加藤 喬
加藤ゼミナール代表・弁護士
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院 修了
総合39位・労働法1位で司法試験合格
基本7科目・労働法・実務基礎科目の9科目を担当
憲法論文の本質は、判例を軸とした議論を展開することです。
毎年のように、判例の類題が本質的な事実関係をずらして出題されています。
判例の事実関係との共通点と相違点を踏まえながら、判例理論の根拠に遡り、その根拠が妥当するか否かという観点から、判例理論の射程を論じます。
判例理論の射程が及ぶ場合には、全面的に及ぶのか、部分的に及ぶにとどまるのか、後者の場合には判例理論がどのように変容して当該事例に適用されるのかを論じ、判例理論の射程を否定する場合には、判例理論に代わっていかなるルールが当該事例に適用されるのかまで論じる必要があります。
一番大事なことは、いかなるルールが適用されるのかという結論ではなく、①判例の事実関係との共通点と相違点を踏まえながら、②自分なりに判例理論を使って議論を展開するというプロセスです。
判例理論の引用・参照がよほど不正確でない限り、判例理論を軸とした論述をしたこと自体が高く評価されます。
唯一間違いがあるとすれば、事実関係の違いをガン無視していきなり判例理論を適用したり、判例理論をガン無視していきなり自説を展開することなどです。
憲法論文では、「判例理論を使って、自分なりにどう考えて論じたのか」が重視されているので、判例理論を使うことに萎縮しないでください。
日頃からこうした意識を持ちながら勉強していると、憲法判例と仲良くなれると思います。