N.T 様
京都大学法科大学院(既修) 卒業
令和5年司法試験 合格
選択科目 62点台
ロースクールに入って1年が経った頃、労働法の単位は一夜漬けでなんとか取得したものの、司法試験に向けてメインで使用する教材を決めておらず、市販の教材にも気に入ったものがなかったので、司法試験に対応した事例問題集を手に入れるために受講しました。重要問題100と過去問を合わせれば圧倒的な問題数がこなせるため、その網羅性を魅力的に感じました。また、受講前にサンプルを見たところ、ハイレベルではあるが受験生でも書けそうな答案が示されており、気に入りました。
私は労働法重要問題100選講座に取り組んでから、過去問講座に取り組む予定だったのですが、重要問題100選講座を何周か学習した段階で過去問を見たところ、合格に必要なことは既に書けるようになっていることに気づきました。重要問題100選講座の網羅性は素晴らしいです。ですから、過去問については7~8年分の問題と加藤先生作成の参考答案を眺める程度にとどめました。これだけで、司法試験の前年(受講開始から数か月後)に受けた予備試験でも労働法はAをいただくことができました。もっとも、司法試験では点数自体は悪くないものの、大きなミスをしてしまったので、過去問をもう少し遡って、論点への理解を深めておくべきでした。
勉強法としては、講義動画を2周見てから、ひたすら答案の重要部分を覚えていきました。答案作成や答案構成は一切していません。その代わりに、規範やあてはめの重要部分を赤シートで隠して覚え、最終的には頭の中で答案の概要を再現できるまでやりこみました。条文番号もほとんど覚えていました。本番直前期には、背表紙が外れました。もちろん、答案構成くらいはする方が良いのですが、大量の問題をこなさなければならない上、私は長時間勉強するのが苦手なので、このような方法を採りました。他の科目の勉強等を通じて、既に答案の書き方が分かっている人にはおすすめの方法です。
今年の労働法は、周りの友人の話によると難しかったようですが、加藤ゼミナールの教材を思い出しながら解けたので、特に難しいとは感じませんでした(もっとも、勉強が甘く、第2問で重要な規範を落としてしまいました)。特に、第1問の休職関連については、労働法が得意な京大生でも書けていない方が多かったので、加藤ゼミナール生は相当有利だったと思います。私としても、第2問の出来が悪いのに、62点ということは、第1問で高く評価していただけたのだと思います。友人とも、「加藤ゼミナールの労働法は量は多いが完璧だ」と話しておりました。司法試験には完璧な教材などなく、予備校教材や自作のまとめノートを、学者の先生の本やロースクールの授業で補完していくのが、1つのセオリーだと思います。しかし、加藤ゼミナールの労働法、特に重要問題講100選講座は、補完の必要がなく、最も完璧に近い教材だと感じました。それを象徴するエピソードとして、権威のある基本書数冊と百選を読み比べて、かなりのクオリティのまとめノートを作成した友人に、そのノートを見せてもらったことがあるのですが、9割以上が重要問題100選講座に書いてあることで、驚いた記憶があります。
労働法は知識量が重要な科目なので、加藤ゼミナールのように網羅性の高い教材で勉強することが重要だと思います。ただ、量が多いので、消化不良を起こす確率は高いかもしれません。
また、参考答案の日本語が良い意味で美しすぎず、答案も長すぎないので、答案を読むだけでも真似しやすかったです。答案を書くときには型と表現のストックがあると有利なので、真似しやすいことは地味に重要でした。
勉強法は人それぞれですが、少なくとも、(試験対策という観点において)網羅的な知識を得ることと、答案の書き方が上手くなることは重要だと思います。加藤ゼミナールの労働法講座はこの2つを身に着けるには適しています。余計なお世話ですが、司法試験・予備試験を目指すことにはリスクがあるので、初学者の方はサンプル等を見て、自分が事例問題の答案を書くのに向いているかを確かめてみると良いと思います。