加藤 喬
加藤ゼミナール代表・弁護士
青山学院大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院 修了
総合39位・労働法1位で司法試験合格
基本7科目・労働法・実務基礎科目の9科目を担当
今回のコラムでは、私が司法試験を目指すに至った経緯について、少しお話しいたします。
法律コラムという趣旨からは外れることになりますが、なるべく多くの方々に読んでいただきたいので、私の個人ブログだけでなく、加藤ゼミナールの法律コラムでも取り上げさせて頂いた次第です。
私が司法試験を目指して勉強を開始したのは、大学3年の春です。
私は5歳から高3まで体操をしており、大学にはスポーツ自己推薦で入りました。
小中高は全て地元の公立学校で、受験勉強をしたのは、高校受験(全国偏差値60程度)に向けた中3の1年間だけです。
大学では1年間、ボクシングをしていたのですが、明確な目標も持たずにダラダラとやっているだけであり、自分でも気持ち悪さを感じながらジムに通っていました。体操をしていた時の自分はもういないということは、自分が一番よく分かっていました。
大学2年の夏頃に、ボクシングを辞めた途端、脱げ柄のような状態に陥りました。日々の生活に目標がないのです。
それから半年ほど、何の目標もないまま大学の授業とアルバイトだけという生活を送っていました。
大学2年の春休みに、何か大きな目標が欲しいとの思いから、司法試験か司法書士試験を目指そうと考えるようになりました。
弁護士や司法書士として何かやりたいことがあったわけではありません。法学部であったために、目標が難関法律資格である司法試験と司法書士試験に自ずと絞られただけです。
本当に目指したいのは、司法試験でした。しかし、当時は、早期卒業制度や在学中受験制度もなかっかたため、最短でも、司法試験の初受験は25歳の年、司法修習を終えて実務に出るのは26歳の年です。
今の私からすれば、25~26歳はとても若いのですが、当時20歳の私にとっては、20歳から25~26歳までの5~6年間は、気が遠くなるほど長く感じるものです。
最短でも5~6年勉強だけの生活を送る必要があり、受験資格失権のリスクも低くない(当時は5年3回制)ため、司法試験を目指すのが物凄く恐かったです。
悩んだ末、司法書士試験を目指すことにしました。
しかし、実際に勉強を始めてみると、とにかく憶えることが多く、1カ月もしないうちに、「こんなに大変な勉強をするなら、一番目指したい司法試験にチャレンジしてみよう」と思うようになり、大手予備校に入校して司法試験の勉強をスタートしました。
それから、合格までだいぶ時間を要しましたが、28歳で司法試験に合格し、35歳で加藤ゼミナールを設立して今に至ります。
設立当時は、とにかく自分が出したい教材と講義を出し切ることだけを考えており、個人事業の法人成りくらいのスケールを想定していたのですが、関係者との出会いにも恵まれ、大変多くの方々に加藤ゼミナールを利用していただき、合格実績も出すことができ、設立当時のイメージを超えるスケールに成長することができています。
あの時、目標を司法試験に切り替えていなければ、今の私はありません。
さらに言えば、司法試験を目指したことも、専業予備校講師の道を選んだことも、加藤ゼミナールを設立したことも、全てが私にとってベストな決断であったと確信しています。
司法試験・予備試験に限ったことではありませんが、かつての私のように、「一番目指したいことがある一方で、妥協して別の道に行くことも考えている」という感じで悩んでいる人は、なるべく一番目指したいことにチャレンジしてみましょう。
確かに、様々な条件の下で、妥協をせざるを得ない人もいるかもしれません。
しかし、妥協した道で目標を達成したとしても自分を満足させられるか分かりませんし、高いモチベーションを維持するのも難しいです。一番目指したいことであれば、目標を達成したときの満足感は一番大きいですし、本気になって努力できるのでその分だけ目標を達成しやすいです。
今、本当にやりたいことがあって悩んでいる人には、今回の記事を是非参考にしていただきたいと思います。