加藤ゼミナールについて

私が司法試験を目指した理由 加藤駿征弁護士

2025年06月09日

 

はじめに

今回のコラムでは、私が司法試験に合格するまでの経緯について、お話しします。

私は、法科大学院の未修者コースを卒業して司法試験受験資格を得ているため、法曹への最短ルートを歩んできたわけではありませんが、最短ルートを歩んできた方でなくとも十分に合格し、弁護士として十分な活動をすることができることがお伝えできればと考えています。

 

法科大学院受験から司法試験合格まで

私は、大学1年生、2年生のときは、サークルやバイトに明け暮れており、ほとんど勉強はしておらず、自分の将来のことについて真剣には考えてはいませんでした。しかし、大学の3年生の中盤を超え、周りの友人が就職活動を始めるようになり、自分も卒業後の進路のことを考えるようになったときに、ふと、このまま周りと同じように就職活動をして、いわゆる、サラリーマンに本当に自分はなりたいのかなと疑問に思いました。

今となっては就職活動をしたくないという逃げの気持ちもあったのかもしれませんが、せっかく法学部に入ったのだから、法律についてしっかりと学んで、法律を生かした仕事がしたいと考えを改め、本格的に勉強を始めることにしました。(結果論としてはこうして弁護士になれたので、選択は間違っていなかったと信じています。)

周りの司法試験を目指している方は1年生の頃から本格的に司法試験対策の勉強をしていたため、スタートが大きく遅れてしまい、実際に周りとの間に大きなビハインドもあったと思いますが、自分が周りよりもできないことは当たり前だとある種割り切ることができていたので、スタート時期が遅れたことはそれほど気になりませんでした。

そのような状態だったのですべての科目を法科大学院受験までに学習することは難しいとはじめから諦めていたので、法科大学院入試までになんとか憲法、民法、刑法だけでも一通り終わらせることを目標に勉強に励みました。

法科大学院の入試では、3科目だけで入学できる既修コースと未修コースを受験し、既修コースで合格させていただいた法科大学院もありましたが、学習開始のタイミングが遅かったこともあり、腰を据えて基礎から法律を学びたいと考えたので、中央大学法科大学院の未修コースを選択しました。

結果的に未修コースで3年間じっくり学んだことで、力もつき、司法試験にも合格できたと思っています。

 

最後に(周りを気にする必要はない)

今から思えば法科大学院入学当時はほとんど何もわかっていないような状況であり、無理して既修コースに入っても、授業についていけず、挫折してしまっていた可能性もあるので、未修コースで1年間徐々に力をつけることができて結果的にはよかったと思っています。

私は周りの人よりは遅いスタートになってしまい、弁護士になるのにも時間がかかってしまいましたが、弁護士になってからは特段合格が遅かったことによるビハインドは感じておらず、日々、充実した弁護士生活を過ごせています。

受験生時代は、1年や2年のビハインドを大きなものに感じてしまいがちですが、いざ弁護士になってしまえば、それほど大きなビハインドではないと思います。

もし、「他の人はもっと早くから勉強をはじめているから」「他の人は司法試験に1回で合格しているから」など周りと比較してビハインドがあることを理由に司法試験に挑戦することに迷っている方がいるのであれば、法曹になってしまえば、1回目で合格したことや何歳で合格したこと等の肩書きは一切関係がない(法曹として自分がどのような価値を提供できるのかが決定的に重要です。)ので、多少の遅れは気にせず、是非ともチャレンジしていただきたいと考えています。

 

執筆者

加藤 駿征

加藤ゼミナール専任講師・弁護士

立命館大学法学部 卒業
中央大学法科大学院 修了
総合5位・経済法1位で司法試験合格
ニューヨーク州司法試験合格
大手企業法務系事務所に勤務する実務家弁護士
経済法講座を担当