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【経済法】司法試験・予備試験頻出分野ランキング

2025年07月28日

今回は、受験生の皆様に効率的な対策をしていただくために、司法試験と予備試験の分野ごとの司法試験・予備試験における出題回数をまとめたうえで、ご紹介いたします。

順位 分野 回数 出題年度
拘束条件付取引 H22②  H22①  H24②  H26①  H28②  H30②

R3②  R4②  R6②

談合 H19②  H22②  H26②  R1①  R3① R6①
私的独占 H23②  H25①  H26①  H29①  R3②

R6②

水平型企業結合 H23①  H27②  H29②  R1②  R4予備  R5①
非ハードコアカルテル H20①  H21①  H29②  R5①  R5予備
抱き合わせ H19①  H20②  H25①  H29①  R4①
事業者団体 H25②  H27①  R2②  R5予備
再販売価格高速取引 H18①  H20②  R4②  R6予備
カルテル H18②  H24①  H28①  H30①
共同の取引拒絶 H20①  H23②  R5②
垂直型企業結合 R1②  R2①  R5①
課徴金 H19②  H30①  R6①
差止請求 H18①  H20②  R4①
取引途絶 H18①  R3②
取引妨害 H19①  R6②
排他条件付取引 H26①
差別取扱い R6予備
不当廉売 H21②

1位の拘束条件付取引については、定期的に出題されており、今後の出題可能性も大きいと考えられますので、しっかりとした対策が必要になります。拘束条件付取引は、競争者排除型と競争回避型の双方で問題になりうるため、問題がどちらの類型を問うているのかを意識して答案を作成する必要があります。

2位の談合については、今回は、カルテル(4位:4回)とはわけて、ランキングを作りましたが、ハードコアカルテルという広いくくりでカテゴライズすると10回出題されており、拘束条件付取引よりも高い頻度で出題がなされています。処理手順については、談合とカルテルで類似しているので、両者をあわせて基本的な事項をおさえる必要があります。

同じく2位の私的独占については、しっかりと記載できない受験生が多く、出題された年度の出題趣旨・採点実感では毎回のように私的独占の検討が不十分である旨が指摘されています。頻出分野である上、他の受験生と差をつけやすい分野ですので、重点的に学習する必要があります。

水平的企業結合についても、頻出分野です。基本的には「競争を実質的に制限する」の要件のあてはめにおいてどれだけ多くの事情を拾って評価できるかがポイントになりますので、過去問を繰り返し解くことでどの事情をどのように評価するのかについてパターンを掴む必要があります。

3位の非ハードコアカルテルについては、苦手にしている受験生も多いと思いますが、令和5年に司法試験・予備試験で立て続けに問われるなど、近時出題可能性が高まっている分野といえるので、しっかりと対策する必要があります。

また、同じく3位の抱き合わせは、直近1、2年で公正取引委員会が積極的に執行を行っており注目されておりますので、今後も出題可能性が高いと考えられます。

4位、5位の分野についても複数回出題されており、今後の出題も十分考えられますので、問われた場合に基本的な事項については記載できるよう準備をしておく必要があります。

6位、7位の分野については、今後の出題可能性が大きいわけではありませんので、上でみた分野よりは重要性がやや劣ります。もっとも、排他条件付取引については出題頻度の高い拘束条件付取引と関連させた出題も考えられ、他の条文よりは出題可能性が高いと考えられます。

 

執筆者

加藤 駿征

加藤ゼミナール専任講師・弁護士

立命館大学法学部 卒業
中央大学法科大学院 修了
総合5位・経済法1位で司法試験合格
ニューヨーク州司法試験合格
大手企業法務系事務所に勤務する実務家弁護士
経済法講座を担当