというのも社会人受験生には必要と思っています。
このルールを守ることで、ダラダラと学習が伸びて、仕事の時間や家庭時間を圧迫することを防ぐ事ができます。
無計画にやれるだけやるという学習を繰り返していると、仕事や家庭に皺寄せがいってしまって綻びが生じます。
ストップウォッチやアプリを使い、記録を残すことで「今日は勉強できた」という達成感によるモチベーション維持の効果も得られます。
Coffee Break:息抜きもスケジュールに組み込む
私はお酒が好きで、学習期間でも飲み会には行っていました。
ただし、飲んだら翌日にその分勉強!とルールを決めていました。例えば金曜に飲み会があって2時間学習時間が足りなければ、土曜日の学習時間を2時間増やす。
これによって罪悪感なく飲み会も楽しめて、モチベーション維持にもつながりました。
息抜きもスケジュールに組み込むことが、継続の秘訣です。
継続するための心構え
時間管理のテクニック以上に大切なのは、心構えです。
1. ワーク・ライフ・スタディバランスを意識する
仕事・家庭・勉強の3つを並列に管理する。どれかを犠牲にしすぎないよう、周囲との調整を怠らない。
2. 中長期戦を覚悟する
1年で合格を狙っても、場合によっては複数年かかることもある。その覚悟を最初に持つことで、焦りが減り継続できる。
3. なぜ目指すかを明確にする
弁護士になりたい理由、試験を突破したい理由を明文化し、辛いときに立ち返れるようにしておく。
まとめ:計画と継続が1年合格の決め手
司法試験・予備試験に挑む社会人にとって最大の壁は時間の制約です。
• 1日の大枠スケジュールを決める
• 週単位・月単位で柔軟に調整する
• 優先順位を明確にし、効率を最大化する
• 息抜きも含めた持続可能な計画を立てる
• 心構えを整え、目標を見失わない
これらを徹底することで、社会人であっても短期間で予備試験合格をすることは可能です。
私自身、時間管理を徹底することで、仕事・家庭・勉強の3つの両立を実現し、最短で合格につなげました。
自分に合った時間管理メソッドを取り入れ、是非合格への道を切り拓いてください。
実務家弁護士T
社会人受験生として学習期間1年で予備試験に合格し、翌年の司法試験には、総合31位・オールAで一発合格







