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はじめに
「予備試験に短期で合格したいけれど、どこから手をつければいいのか分からない」
「論文の勉強を始めても、答案がまったく書けない」
「判例を全部読むのは無理…。結局理解できないまま時間だけが過ぎてしまう」
これは、予備試験や司法試験を目指す多くの受験生が、学習開始の序盤に共通して抱える悩みの一つだと思います。特に社会人や限られた時間で勉強する方にとって、これらの悩みを解消するためのポイントを把握することが合否を左右する大きな要因となります。
本記事では、初学者でも1年間で論文力を一気に伸ばすためのアウトプット中心の学習法を解説します。重要なのは「無駄を省くこと」と「早期から書くこと」です。
短期合格の鍵は効率性
予備試験・司法試験は学習範囲が広くて、すべてを完璧に理解することは不可能です。特に社会人受験生は学習時間が限られるため、どのように時間を活用するかということを徹底的に意識する必要があります。
ここでいう効率的な学習とは、単に時短を目指すというだけではありません。今在る時間の質を最大限に高めることです。
- 出題頻度の高い分野や重要論点については集中的にケアする(学習にかけるカロリーの強弱をつける)
- 採点で評価される答案の型を身につける
- 早期からアウトプットして文章力を鍛える
例えば、これらを意識することで、短期間で論文力を飛躍的に伸ばすことが可能になります。
良質なアウトプットのために必要なインプットとは
「アウトプットが大事」と言われても、土台となる知識がなければ論文の答案は書けません。重要なのは、論文答案に直結するインプットを行うことです。
予備試験・司法試験対策のための学習を始める方は、まず以下のことを知っておくといいです。
- 基本書を最初から最後まで精読する必要はない
 本試験の合格に必要な知識とすべての法律の知識はイコールではありません。本試験合格のために必要な知識及びノウハウを徹底的にインプットしましょう。
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- 重要または頻出の論点を中心に、答案で使える形でインプットする
 試験の科目ごとの論点ごとに重要度の強弱があります。それを意識して、メリハリを付けたインプットをしましょう。そして、ただ記憶するのではなく、論文として書くときにはこういう形ということまでイメージしてインプットすることが重要です。
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- 論証パターンはもっぱら理解と要点の記憶に留める
 確かに一言一句違わず記憶すべき判例の言い回しなどもありますが、多くの論証は丸暗記する必要まではありません。何を言っているのか、何を言いたいのかという本質を理解した上で記憶ことを心がけましょう。
つまり、予備試験・司法試験対策としてのインプットにおいては、ただ知識を詰め込むのではなく、「答案を書くため・試験合格のために必要な最小限の知識を吸収する」ことを意識することが不可欠です。
判例はすべてを細かく読む必要なし!重要部分に絞る
司法試験・予備試験の論文対策では、判例学習は避けて通れません。しかし、判例全文を読み込み、全てを暗記するのは現実的ではなく、試験でも求められておらず、短期合格を目指す受験生がそのようなことをやり遂げようとすると挫折します。
大切なのは、採点者となる試験委員が重視する部分を理解・記憶することです。
- 判旨のキーワード、趣旨
- 結論に至るための論理構造
- 他の見解との対比
加藤ゼミナールでは、試験対策として必要な判例について網羅的に取り上げ、各判例で重要箇所にマークを付けるなどした上で講義でも要点を的確に指摘しており、効率化された学習方法の実現をサポートしています。
初期から論文を書く!答案練習の正しい進め方
「知識が全て揃ってから論文を書く」という考え方は大きな誤解です。
論文の実力を伸ばすためには、学習初期から答案を書き始めることが重要です。
進め方は以下の通りです:
- 最低限の基本的な知識・論証等をインプットする
- 短い問題であっても実際に答案を書いてみる
- 模範答案・解説と照らし合わせて、自分とのギャップを分析する
- 足りない知識や論理展開を修正する
このプロセスは最初はなかなか書けずに、ほぼ解説や模範答案をなぞるだけになると思います。最初はそれで構いません!
もちろん私もそうでした。
しかし、この作業を愚直に約1年間ひたすら何度も繰り返し、継続することで、予備試験・司法試験を合格突破するだけの答案力が身につきました。
論証は丸暗記ではなく「自分の言葉」で記憶する
論証を一言一句覚えようとすると、記憶の負担が大きすぎて非効率です。そして、基本的には、他人が考えた言い回しは、自分にとって馴染みにくく記憶しづらいです。
論証の記憶で意識すべるべきことは、
- 論証の核となる考え方を中心に理解・記憶する
- 言い回しとして自分の言葉で書くとしたらこうだ、ということを意識してみる ことです。
このスタイルに切り替えることで、暗記の負担は大幅に軽減され、記憶効率も向上します。
1週間の中に習慣的に答案練習を組み込む
アウトプットの力を向上ないし定着させるためには、継続的・習慣的に論文を書く習慣が重要です。社会人であっても、1週間の中で毎日答案練習を必ず組み込むようにしましょう。
例:平日のAMはインプット、PMはアウトプットのように習慣化させると、学習は継続しやすいです。
- 平日:AMインプット(判例・論証確認)+PM(夜)答案作成
- 土曜:AM答案演習・・・
毎日答案に触れることで、知識と文章力が試験に使える形で定着していきます。
まとめ:早期アウトプットで論文力は必ず伸びる
予備試験・司法試験の短期(約1年等)合格には、無駄を省いた効率的な学習が不可欠です。
以下は本記事で説明したことのポイントです。
- 判例学習では理解・記憶を重要部分に絞る
- 論文は学習初期の段階から書き始め、書き続ける
- 論証は自分の言葉で表現できるように記憶する
- 毎日答案作成をする習慣を作る
この学習法を1年間継続すれば、初学者でも論文力を飛躍的に伸ばすことができます。
まずは答案を書いてみる。
この一歩が、予備試験・司法試験合格への最短ルートです!
実務家弁護士T
社会人受験生として学習期間1年で予備試験に合格し、翌年の司法試験には、総合31位・オールAで一発合格
 
           
           
            







 
    