司法試験の勉強法-何をどうやって覚えるべきか

合格者の試験対策(実務家Sさん)

はじめに

司法試験合格のためには、条文や裁判例など、沢山のことを覚えなければなりません。しかし、ただ漫然と暗記をしても、結局は忘れてしまったり、本番で知識が使えなかったりします。
そこで、この記事では、司法試験で暗記すべきことは何なのか、またその勉強法について触れたいと思います。

すべてを暗記するのは不可能

取捨選択が大切

司法試験では、膨大な知識が要求されます。そのため、すべてを同じクオリティで暗記することは不可能です。メリハリをつけて、暗記する箇所とその精度(規範を一言一句覚えるのか、なんとなく覚えておけばよいのか)に優先順位をつける必要があります。
また、人の記憶はどうしたって薄れるものなので、長期記憶として保持するか、直前に詰め込むのかも事前に計画しておいた方がよいでしょう。

司法試験合格のために何を覚えるべきか

ざっくりとですが、私は下記のように記憶を整理していました。

  • 長期記憶…試験本番ですぐに思い出せるようにすべきことは、普段から何回も見直しをする。
    例えば、重要度の高い論証(刑訴の強制処分の意義、行政法の原告適格など)。
  • 短期記憶…択一(試験直線の数か月前から、何度も解くようにする)
    裁判例などは、読み込むのに時間がかかるため、司法試験本番のだいぶ前から勉強をしていました。もっとも、暗記まではせず、裁判例の内容を理解するに留めています。

※択一について:暗記は直前期に行っていますが、最初の1~3周は解くことに時間がかかるため、しっかりと勉強時間をとっておいた方が良いです。

暗記のための勉強方法

巷の勉強ノウハウを記載した本には、たくさんの暗記法が載っていると思いますが、私や友人が受験生の時にやっていたのは、以下のような勉強法です。

  •  50分1セットで勉強する  暗記に限ったことではないですが、同じことを繰り返していると飽きてしまうので、50分1セットとし、5分あるいは10分休むというスパンで勉強を繰り返していました。
    終わりが決まっていると、その時間内にすべきことが明確になり、効率的に勉強できる点がよかったです。
  •  歩きながら繰り返し覚える  単純な暗記作業については、歩きながら覚えると、気分転換にもなり丁度良かったです。
  •  寝る前に覚えて、翌朝思い出す  うろ覚えの事項については、寝る前に暗記をして、朝一番にアウトプットをするようにしていました。

効率化できること、時間をかけるべきこと

司法試験受験生は、本番までの限られた時間で、論文式及び短答式に必要なだけの知識を習得する必要があります。試験本番までの勉強計画を立てる方が多いと思いますが、その際には、時間配分と優先順位に気を付けてほしいと思います。

勉強の中には、効率化できることと、できないことがあります。そのため、時間の配分や順番を間違えてしまうと、後から調整や巻き返しができなくなってしまいます。

例えば、効率化できることとしては、

  • 論証集作り(一から作るのではなく、市販の論証集に書き込みを行う。又は、予備校の論証集を購入する。)
  • 論文の書き方についての情報収集(市販の学者本を読むのも有益だが、予備校であれば、直接的にポイントを教わることが可能。)が挙げられます。

他方で、時間をかけなければならないのは、

  • 暗記
  • 判例の読み込み(ただし、読むべきポイントを絞ることは可能)
  • 択一を回す(特に1周目)

ことだと、私は考えていました。
時間がかかる勉強については、司法試験本番に間に合わない可能性があるので、早い段階で取り組む必要があります。

おわりに

勉強計画を立てる前には、何に、どのくらいの時間をかけるかを見誤ってはいけません。
特に暗記には、結構な時間が必要となります。
自分にあった勉強法を見つけて、効率よく勉強していきましょう。

執筆者情報
実務家弁護士S
私大法科大学院卒業・新司法試験合格・実務経験2年以上
加藤ゼミの受講により勉強法を変えたことで司法試験に合格したことから、その経験を後輩に伝えたいと思い記事を執筆。
受験生時代の得意科目は刑法、苦手科目は行政法。