加藤ゼミナール代表の加藤喬でございます。
本日、令和6年予備試験論文式の合格発表がありました(法務省のページはこちら)。
論文式を受験された皆様、本当にお疲れ様でした。
合格発表を受けて、私から皆様に各種のご案内とともに、メッセージを送らせて頂きます。
1. 口述試験に向けて
予備試験論文式合格、誠におめでとうございます。
今日から1か月後、口述試験があります。
例年と異なり、口述試験まで1カ月ほどありますので、口述試験対策と司法試験対策をバランスよく進めて頂きたいと思います。
口述試験の合格率は98%前後です(令和5年予備試験)。
しかし、30倍近い倍率を突破した実力者のうち、2%近くの人たちが合格できない試験でもあります。
このことに、合格率が非常に高いため合格が原則、不合格が例外であると認識されている試験であることとも相まって、もし落ちたらどうしようと強い不安を抱えている論文合格者の方々は少なくないと思います。
私は口述試験を経験したことはありませんが、これから口述試験に向かう皆さんにお伝えしたいことが1つだけあります。
それは、合格率が9割を超えるような試験では、「どうすれば合格できるか」よりも、「どうすると不合格になるのか」を重視したほうがいいということです。
ここまで合格率が高い試験だと、「これをやったらさすがにまずい」という不合格原因があります。
Twitter、ブログ、youtubeなどを通じて、あるいは口述試験不合格の経験のある知人を通じて、「どうすると不合格になるのか」についても把握して頂きたいと思います。
「どうすると不合格になるのか」について把握し、そうならないようにするための対策をすることにより、客観的には合格可能性を高めることができますし、主観的には不安が和らぎ冷静な状態で口述試験に臨むことができるようにもなります。
予備試験1年合格者である市川綱己の口述対策動画も、是非参考にして頂きたいです。
市川綱己講師は、社会人受験生として学習1年で予備試験に合格し、総合31位・オールAで司法試験に一発合格しました。
口述対策動画では、口述試験の概要から口述試験で必要とされる能力、具体的なNG対応例まで分かりやすく説明しています。
.
2. 令和7年司法試験に向けて
皆様は、来年7月までに司法試験対策を完成させる必要があります。
基本7科目については、司法試験の傾向とレベルに対応できるようになることが重要です。
司法試験と予備試験とでは、分野・論点という出題範囲での共通性が強い一方で、科目ごとに程度差があるものの、問題文の複雑さ・情報量の多さ、出題の形式・角度、点の取り方について違いがあります。
こうした司法試験の特徴に対応できるようになる必要があります。
司法試験過去問の演習・復習を繰り返すことで、司法試験の問題に対応するための深い知識(書き方を含む)、方法論(現場思考問題の対処法を含む)、慣れを徐々に身につけていきましょう。
そのためには、司法試験全体及び科目ごとの特徴を的確に捉えた分析と、それに従った演習・復習が大事になってきます。
予備試験論文式に合格できるだけの知識があるのですから、少なくとも” 司法試験合格 “だけを目指すのであれば、基本7科目については、司法試験対策としての新しい勉強は司法試験過去問を使ったアウトプットにとどめ、インプットはこれまでの使ってきた教材の反復にとどめるのが望ましいと思います。
これに対し、” 司法試験で上位合格を目指す “のであれば、司法試験にトップクラスの成績で合格するために必要な知識と方法論が集約されている総まくり講座も受講して頂くことをお薦めいたします。総まくり講座で司法試験レベルの深い知識と方法論を身に付けた上で、これらを総動員するつもりで司法試験過去問講座を使った演習・復習を行うと、両講座によるインプットとアウトプットの効果を最大化することができます。
実際、予備試験合格後に総まくり講座と司法試験過去問講座を受講して司法試験で上位合格を果たされた方は大勢いらっしゃいます。
3. 予備試験合格パックの受講者様の合格特典
① 予備試験口述模試の無料提供
加藤ゼミナールでは、予備試験合格パックを受講して令和6年予備試験論文に合格された方に、ロースクールタイムズ様が主催する口述模試(受験料3,000円)を無料で提供いたします。
詳細は、下記よりご確認くださいませ。
② 司法試験過去問講座2024の無料提供
予備試験合格パックを受講して予備試験に最終合格された方には、基本7科目の司法試験過去問講座2024(全年度分)を無料で提供させて頂きます。
口述試験前からご利用いただけますので、詳細はこちらからご確認くださいませ。
4.大手予備校による予備試験合格者の囲い込み
大手予備校では、予備試験合格者の囲いを込をするために、特別奨学生といった形で司法試験講座や答練・模試を無料で提供する一方で、半永久的に他校での講師活動などを包括的に禁止しようとする傾向にあります。
上記のような誓約事項については、予備校側がちゃんと説明をしないで受験生に署名させる傾向にありますので、自分で気が付かないうちに今後の活動を大幅に制限することにもなりかねません(なお、誓約事項の内容、契約締結過程における説明の有無・態様によっては、誓約事項の全部又は一部が公序良俗違反として無効になると考えられます)。
特別奨学生などを利用する際には、誓約事項の有無及び内容を確認するとともに、講座のクオリティも含めて得られる利益と失われる利益のバランスをしっかりと考えて頂きたいと思います。
1. なるべく早く勉強を再開する
今は、現実を受け止めることができず、前に進もうという気持ちになれないかもしれません。
本気で予備試験合格を目指してきた人ほど、合格に届かなかった場合の辛さは大きいです。
令和7年予備試験短答式までは7カ月弱、同年予備試験論文式までは9か月弱しかありません。
予備試験短答式では、短答固有の知識からの出題が多い下4法がある上、倍率も高いですから、その対策のために相当な勉強量を要します。
辛い時期であるとは思いますが、令和7年予備試験合格を確実なものとするために、なるべく早く勉強を再開しましょう。
2. 今後の予備試験対策
自分の現状と合格と距離を埋めるために、しっかりと自己分析をしましょう。
例えば、知識はあるけど本試験レベルの問題に対応できていないという方であれば、予備試験過去問を使った演習により司法試験と予備試験に共通する「問題文の読み方」「現場での考え方」「基礎知識を土台とした現場思考コツ」「科目分野ごとの答案の書き方」を身に付けるという勉強に重点を置くべきです。
これに対し、典型論点が重点的に出題された科目において主要論点を網羅して論証することができていないのであれば、明らかにインプット不足です。この場合、知識の範囲及び質が合格水準に到達していないのですから、予備試験過去問に入る前に網羅的なインプットにより知識面の強化を図ることからスタートするべきです。
また、行政法における原告適格などの頻出分野・論点について、参考判例に関する知識の有無はともかくとして、判例・学説上の判断枠組みを使って正しい書き方に従って論じることができていないのであれば、科目・分野ごとの書き方に関する基礎的なところで躓いていることになります。この場合は、予備試験過去問に入る前に、短文事例問題演習を通じて頻出分野・論点の書き方の作法を習得する必要があります。
このように、令和7年予備試験論文合格のために 「何を勉強するべきか」、「何から勉強するべきか」は、各々の学習進度によって異なりますから、ご自身の学習進度に合った講座選びをして自分にとってベストな勉強計画を立てて頂きたいと思います。