加藤ゼミナールについて

労働法1位(81.99点)でトップ合格!

プロフィール

Y.K 様
大学法科大学院(既修) 在学中(3年次)
令和4年司法試験予備試験 合格
令和5年司法試験 合格

 

受講講座

 

成 績

総合 200位台

論文 200位台

労働法 1位(81.99点)

 

講座を選択した経緯・理由

法科大学院に入学して本格的に労働法の学習を始め、暗記量の多さや当てはめの難しさに直面していたところで、労働法にあまり手が回らないまま運で突破した予備試験の合格を受けて、既に労働法速修講座を受講していた友人に勧められていたことから、加藤先生の労働法講座を受講することにしました。

 

講座・教材の使い方

受講を開始したのが法科大学院1年目の11月で、翌年の司法試験が既に差し迫っていました。そこで、法科大学院の授業で基本的な枠組みの理解はできていたので、手早く労働法速修テキスト講座を終えることにし、労働法重要問題100選講座を重点的に用いて演習を進めました。

労働法重要問題100選講座は、一つの問題に基本的には1つの論点に対する規範の提示と拾い上げるべき事実の整理に尽きる、一つ一つはシンプルなものですが、その分規範の暗記をする上では非常に有用でした。また、判例の事案をもとに作られている問題も多く、判例での事実の当てはめを押さえることも同時に出来ました。

2月に法科大学院の試験が終わり、労働法の講義も一通りは受けたところで本格的に司法試験の過去問に着手しました。選択科目は基本7科目のように試験時間がカツカツということにはなりにくいことがわかったので時間を測っての起案よりは手早く答案構成をする練習を多くすることにしましたが、いずれにしても考え方の筋があっているか、論理に飛躍がないかを確認する上で労働法過去問講座を活用しました。

一般に流通している答案例だと理論的な整理や根拠が不明確な場合が多いと感じていましたが、労働法過去問講座の解答はそのようなことが少なく、労働法速修テキストを介して基本書への参照があるのでそれを辿って確認することもできる点が有用でした。他の科目では扱われている判例の理解をめぐって学者の先生の論文にあたることも多かったのですが、労働法では、正面から判例が問われることが多い割に、実務上の問題意識をかなり掬い上げて問題が作成されるという科目の性格もあるからか、講座内での解説、上記の参照のおかげで学者論文まで見る必要はほとんど必要がありませんでした。

6月以降は、とにかく知識を定着させる必要があると考え、労働法重要問題100選講座の事例を用いて論点の理論的位置付け、判例の規範、一般的な考慮要素の列挙を1問数分程度で書き出すということを数周繰り返しました。振り返ってみると、知識量の点からも本番に向けて自信をつけるという点からも、一番効果のあった演習だと感じています。

 

講座・教材が令和5年司法試験にどのように役立ったか

令和5年度の出題内容は、第1問が私傷病休職からの自動退職の取り扱いと休職中の試し勤務に基づく賃金請求権の存否、第2問が団交拒否における使用者性と労働協約による不利益変更でした。試し勤務に対する賃金はともかく他の点に関してはかなり基本的な論点なのは間違いがなく、関連する問題が労働法重要問題100選講座にあるところでもありました。

結果的に見れば、非常に高い評価をいただいた形になりました。出題内容との相性が良かったのかとは思いますが、答案の再現ができておらず、結局何が頭一つ抜けた要因なのかが今ひとつよくわかっていません。

しかし例えば、友人何人かに見せてもらった答案を見る限り、片山組事件の規範にしても部分的使用者性論にしても、正確に論証・当てはめできている人ばかりとは限らないように感じます。基礎的ながら差のつくポイントということですが、判例の当てはめの仕方を正確に押さえていれば理論的な方面の理解も進むし当てはめの仕方も間違えにくい論点だと思うので、そう考えると判例を基礎に演習を積めた点が良かったのではないかと感じます。片山組事件に関しては、間隔短めで過去問から再度の出題ということで、過去問演習がより正確な理解のために特に活きたのだと思います。

他方で、今年の問題は、例えば労働協約による不利益変更について、複数の協約があり、しかも場合によっては一つの協約の内容をさらに区分する必要があるかもしれないと、かなり複雑だったと思います。このような場合に、どの部分について既得的利益の処分が問題になり、どの部分が労働組合の目的の逸脱の問題になるのかといった区別は、論点についての判例学説の整理が完璧にできていても必ずしも正しく処理できるものでもないと感じました(実際私も試験終了の10分ほど前になってこの点で勘違いをしていたことに気づきました)。

現場でどこまで頭が回るかは精神的な余裕次第という側面があります。しかし、分量に比して試験時間が長い一方それほど複雑な現場思考や論理操作を求められることも少ないということで、規範と考慮要素を思い出すことに時間をかけなくていいなら時間的には落ち着いて対応できる科目とも言えます。労働法重要問題100選講座での演習を繰り返したことを通じて一般論部分が確実に頭に入っていたからこそ現場思考的な問題の切り分けの部分を考え直すだけの時間的精神的余裕があったのだと言えるなら、それが周りと差をつけられた理由なのかもしれません。

 

これから司法試験・予備試験を受験する方々へ

労働法は、覚える量が特に多くかなり大変な科目ではあろうと思います。逆に言えば、その部分だけ完成してしまえれば本番での難しさは基本7科目ほどのものではないので、事前の検討の深さが点数に反映されやすいです。さらに司法試験では、精神的な負担の大きい本番5日間の初日、1科目目で「おそらく他の人が気付けていないことまで論理立てて議論に組み込めた」と思える(思い込める)ことが他の科目に与える正の影響はかなり大きいです。そして、その状態まで持っていくための方法として、加藤ゼミナールの講座は決して間違っていません。

暗記量の多さが壁である以上、繰り返し手を動かす必要はどうしてもあります。しかし、演習を重ね、でもたまには書き方に詰まってじっくり調べ物をして悩んでみる、ということをやってみれば、司法試験科目としての労働法に要求される水準は一般に思われているほどは高くないということに気づくはずです。皆さんの合格をお祈りしています。