西原 武 様
立命館大学法学部 卒業
令和4年司法試験 合格
総合 1027.86点 122位
論文 499.92点 141位
公法系 117.37点(A、A)
民事系 184.80点(A、A、A)
刑事系 137.03点(A、A)
選択科目 60.71点
講座を選択した理由は、圧倒的な信頼感にあります。
加藤先生のテキストは多数の文献が引用されており情報の正確性が担保されています。そのため、テキストに記載されている内容が本当に答案にも記載してもいい内容なのかを心配する必要がなく、情報の正確性に割く労力を勉強に集中させることができます。
次に、加藤先生のテキストは司法試験合格に直結したテキスト作りがなされています。基本書は体系的理解に努めるためには大変良書なものが多いですが、司法試験との関係ではオーバーワークとなる場合が多いです。一方で、加藤先生のテキスト及び講義は体系的理解を伴う司法試験特化型のものとなっています。そのため、講義は網羅的に行い体系的理解を促進しつつ、テキストは基本書よりかなりコンパクトに収められておりかつ、重要な論点等については答案例まで記載されており司法試験での点の取り方まで解説されています。講義の内容を理解してもその内容を本試験でどう反映させれば評価されるのかは私自身悩んでいる点だったので、その点を解消してくれるテキストは非常に信頼でき、講座を選択するに至りました。
総まくり講座については、主に過去問の知識の確認として使用していました。
具体的には、過去問を取り組んだうえで出来不出来に関わらず、出題分野部分の総まくりテキストを読み返したり、それでも理解できなかった場合は講義を聞いていました。例えば、民法の過去問で94条2項類推適用の問題を解いた際には、①94条の趣旨②典型的な適用事例③類推適用の適用事例及び判例等を総まくりテキストで復習するようにしていました。
過去問のみの学習では、当該問題だけ対応できる知識しか身に付けることができませんが、総まくり講座と併用することで当該問題だけでなく同じ分野が出題された際にも対応できる汎用性の高い知識を身に付けることができると感じました。
司法試験過去問講座については、先に問題文を読み答案構成をして解説を聞くという流れで受講していました。本講座の特徴は過去問演習が一冊で完結する点にあります。過去問は、当該過去問の再出題に備えて出題分野を復習することだけに使うものではありません。
例えば、憲法でいえば表現の自由がよく出題されることを確認するためだけに過去問演習するのではなく、憲法独自の答案の書き方や問題文の読み方、採点実感からどこまでかければ合格答案なのか把握すること等も学ぶことで初めて過去問を有意義に利用できていると言えます。
そして、本講座は、過去問演習を有意義にするための資料が余すことなく添付・記載されているため一冊で過去問演習を完結させることができ、私自身時間がない中で円滑に司法試験対策ができたと思います。
憲法
憲法は近年の問題形式が変更され、三者間形式に戻りました。今まで三者間での憲法答案をほとんど書いたことがありませんが、過去問演習を通じて憲法は三段階審査の理解が肝であることを教わっていたため、この点を意識して答案を書けたことが沈まなかった要因なのかなと思いました。
行政法
行政法についても、頻出分野である原告適格・行政裁量について過去問で深く解説されていたので過去問を通じて処理手順を確立させることができました。その結果として、行政法は時間が足りないと言われる中で途中答案にならず最後まで書ききることができました。また、原告適格・訴えの利益は出題可能性があったため総まくりテキストで判例を総復習し、まとめノートを作成するという形で答案に反映させられるよう準備していました。
民法
民法については、94条2項類推適用は以前にも出題されている分野だったため過去問を通じて理解を深めていました。また、総まくりテキストも復習していたため論点発見に役立ち、その結果全体としての時間配分にも余裕が生まれ、現場思考問題に多くの時間を割くことができました。
商法
339条は以前の過去問でも出題があったため、総まくりテキストと併用して定義、趣旨を把握していたため適切に処理することができました。また、経営判断原則についても過去問を通じて423条の一要件との関係で処理していくことを把握していたため、あとは当てはめで問題文の事情を流し込むだけでよく時間にも余裕が生まれました。
民事訴訟法
当事者の確定については、過去問には未出題でしたが総まくりテキストには厚く記載されている部分でかつAランクとして掲載されている論点でしたので学説も含めて把握することができていました。また、自白の撤回についても以前の過去問で理由付けが信義則のみで不十分だと指摘されていることを加藤先生が指摘されており、適切な理由付けを用意できていた点は非常に役立ちました。
刑法
刑法は正当防衛の急迫性要件に関して最新の判例が出ており、総まくりテキスト厚く当該判例について記載されていたため論証集に書き込み答案に反映できるように準備していました。その結果として刑事系は137点を取ることができたので非常に役立ちました。
刑事訴訟法
本年度は典型論点の詰め合わせだったため、過去問演習を通じて処理手順や考慮要素を把握することができていました。特におとり捜査については、強制処分→任意捜査の限界という順序で検討していくことは知っている人も多いと思いますが、強制処分ではどのような利益が制約せているのか、任意捜査ではどのような事実に着目して答案を書いていくのかまで詰めて理解している人は多くなかったと思います。その点、過去問講座では、全て解説がなされているので問題を見たときは20分もかからずに答案構成を終わらせることができました。
受験勉強中、思うようにいかず苦心する人も多くいると思います。しかし、それを払拭できるのは自分自身でしかなく、勉強するしか打開の道はありません。少し厳しく聞こえますが、合格者は全員この壁を乗り越えて合格していきます。無理なく勉強して壁を乗り越えてください。応援しています。