山下 一貴 様
大学法学部卒業
法科大学院(既修)在学
令和5年予備試験 合格
令和6年司法試験 合格
総合 983.29点 224位
論文 480.16点 251位
公法系 101.25点(B、B)
民事系 190.48点(A、A、B)
刑事系 136.00点(A、A)
選択科目 52.42点
司法試験の過去問をどのように進めていこうかと悩んでいたところ、自分だけでは問題を解く→出題趣旨、採点実感を読んでの復習まで時間が多くかかってしまうと思ったため効率よく過去問を回したいと思い、予備校の過去問講座を利用しようと考えました。
過去問講座を探していたところ、サンプルとして公開されている加藤ゼミナールの教材や動画を拝見しました。加藤ゼミナールの過去問講座では出題趣旨や採点実感の全部をそのまま掲載するのではなく、設問や小問ごとに抜粋して必要な範囲で掲載しており、非常に効率よく出題趣旨や採点実感を検討しながら過去問の復習ができると思い、加藤ゼミナールの講座を利用しようと考えました。
総まくり論証集を一元化教材として利用していました。具体的には、司法試験過去問講座の中で重要だと感じたこととや自分が間違えたこと、解答例の評価のフレーズや類似の問題が出た時に使えそうな表現を書き込んでいました。勉強しながらより気に入った表現がある場合にはポストイットなどを張って論証を加筆修正していました。
過去問講座は、加藤先生がブログで公開されているランク付けに従って、直近10年分のうちAランクのものはフルで起案をして、Bランクのものは答案構成にとどめ、Cランクは出題内容と論点を確認する程度でした。Aランクの問題については、2周目として答案構成を行っていました。
令和6年の司法試験では加藤ゼミナールの論証集で記載されている論点ないしそこから派生した論点の出題が多かったと思います。改めて加藤ゼミナールの教材の網羅性を感じました。
《憲法》
規制➀で職業の自由に関する問題が出題されましたが、薬事法事件判決について過去問講座や論証集で詳細に解説されていたことや規制②で営利的表現が出題されましたが、総まくり論証集で営利的表現の審査基準の定立について説明がなされており、それらを現場でなんとか表現でき相対的に沈まない答案を書くことができたと思います。
《民訴法》
設問2では、弁論準備手続における裁判上の自白の撤回の可否が問われましたが、総まくり論証集で裁判上の自白の撤回について論点で詳細に記載されており、それを現場でアレンジして答案を書くことができました
《刑法》
キャッシュカードとその暗証番号を併せ持つことが「財産上の利益」に当たるかということ聞かれましたが、総まくり論証集に詳しく解説されていましたため本番はその部分を厚く正確に論じることができたと思います。
《刑訴法》
設問2のビデオ撮影について平成30年の過去問解説や論証集で強制処分や任意処分の当てはめ方を詳細に解説されており、本番も自信をもって答案を書くことができましたし、実際に良好な成績を取ることができました。
総まくり論証集について、どの科目も単に論証だけを記載しているだけでなく、実際にその論証を使う際にあてはめにどんな事情と使うのかといった点までフォローされている点が非常に使いやすいと感じました。市販の論証集では規範部分だけを掲載しているものもありますが、それだけでは規範の定立まではできても実際にあてはめを行う段階でどのように当てはめればいいのか、どの事実を拾えばいいのかが分からず、使いにくい面があります。しかし、加藤ゼミナールの論証集ではあてはめまで意識されており、実際に答案を書く段階においても非常に役立ちました。
過去問講座では、テキストの解説や解答例をなぞって説明するだけでなく、試験現場でどのように問題文を読んでどのように答案を書くのかということを強く意識して講義をされているいると感じました。模範答案例は非常にクオリティが高く、それを読むだけでも非常に勉強になるのですが、講義では実際の現場での問題文の読み方、合格ラインを超えるにはどこまで書けばいいのかという書き方のところまで詳しく解説されていました。模範答案だけでなく中上位答案もつけられており答案の中で削っていい部分と削ってはいけない部分の理解ができました。自分はどの科目も平均5~6頁しか答案を書くことができなかったのですが、過去問講座では自分の書ける枚数の中で何をどの程度書くべきなのかという視点を身に着けることができたと思います。
司法試験は非常に難しい試験であることは間違いないと思います。受験生それぞれに司法試験の受験資格を得るまで、そして、受験資格を得てから合格するまでに非常に多くの困難がありますが、合格した時の達成感、嬉しさは何物にも代えがたいものだと思います。体調に気を付けながらも最後まで諦めずに頑張ってください。