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司法試験対策の入門段階で注意すべきこと

2025年04月25日

司法試験や予備試験対策ではその出だしが重要です。ここを誤ると努力の割には成果が出なかったり、時間的に大きなロスになったりします。

以下に、入門段階で陥りやすいミスとそうならないため注意すべき点を挙げてみました。

1. 手を広げすぎること

最初から多くの教材や参考書に手を出すと、消化不良になりがちです。

予備校のテキスト、基本書、判例集など、核となる教材を絞り込みましょう。

2. いきなり過去問に手を出すこと

早い段階で過去問に触れ、「ゴール」を意識することは重要ですが、基礎知識がない段階で解こうとしても、解くことはできませんし、時間ばかりがかかってしまいます。まずは基本的な知識をインプットし、その知識の使い方や確認の意味で挑戦するのが効率的です。

過去問に触れるにしても、無理して解こうとせず、答案例などを教科書的に「読む」という利用の仕方もあります。

3. 理解せずに暗記に走ること

判例や条文、論証例の暗記も必要ですが、「なぜその結論になるのか」を理解しないと応用が利きません。特に入門段階では、条文は趣旨・要件・効果を、判例では事案の概要と争点、判例の規範構造の理解を意識しましょう。論点の論証では、問題の所在、理由づけ、結論といった論点の構造の理解を意識しましょう。

4. 独学にこだわること

独学でも合格は可能ですが、非効率になりがちです。特に入門段階では、予備校の講義を活用し、体系的な理解を深めるのが効率的です。なお、入門講座を利用する場合は、初学者にもわかりやすい講義を選ぶことが重要です。

5. 反復せずに先へ進むこと

「一度読んだからOK」と思わず、テキストを何度も復習しましょう。知識の定着には反復が不可欠です。

6. 試験傾向を無視すること

司法試験や予備試験は、単なる法律知識の暗記ではなく、法的思考力・論述力が問われます。過去問の分析や基礎問題演習を通じて、試験で求められるスキルを意識しましょう。

⒎ スケジュールを立てずに勉強すること

無計画に勉強すると、進捗が偏ったり、モチベーションが続かなかったりします。短期・中期・長期の学習計画を立て、バランスよく進めることが重要です。

⒏ モチベーションのみに頼ること

モチベーションは波があるため、気分に左右されず勉強を継続できる仕組み(スケジュール管理や学習習慣の確立)が必要です。

まとめ

入門段階では、「基礎を徹底し、効率的な学習習慣を身につけること」 が最も重要です。焦らず、着実に実力を積み上げていきましょう!

執筆者

高野 泰衡

加藤ゼミナール専任講師

合格率2%台の旧司法試験に合格
講師歴30年、短期合格者を多数輩出
入門講座を担当