Y.K 様
飛び入学制度利用(法曹コース早期卒業制度とは異なる)
東京大学法科大学院(既修・一般)
令和6年司法試験 合格
総合 400番台
なぜ加藤ゼミナールなのか。それは、ひとことで言うと、「網羅性の高い教材と授業を提供している予備校」として名高いからです。
私が加藤ゼミナールを選んだのは、司法試験まで7か月前のことでした。司法試験の過去問の参考答案が欲しいと思ったタイミングで、良心的な価格で司法試験過去問講座を提供している加藤ゼミナールが目に留まりました。さらに、ロースクールの友人が加藤ゼミナールの論証集を利用しており、その網羅性の高さに惹かれたため、過去問講座と論証集を併せて選択することにしました。
そしてこれが大当たり。複数の予備校の教材を使用した私だから分かることだと思うのですが、「司法試験ではどういったことが問われているのか」を常に受験生に意識させる授業と教材の作りが非常に有難かったです。また、下記に詳述する通り、答案の書き方のポイントや近年の出題傾向、出題予想のメモが論証集に書いてあるので、常に答案のイメージを持ちながら記憶学習をすることができました。
総まくり論証集
とにかく他の予備校の論証集と比べて情報量が多く、一番漏れなく出題範囲を拾っている論証集だと思います。したがって、テキストの情報の一元化を行う場合は、総まくり論証集にすることがおすすめです。
また、脚注には、論文、調査官解説、判例集の解説、答案戦略等が過不足ない情報量に落とし込まれて記載されています。脚注まで見ることをおすすめします。ただ、先程述べた通り情報量がとても多いので1周目に緻密に読みこむことはあまり得策ではないかもしれません。
令和6年の司法試験は、(一部例外を除いては)基本に立ち返りつつ柔軟に論述する能力が求められるものだったと思います。基本的にはどの予備校の教材でも言及されているような論点からの出題でした。総まくり論証集の暗記、過去問の演習、参考答案の読み込みといった基本作業の積み重ねによって合格答案を書くことが出来ると思います。
ただ、商法については幅広い知識と高い応用力が求められるものであったと感じました。もちろん私も完璧な解答を書けたわけではないのですが、特に設問1については加藤ゼミナールの教材が無ければ合格答案を書けていなかったと感じています。そこで以下では、加藤ゼミナールの教材で令和6年度商法設問1にどのように対応したかについて個人的な見解を述べさせていただければと思います(※出題内容のネタバレを含むのでご注意ください)。
まず、設問1小問1の主な解答筋は会社法第385条第1項の(類推)適用について検討するというものでした。この問題を解くには、①監査役による役員等の責任追及についての規定が会社法に存在するという知識、②本事例では条文上の文言に当てはまらない点があることに言及する能力、③条文の趣旨に立ち返って考える応用力が必要です。加藤ゼミナールの論証集には「役員等の責任の追及等」という章だてで離れたところにある条文を拾ってまとめてあるので、監査役による違法行為差止請求権の存在については設問を見た瞬間に思いつくことが出来ると思います。そして②と③については、たとえば令和4年度商法設問3の解説講義等で強調されていた「直接適用×→趣旨規範に立ち返る→類推適用の可否の検討」という流れを応用することで難なく導くことが出来るものだったと思います。
小問2は会社法第831条1項各号該当性及び120条第1項該当性についてですが、前者については平成18年度司法試験から数えて10回程度出題されている典型論点であり、各号要件該当性の過不足ない検討は過去問の演習と解説講義の聴講、参考答案の見直しによって定着させることが出来ると思います。120条1項該当性については、同項の文言上の該当性を丁寧に検討したうえで論証集に記載されている120条1項の趣旨に立ち返って記述することが出来れば合格答案になると思います。
全ての科目に共通していえることですが、問題を解くだけでなく、教材で抜粋されている採点実感や参考答案にきちんと目を通して司法試験でどのような能力が求められているのかをふまえながら勉強していれば、筆が止まる事態は避けられると思います。
私は司法試験の受験を決意したのが学部の最終学年と遅く、勉強面で周りからかなり後れをとっていました。何とかロースクールには合格できても、ローの同級生たちに圧倒される日々でした。常に焦りがあり、「今日は○○終わらせられなかったけどそんな自分に寝る資格があるのかな…」なんて考えてしまって睡眠に支障をきたすこともありました。今思い返せば異常な精神状態だったんですけど(笑)
でも、その状況ってすごく恵まれてたなって、美味しい環境だったなって思ったんです。受験生の方々に、「自分より優秀な人とだけいろ!」なんてつまらないアドバイスをするつもりは毛頭もございません。ただ、1週間のうちほんの数時間だけでもいいので、とにかく自分が1番になれない環境を作るようにしてみてください。
どんな時にやる気が出るかは人それぞれだと思いますが、「不安」とか「悔しさ」と自分を信じる気持ちが両立していれば、きっと自分を律して努力し続けることが出来ると思います。
私はこれでいったん受験生生活を終えることになりましたが、これからもきっと戦い続けることになると思います。今回は運よくたまたま合格できただけだと思っているので、皆さんと同じく精進していきたいと思います。一緒に頑張りましょう!!