N.N 様
令和3年法科大学院修了
令和6年司法試験 合格
総合 1500 位台
論文 1500 位台
公法系 下位30%(B、E)
民事系 下位50%(D、B、B)
刑事系 上位20%(A、A)
選択科目 35点台
私は、3回司法試験を受験し、不合格でした。いずれの司法試験においても刑事訴訟法の成績はD以下であったため、勉強方法を修正する必要があると感じていました。
まず、理論面の理解について不安な分野があり、理解を確認する必要があると考えていました。特に、伝聞、訴因変更の分野です。
また、文章を冗長に書いてしまい、字数を無駄に消費してしまう傾向がありました。また、筆力が高いわけではなく、文章を読むスピードも速いわけではなかったので、あてはめで十分に事実を拾えなかったり、途中答案になってしまうことがありました。文章を読むスピードや筆力を短期間で高めることは難しいと考えていたため、他の部分で答案作成のスピードを上げる必要があると考えていました。
そのための教材を探していたところ、加藤ゼミナールの基礎問題演習講座刑事訴訟法の体験講座を見つけました。体験講座を受講したところ、参考答案に用いられている論証が非常にコンパクトで、あてはめにおける事実の評価が非常に端的で説得的かつ平易な日本語で書かれており、模範答案のエッセンスを司法試験本番で表現できるかもしれないと感じました。また、テキストの事例問題が司法試験の過去問をベースに作られておりかつ模範答案が司法試験委員会の見解に従って作成されていたため、司法試験で過去問と似た問題が出題された際に解答筋を外すことは無いという安心感がありました。
以上のような理由から、受講を決断しました。
まずは、刑事訴訟法の基礎問題演習講座の講義を1通り受講しました。その際には、伝聞、訴因変更の分野については理論面の理解の確認を重視しました。また、全体的には、あてはめの評価の視点、端的な文章表現の方法を学ぶことを強く意識しました。
次に、基礎問題演習講座のテキストに書かれている問題を、制限時間を設けて答案構成することにしました。その際には、①制限時間以内に終わらせること②模範答案の答案の型を守ること③論証のキーワードだけ書き出して頭の中で端的な文章にすること③あてはめで拾うべき事実を要約し端的に評価すること、を意識しました。上記の①、②、③がいずれもできるようになるまで、何度も答案構成を繰り返しました。
そして、テキストの答案構成と並行し、司法試験の過去問演習を行いました。過去問演習の復習の際には基礎問題演習講座のテキストに戻り、答案の型を守れているか、論証、あてはめが冗長になっていないか、拾うべき事実を拾い切れているか、を確認しました。
以前、多数の合格者の司法試験の再現答案が掲載されている書籍を利用したことがありましたが、それぞれの合格者の答案の型・文章の表現が多様であり、結局何を信頼し、参考にしたらいいのかが分からなくなってしまったことがありました。
一方、基礎問題演習テキストの模範答案は全て加藤先生が作成されているので、答案の型、論証、あてはめの視点にブレがありません。したがって、迷うことなく加藤先生の答案作成の技術を身に着けることができました。
受験直前期の4月の模試を受験したところ、理論面、あてはめの双方が苦手だった伝聞の問題で満足のいく答案を書くことができました。そして、過去に取ったことのない好成績をとることができ、自信が着きました。そのおかげで、模試後本番までの間の時間を自信を持って基礎問題演習テキストの復習に充てることができました。最終的には、基礎問題演習テキストを一元化教材とし、試験会場で試験直前までテキストを読んでいました。そして、大きな不安を抱くことなく、程良い緊張感で本番の試験を迎えることができました。
今年の刑事訴訟法の、所持品検査の適法性、違法収集証拠排除法則、の分野はいずれも基礎問題演習講座で扱われており、テキストで学んだ答案の型、あてはめのエッセンスを答案でそのまま表現できる出題でした。そのため、全く迷うことなく答案構成をすることができ、途中答案になることなく、最後まで書ききることができ、手ごたえは十分でした。
加藤ゼミナールの講座を受講しても、今まで法科大学院の授業や自習で得た知識が無駄になるわけではありません。受講を通して、それまでに身に着けた知識の理解を修正したり、知識を事例問題の答案で効率的に表現する方法を学ぶことで、不合格圏から合格圏まで答案の評価を上げることは十分可能だと思います。
司法試験に向けて勉強されている皆さんの合格を願っております。