J.M 様
令和6年司法試験 合格
労働法 62.79点
講座を受講するまでは市販の参考書・問題集を用いて独学で勉強していました。使っていたのは、事例演習労働法、判例100選、基本書(『労働法』水町勇一郎)です。
一通りの学習はしたものの、模範答案がないので、自分でもどのくらいできているのか疑問でした。そこで司法試験では、体系的に全体を勉強しようと思い、まず加藤ゼミナールの労働法速修テキスト講座を受講しました。また、市販の問題集では明らかに問題数が少ないうえに、模範答案が載っていないので、労働法重要問題100選講座を受講しました。
まずは、労働法速修テキスト講座を聴きました。一周目はそこまで集中していなかった記憶がありますが、とりあえず短期間のうちに一通りまわすということを念頭に、暗記にはこだわらず、マーク指示には従って聴きました。
一通りまわした次に、重要問題100選を解き始めました。一日に約15問くらいのペースでほぼ答案構成のみで解きましたが、比較的単純な問題なので他の主要科目との兼ね合いでも苦にはなりませんでした。それと並行して速習テキストの関連する部分を読み、規範の暗記を並行して進めました。これを二周くらいするともう労働法は、だいたい模範答案と同じような構成で書けるようになりました。
最後に、直前期には、A ランクの論点のみを完全に書けるように復習するという形で仕上げました。あまり深入りせずに、残った時間は主要科目に回しました。
令和6年司法試験の出題内容はほぼ典型論点からの出題でした。
こういう論点であると、事実の評価の仕方を演習でどれだけ訓練しているかで差がつくかのように思います。この点、重要問題100選講座では、事実の評価についての書き方が模範答案という形で明示されているので、自信をもって書くことができました。
また、労働法は改正点や新判例が多く、そこからの出題も多いので、そこへの対応を捨てると大きく差がつくおそれがあります。改正点や新判例を自分で全部調べるのも学習という点では効率的ですが、他の主要7科目との関係でそこまでの深入りは不合理だと思います。加藤ゼミナールのテキスト・論証集には新しい判例や改正点に合った理解が反映されており、その点でも合理的でした。
そういった典型論点からの出題であると、ついついあれもこれも書きたくなってしまうのが受験生心理です。
加藤先生がよくおっしゃってたことですが、労働法では勉強が進んでくると書くことが多くなる傾向にあり、また、初日の最初の科目で元気もあり時間も十分にあるため、ついつい書きすぎてしまいます。その結果、各問題が4枚に収まりきらない危険もあります。
そこで、答案構成の段階でどの程度の分量になるのかを調整する必要があると思います。この点で重要問題100選講座は非常に有用だと思います。重要問題100選講座では、典型論点がメイン論点・サブ論点と形を変えて繰り返し出題されており、その重みに応じて膨らましたり、縮めたりする練習ができます。同じ論点であっても、メインで聞かれているのか、サブで聞かれているのかに応じて、書き方を変える訓練は、司法試験において必須のテクニックだと思います。そして、このテクニックは実際に書いてみないと身につかないもので、この点の習得ができるということが他の問題集にはない非常に有用な点であったと思います。
そういった論点ごとのボリューム感をある程度は把握できていたので、本番ではややオーバーしそうではありましたが(今年は引用すべき事実が多かったような気がしました)、なんとか4 枚に収まる感じで書くことができました。
司法試験では、勉強範囲を広げすぎると勉強が十分でなくなることになり、敗因につながります。そこで、試験対策として十分な範囲を限定する必要がありますが、この作業は自分一人ではほぼ不可能であり、予備校に頼るのが合理的な戦略かと思います。
加藤ゼミナールは、労働法について十分な範囲を明確に提示してくれます。ABCというランク付け、あるいは70点を目指す人はここまでやる必要があるが、60点でいい人はここまで、という形で限定してくれます(私は60点を目指しました)。
労働法については、私の経験からも加藤ゼミナールを信頼するべきだと思います。