東海 勇希 様
同志社大学法学部 卒業
京都大学法科大学院(既修) 卒業
令和5年司法試験 合格
総合 1017.93点 205位
論文 499.39点 215位
選択科目 66.06点
ロースクール既修者コースの1年目に労働法の講義を受講し、数年分の司法試験過去問に取り組んでみたものの、司法試験を難しく感じ、出題範囲を網羅的に学習しきれている自信がなかったため、それらを解消する必要があると感じました。その時点で既に司法試験本番が8か月前に迫っていたことから講義数が多すぎず、かつ、労働法において高い実績をお持ちの加藤先生の講義を受講するに至りました。ロースクールでも同じ講座を受講している同期が何人もいたことも後押しになりました。
私が受講した速修テキスト講座では、論証集がついてくるのが魅力的で(※2023年版以降は論証集は別売りとなります)、広い出題範囲と比較的多い暗記量が求められる労働法では、特に試験直前期の時間がない時期に活躍すると考えたことも理由です。実際に、試験当日も持参しホテルや試験会場での最終確認に利用しました。
テキストは、講義前に重要個所をマークするように指示が出ますので、これに従いマークすることから始めました。この作業では、マーク作業をしながら自然と重要箇所が講義前に目に入ることから、その後の講義の理解がしやすくなると感じました。講義の中では、テキスト記載の重要判例や概念の説明はもちろんのこと、口頭で事例問題の解き方や論文の書き方のコツなども教えて頂けるため、事前にマーク等を終え、作業に気を取られることなく集中して聞ける工夫がされているのは、大変良いと感じました。
論証集は、司法試験当日も持参してホテルや会場で確認するために使いました。既に重要度別のランクが記載されているため、メリハリをつけて学習することができました。また、引用もとになる基本書のページ数が記載されていることから、学説で気になることがあれば原典に当たることも容易であるため司法試験のみならず、よりアカデミックな出題がなされる傾向にあるロースクールの期末試験でも有用であると感じました。
令和5年の司法試験労働法では、第1問が私傷病を理由とする休職とその自然退職を扱った問題が出題され、出題趣旨でも言及されている片山組事件はテキスト・論証集のいずれでもAランクで記載されていた他、講義内でも丁寧に説明がされていたこともあり、この判例を想起するのみならず、事例との差異を意識して回答することができました。第2問でも朝日放送事件やINAXメンテナンス事件などの著名な判例が題材となっており、講義内でも重点的に触れられていましたので、その内容を意識して回答することができました。
本年の問題は第1問、第2問ともに設問が2つ用意されており、設問1・設問2で設定が少し変更され、その差異を意識して回答することが求められていると感じました。抽象的に有名判例を知っているだけでは不十分であり、速修テキストのように判例の論理構造の他、事例まで抑えていることが望ましいと思います。講義では判例の事例と異なる場面を設定し、問題となる判例の射程が及ぶのか検討する時間がとられることがありますが、そのように考える時間を頂けたことは、本年の司法試験で生きる結果になりました。
司法試験は他の多くの受験と異なり、模試を受ける機会が少ないため全国の受験者の中で自分がどの立ち位置にいるのかを見失いやすく、不安に駆られる方も少なくありません。加藤ゼミナールの労働法速修テキスト講座は、少ない講義時間で幅広い試験分野を網羅しており、司法試験の合格に必要十分な情報が詰まっているため、この講義を受講しさえすれば、少なくとも知識の面で劣勢に立たされることはないと思います。私は受講開始から試験本番まで他のインプット教材はほとんど用いることなく、加藤ゼミナールの論証集の暗記とテキストの確認を何度も繰り返し行った結果、試験本番でも納得のいく成績を収めることができました。
司法試験は、論文式だけでも8科目あり、多くの方が選択科目の対策に長時間を投入することは難しいのが現実です。一方で、選択科目の試験は、司法試験初日の最初の科目であり、この出来が後の試験全てに精神的な影響を与えることもあるため、万全な準備をすることが望ましいです。そこで、効率的に多くの情報がまとめられた加藤ゼミナールの労働法速修テキスト講座を選択肢に入れてみるのをお勧めします。
1人の元受験生として、この体験記をご覧の多くの皆様に良い先生・教材との出会いがあり、そして、試験に合格されることを楽しみにしています。