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【予備試験】実務基礎科目の勉強について

2026年02月02日

弁護士谷口 陸

加藤ゼミナール専任講師

このたび、加藤ゼミナールで予備試験の実務基礎科目を担当することになりました。

私は令和元年に予備試験に合格し、その際の実務基礎科目の成績はAを獲得しております。予備校の解答速報ベースではおそらく満点に近い回答ができていたと思います。

私にとって実務基礎科目は、いわば“得意科目”でした。

本コラムでは、当時の私の経験と、現在の実務家としての視点の両方から、実務基礎科目の勉強法についてお話ししたいと思います。

 

①  実務基礎科目は「合否に直結する」と言っても過言ではない重要な科目であること

まず、最初に強調したいのは、予備試験論文式における実務基礎科目の重要性です。

多くの受験生がご存じのとおり、予備試験において、実務基礎科目は 2 科目分の配点が割り当てられています。この配点は決して軽視できるものではなく、むしろ「合否に直結する科目」と言っても過言ではありません。

しかし、世間の受験生の勉強時間配分を見ると、多くの人が実務基礎に十分な時間を割けていません。理由は明白で、「よく分からない」「何をすれば良いのか曖昧である」「基本7科目ほど情報量が多くない」というイメージが先行してしまうからです。しかし、まさにその油断が合否を分けるポイントになると思われます。

 

②  実務基礎科目は「差がつきやすい」科目である

次に、実務基礎科目の大きな特徴として、差がつきやすい科目であることが挙げられます。

実務基礎科目は、学習経験の差、過去問分析の密度、答案構成への慣れといった点が如実に点数へ反映されます。

つまり、正しい対策を行った受験生がストレートに高得点を取れる科目であるといえます。私自身、予備試験合格年度には実務基礎での安定した得点が全体の答案を支える大きな柱となりました。

 

③  実務基礎科目が解けない場合、まずは、「基本科目の理解不足」がないかを疑う

ここは非常に重要な点です。

実務基礎科目が苦手な受験生の多くは、実務基礎科目固有の知識そのものよりも、基本法律科目(民法・民訴・刑法・刑訴)の理解不足が根底にあると思われます。

実務基礎科目は特別な科目でありません。民法全体の理解、刑法の各構成要件に関する知識、民訴・刑訴の手続理解など、基本科目の延長線上にある科目です。

したがって、実務基礎の学習がうまくいかないと感じたときには、まず基本法律科目の知識に不足がないか、確認することを強くおすすめします。それこそが実務基礎科目の実力を底上げする最短ルートになり得ます。

 

④  頻出論点は決まっている。過去問は「形を変えて何度も同じ内容を訊いている」

③の内容とはやや反してしまうかもしれませんが、実務基礎科目には頻出論点が明確に存在します。

  • 民事実務基礎科目であれば、例えば、文書の成立の真正についての論点はほとんど毎年出題されている論点ですし、要件事実についても、売買契約、消費貸借契約、保証契約など、いくつかの決まった分野からの出題が目立っています。
  • 刑事実務基礎科目であれば、公判前整理手続、証拠調べに関する異議などの手続き的な問題は出題パターンが決まっており、事実認定の問題(犯人性、供述の信用性、殺意認定など)も検討すべき視点や考慮要素は決まっています。

上記のことから分かるとおり、実務基礎科目は過去問が極めて重要となる科目です。予備試験は平成23年から始まっており令和8年現在まで含めれば多くの蓄積があるため、これらを完璧にするだけでも十分な得点源にすることが可能であると考えています。

「形が違って見えても、結局は同じ論点だ」という感覚が身につくと、どんな問題が来ても落ち着いて処理できるようになります。

 

最後に

実務基礎科目は、決して「難解で特別な科目」ではありません。しかし、多くの受験生が正しい勉強法を知らず、結果として差がついてしまう科目です。逆に言えば、正しい方向性で努力すれば、確実に得点源にできます。

私はこれまで、実務科目を得意として予備試験に合格し、その後は実務家として経験を積んできました。その知識・経験の全てを総動員して、加藤ゼミナールでの講義を通じ、皆さんの力になれればと思っています。

一緒に、実務基礎科目を“武器”にしていきましょう。

 

谷口 陸

加藤ゼミナール専任講師・弁護士

慶應義塾大学法学部 卒業
予備試験合格
東京大学法科大学院 修了
総合200位台で司法試験合格
都内企業法務系事務所に勤務する実務家弁護士
法律実務基礎科目講座を担当