M.K. 様
令和3年予備試験合格(学部4年次)
令和4年司法試験合格
・基本7科目の司法試験過去問講座
総合 1087.70点 37位
論文 538.11点 40位
公法系 148.04点 (A、A)
民事系 196.01点 (A、A、A)
刑事系 129.56点 (A、A)
選択科目 64.49点(租税法)
予備試験に合格した11月時点では、司法試験の過去問を一度も起案したことがなく、さらに選択科目の租税法についても手付かずの状態で余裕がなかったため、本番までは司法試験の過去問分析に注力しようと考えていました。そのような私にとって、全年度分の過去問の解答・解説が各科目1冊にまとまっている「基本7科目の司法試験過去問講座」はとても魅力的でした。既に、直近6~7年分の過去問解説は他塾で入手していたのですが、いくつか解答や解説を見比べたうえで、自分なりに納得のいく知識や考え方を吸収したいという気持ちが強かったため、受講を決めました。
基本的には、過去問を起案・答案構成した後に、司法試験過去問講座の解説や模範解答を熟読して、知識の穴を埋めていく作業を繰り返し行っていました。汎用性が高そうな知識については、予備試験の時から一元化教材として使っていた市販の論証集(趣旨・規範ハンドブック)にその都度書き込んで、内容の拡充を図っていました。
自分の身近には加藤ゼミナールの受講生がおらず、講座や教材の評判を聞いたことがなかったのですが、実際に受講してみると、解説や模範解答のクオリティが非常に高く驚きました。出題趣旨や採点実感を精緻に分析した上で解説されているため、納得感が大きく、また、用語なども判例や基本書に従い正確に使われているので、予備校特有のクセのようなものが最大限排除されているように感じました。
模範解答についても、他の予備校のものは冗長に感じることが多かったのですが、加藤ゼミナールの解答例は、無駄がなく、美しさすら覚えることが多かったです。予備試験以上に時間制限の厳しい司法試験では、いかに少ない文字数で多くの点数を稼ぐかがポイントになると考えていたので、そういう意味で加藤ゼミナールの解答例はとても参考になりました。日頃からそのような解答例に触れて、無駄を省く意識を身につけることで、試験本番でも、「今書いている文字や単語には点数が与えられるのか?」ということを常に考えながら答案を書くことができました。
特に憲法に関しては、考え方や書き方の面で講座に大きく影響を受けたので詳述したいと思います。
個人的に、憲法は一番、法学の答案というよりも単なる作文になってしまいがちな科目ではないかと考えています。実際私も、予備試験合格時くらいまでは、権利の性質や制約の態様を抽象的に述べ、「厳格審査基準」「中間審査基準」「合理性の基準」のどれかを雰囲気で設定し、「実質的関連性」などのマジックワードを使ってなんとなく作文する、というような答案を書き続けていました。しかし、基本7科目の司法試験過去問講座に付属していた憲法の論証集には、例えば「実質的関連性」というような用語が、具体的にどのような意味を持つのかということが説明されており、憲法に対する理解が格段に深まりました。それと同時に、答案にも厚みが出せるようになり、本番の司法試験でも評価につながったように思います。
令和4年司法試験の憲法は長い間出題されていなかった三者間構成が復活し、傾向に若干の変化がありました。もっとも、どのような問題形式であっても、問題文の事実をできるだけ多く拾って、それを丁寧に具体的に評価する、という基本的な点は変わらないと思うので、普段からそのような練習を積むことが、良い答案を書く近道なのではないかと考えています。
司法試験・予備試験は結局のところ、いかに司法試験委員会好みの答案を書くか、というゲームのようなものだと思います。そして、採点者がどのような答案を好むのか、というのは毎年の出題趣旨や採点実感でのみ詳しく知ることができるので、これらを利用しない手はありません。そういう意味でも、出題趣旨や採点実感を丁寧に分析して作り込まれている加藤ゼミナールの講座は、司法試験合格を目指す上で理に適ったものだと感じますし、自信をもっておすすめできる講座です。