加藤ゼミナールについて

司法試験の出題に係る法令の施行日に関する平成17年5月31日司法試験委員会決定が変更されました

2023年11月30日

平成18年司法試験から令和5年司法試験までの間、「司法試験は、試験時に施行されている法令に基づいて出題する。」(平成22年司法試験までは「新司法試験は、現行司法試験において行われているのと同様、試験時に施行されている法令に基づいて出題する。」とされています)という平成17年5月31日司法試験委員会決定が維持されていました。

しかし、上記決定は、令和5年11月7日付で、「各年における司法試験については、当該年の1月1日現在において施行されている法令に基づいて出題する。」という内容に変更されています。

したがって、再度の変更がない限り、令和6年以降の司法試験については、原則として、「当該年の1月1日現在において施行されている法令に基づいて出題する。」ということになります。

予備試験についても、令和5年11月7日付で、同様の変更がなされています(詳細はこちら)。

【変更前】

出典:https://www.moj.go.jp/content/000080995.pdf

【変更後】

出典:https://www.moj.go.jp/content/001406572.pdf

 

司法試験の出題に係る法令の施行日に関する平成17年決定が変更された理由は、令和5年司法試験短答式試験刑法第6問における出題の不備にあると考えられます。

令和5年司法試験短答式試験刑法第6問では、同年7月16日に実施された司法試験における問題であるにもかかわらず、同年7月13日に施行された性犯罪に関する改正刑法(不同意わいせつ罪、不同意性交等罪…)ではなく、同改正前の刑法(強制わいせつ罪、強制性交等罪…)に基づいて出題されており、かつ、同改正前の刑法に基づいて出題されている旨の広報もなされていなかったため、改正刑法と改正前刑法のに基づいて解答すればいいのかが不明確でした。

その後、令和5年8月3日付で、司法試験委員会より、令和5年司法試験短答式試験刑法第6問について出題の不備があったことを認めるとともに、同問の採点に当たっては受験者全員を正答として取り扱うこととする旨が発表されました。

【令和5年司法試験短答式試験刑法第6問】

出典:https://www.moj.go.jp/content/001400112.pdf

【令和5年司法試験短答式試験刑法第6問についての司法試験委員会の発表】

出典:https://www.moj.go.jp/content/001400852.pdf