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理解を深めて答案力が一気に伸びた勉強法

プロフィール

S 様
早稲田大学法学部 卒業
早稲田大学法務研究科(既修) 修了
令和7年司法試験 合格

 

受講講座

  • 総まくり講座2023
  • 総まくり論証集2023(憲法)
  • 総まくり論証集2023(行政法)
  • 総まくり論証集2024(民事訴訟法)

 

成 績

総合 772.27点 1570位
論文 368.15点 1713位
公法系  66.48点(D、E)
民事系  167.97点(B、A、C)
刑事系  94.20点(C、C)
選択科目 39.49点

 

講座を選択した経緯・理由

私が総まくり講座を受講した理由は、1回目の司法試験受験時に80点近く足らずに不合格となり、分かったつもりになっているが分かっていないことがたくさんあると思ったからです。

当時の私は、論証集に載っている論証を完璧に覚え、あてはめをしっかりするというスタイルで試験を受けていました。しかし、司法試験では覚えた論証をそのまま使えない(若しくは使って良いか悩む)問題が出ることが多く、論証を使えない場合はその理由と新しい規範を、使える場合にもそのまま使えるか微妙な事案であった場合には使える理由を記述する必要がありました。

この事案に沿った論述をするには論証集に書かれていない論点についての根本的な理解が必要となります。

よく、法科大学院等で「論証集で勉強してはいけない、基本書と判例百選で勉強すべきだ」という意見を耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、それは論証集暗記型の勉強では事案に沿った論述ができなくなるといったことを指しているものと思われ、ある意味で正論です。

しかし、基本書や判例百選の解説を用いての勉強には大きな難点があります。

それは、内容が難しく、分量も多く、司法試験との関係で不要な記述も多い(私の体感ですがむしろ不要なものの方が多いかもしれません)ので、どこが大事か分かりにくいということです。その結果、読み終わったという達成感はあるが、あいまいな理解となり、試験で論述できるまでに至らない状態になりがちです。

そこで、私が利用したのが加藤ゼミナールの総まくり講座でした。

総まくり講座は、受験生の多くが分かったつもりになっていることについて、「みんなこう理解しているけれど、本当はこういう意味なんだよ。」という内容になっているので、自分が覚えた論証の本当の意味を知るという目から鱗の経験の連続でした。

上述のように、本来であれば基本書や判例百選の解説を読み込むことでこの経験をする必要があるのですが、総まくりテキストでは基本書と判例百選の解説から司法試験との関係で必要な部分だけを抜粋して掲載してくださり、それについての解説と、本番で出たらどのように論証に落とし込むかを解説されているので、基本書と判例百選の解説を読む必要がなくなります。

これによって、私の理解は飛躍的に高まりました。論証の暗記はできているけれど、点数が上がらない、基本書や判例百選で勉強するのが辛いという方にはとてもおすすめです。

また、総まくり論証集は、従来の論証集と異なり、論証だけではなく、その論証の意味を理解できるように作られているので、総まくりテキストの理解の部分からさらに理解をそのまま覚えなければならない部分を抜粋したものと言え、本番も記憶の中で何度も思い出して書いていました。

総まくりテキストは分厚く何回も見直すのは難しい為、最後はこの総まくり論証集で理解として大事なところを頭の中に叩き込んだという感覚です。

 

講座・教材の使い方

「テキストをしっかり読む」という使い方をしました。

講義で特に大切なところは強調してくださるのでそこは何度も読み返しました。下の方に書いてある細字の部分には基本書や判例百選の解説の抜粋が載っていて難しいですが、ここの部分を理解すると飛躍的に実力が伸びるので読み飛ばすのは勿体ないです。

総まくり論証集については判例の要旨がまとめられているので何回も読み直しました。

特に、憲法、行政法、民事訴訟法では判例について聞かれることが多いので論点だけでなく、判例についても覚えやすい形になっていたことはとても助かりました。

 

講座・教材が令和7年司法試験にどのように役立ったか

加藤ゼミナールのテキスト程詳しいテキストはほとんどないので、分からない問題に直面した時にこれは既存の論点ではなく現場思考型論点だと気付けたこと、それによって無駄に考える時間をなくせたことが一番大きかったです。

また、判例を聞かれた時は総まくり論証集の判例部分を思い出して書くことができました。

 

これから司法試験・予備試験を受験する方々へ

皆さんは法科大学院等でよく論証集を完璧にして、あてはめを充実させれば合格できるという説を耳にすると思います。

ここからは私の勝手な感覚であり体感としての話になりますが(多くの合格者の友人も同意してくれているのである程度当たっている気はしますが責任は負えません)この説は正しいように思われます。おそらく、求められている全ての論点について、基本的でありながら正確な論証をし、評価を伴う厚いあてはめができれば合格する可能性が十分にあると思われるのです。

ですから、正確な暗記とあてはめ重視型で行くという戦略が決して悪いとは言いません(それこそ、5月以降の試験直前期であれば迷わず正確な暗記に注力した方が合格の可能性は上がる気がします)。

しかし、4日間も試験を受けているとミスをすることがあります。

例えば、論点を落としたとか、ついつい設問1で書き過ぎてしまい、設問3を解く時間がほとんどなくなってしまったとか、書いている途中で間違いに気付いてしまったとか、このようなことが起こる時には起こってしまうのです。

実際に今年の私は2科目で時間配分のミスによる大失点をしてしまいました。何かのミスでごそっと失点した場合にも合格したいとなれば、深い理解が示せると安心かなと思います。

司法試験について数ある情報の何が正しいかはその人によるとしか言いようがありません。しかし、総まくり講座によって深い理解を得るというのは、一つの正解であることに間違いはないと思います。

私の文章を読んで下さった皆さんが合格されることを願っております。