N 様
令和6年司法試験 合格
論文 300番台
私が加藤ゼミナールを選んだ理由は、その教材と授業が単なる知識詰込みではなく、司法試験で実際に何が問われているのかを常に意識させてくれる、「網羅性」と「実戦性」を兼ね備えた学習環境にありました。
まず、私はロースクール入学直前から「総まくり講座」を受講しました。当初から加藤ゼミナールが提供する論証集や教材の評判は耳にしており、その中でも「総まくり講座」は、基本から応用までを一元化してカバーできる点に魅力を感じたのです。
実際に受講してみると、単なる知識の羅列ではなく、司法試験で求められる考え方や答案作成時の意識ポイントが明示されており、「この知識は試験でどのように使われるのか」を常に見据えながら学べる環境に大いに助けられました。
その後、ロースクール 2 年目の夏休み以降、いよいよ本格的に過去問演習に取り組む段階に入りました。しかし、独力で過去問を解き、出題趣旨や採点実感を丹念に読み込んでいくには、時間的・精神的なコストが非常に大きいと感じました。そこで私は、これまで使い慣れ、信頼を寄せていた加藤ゼミナールの司法試験過去問講座を利用することに決めました。
加藤ゼミナールの司法試験過去問講座は、単なる過去問集や出題趣旨、採点実感の羅列にとどまりません。大きな特長として、設問ごとに必要な部分を的確に抜粋して解説することで、何が問われているのか、どういった点が重視されているのかを明確に提示してくれます。これにより、過去問を効率よく「回す」ことが可能になり、答案作成のイメージを常に持ちながら、知識と実戦力を同時に強化していくことができました。
総まくり講座で築いた知識の基盤を活かし、司法試験過去問講座で実戦的な力を養う――この流れは、私にとって理想的な学習サイクルを形成するものでした。加藤ゼミナールは、基礎から応用、そして実戦レベルまで、受験生が求めるサポートを段階的に提供してくれる、私にとって欠かせない存在だったのです。
私が加藤ゼミナールの講座・教材を活用した際のスタイルは、総まくり講座と総まくり論証集を組み合わせ、さらに司法試験過去問講座で実戦力を磨くというものでした。
まず、総まくり論証集は「一元化教材の基盤」でした。論点や知識を一冊に集約することで、直前期にはこの論証集を何周も回せば必要な情報がすべて確認できる状態を目指しました。A5 サイズで携帯しやすいため、通学中やロースクールの授業中にも常に手元に置き、講義で得た知見や自分が過去問演習で間違えた点を付箋で加筆したり、重要部分にマーカーを引くなどして、自分専用の最終兵器へと育て上げていきました。
一方で、総まくり講座は「辞書的な役割」を果たす教材でした。総まくり論証集を読んでいてわからない論点や曖昧な知識があれば、総まくり講座に立ち返って理解を深める――この 2 段階方式により、常に論証集を軸にしつつ、必要な際に講座で背景知識を補完する形で、効率的な知識整理が可能となりました。
司法試験過去問講座に関しては、まず自分で答案構成を行い、その後、必要に応じて講義動画を視聴するといったメリハリのある使い方をしました。
加藤先生の講義は、単に解説するだけでなく、最新判例や学説を踏まえた「評価される答案」の書き方を丁寧に示してくれるため、答案の質を底上げするのに非常に有益でした。
また、テキストには出題趣旨や採点実感が要点ごとに整理され、参考答案や中上位答案が現実的で取り入れやすい形で提示されているため、独学での復習もスムーズでした。教材自体が詳細な解説を内包しているため、理解が進んでいる部分は講義を飛ばし、要点や理解が不十分な箇所だけをピンポイントで聴講することができ、短時間で効果的な学習が可能だった点も大きなメリットでした。
このように、総まくり論証集による一元化、必要に応じて辞書的に立ち返る総まくり講座、そして的確な優先順位と細やかな解説が揃う司法試験過去問講座の組み合わせによって、効果的に実力を伸ばすことができたと感じています。
本年は意見書型の問題が出題されましたが、加藤先生は司法試験過去問講座で三者間型のみならず意見書型の答案例も用意して下さっており、形式的変化に戸惑うことなく答案に着手できました。
また、総まくり講座で審査基準設定や手段適合性・必要性といった憲法審査の基礎的手続を丁寧に解説していたため、職業選択の自由・営利的表現の自由といった本質的自由権の当てはめに迷うことなく、精緻な論述が可能でした。
さらに、総まくり論証集では、職業選択の自由・営利的表現の自由の両者につき答案の流れがまとめられており、それに沿って論じれば十分だと感じました。
処分性、裁量、違法性の承継といった基礎的な論点が問題の核となりました。いずれの論点も、総まくり講座・総まくり論証集で A ランクとして明確に位置づけられ、過去問や判例知識とともに下位規範や当てはめ手法まで詳細に解説されていたため、本番でも安定して答案を書くことができました。
特に違法性の承継では問題文中に判例の上位規範が提示され、ここから下位規範まで正確に展開できるかが得点差となりましたが、普段から総まくり論証集の下位規範まで暗記していたことで、優位に立てたと感じています。
民法についても、総まくり論証集には頻出・基本論点が余すことなく網羅されており、これまでの過去問演習と併せて、加藤先生の解説講義を通じて実戦的な当てはめ方まで身につけることができました。
今年出題された論点は総じて既存の定番論点が中心であり、総まくり論証集で反復していた知識に基づいて、素直な答案を書くことが可能でした。
今年は現場思考型の問題が出題され、条文の趣旨・規範に立ち返って類推適用を検討するなど、テキストに書かれている論証をそのまま適用するだけでは難しい場面がありました。また、私は元々現場思考型の問題について苦手意識もありました。
しかし、過去問解説講義から「直接適用ができない場合は趣旨に戻って考え、類推適用可否を判断する」という思考フレームワークを学んでいたことが、本番での対応力につながりました。
また、加藤ゼミナールの論証集は、今まで試験に出題された論点やまだ出題されていないが重要な判例の論証が余すことなく載っており、これに載っていない出題はほとんどの人が知らないと安心して解くことができました。
そして、総まくり講座・論証集、司法試験過去問講座から多くの知識を得られていたため、自然と現場思考型の問題に対応できる思考力が鍛えられていました。
今年問われた弁論準備手続における裁判上の自白撤回可否や既判力の問題も、総まくり論証集で詳細に記載されていた論点でした。過去問講座での丁寧な解説と総まくり論証集の論証整理により、知識の定着度が高まっていたため、現場で迷わず答案を書けました。
キャッシュカードと暗証番号の組み合わせが「財産上の利益」に当たるかどうかという論点も、総まくり論証集で明確に論証が示されていました。また、共同正犯や教唆犯、幇助犯などの関係についても、総まくり講座に詳細な説明がありました。
事前の段階で総まくり講座・論証集を理解・暗記し、過去問演習で当てはめ方を確認していたことで、本番では正確かつ厚みのある議論を展開することができました。
平成 30 年の過去問との関連性が示唆されたビデオ撮影の問題では、強制処分・任意処分判断の当てはめ枠組みが、総まくり講座・論証集と司法試験過去問解説講義で既に詳細に提示されていました。これにより、条件反射的に論点を思い出し、自信を持って答案を書くことができ、良好な成績につながりました。
総じて、7科目中6科目については総まくり論証集で示された論点・規範がそのまま活用でき、しっかりと理解と暗記をしていれば合格ラインを確実に超えることができました。
商法に関しては現場思考型の要素が強く難度が上がりましたが、それでも総まくり論証集の網羅性と、加藤ゼミナールの司法試験過去問講座や総まくり講座で培った「規範趣旨に立ち返る」応用力が大いに役立ちました。
すべての科目において、単なる知識の詰込みではなく、下位規範や当てはめ手法まで身につけることで、筆が止まることなく答案を展開できたと確信しています。
これから受験勉強を本格化させる皆さんにお伝えしたいのは、「確かな指針となる教材」と「日々前進し続ける姿勢」が最後まであなたを支えてくれる、ということです。その一つの有力な選択肢として、加藤ゼミナールを強く勧めたいです。
加藤ゼミナールは、前述した通り、単に情報が詰まった教材を提供するだけでなく、最新の出題傾向を絶えず研究し、受験生が迷いやすい箇所、つまづきやすい論点を的確に押さえ、クリアな道筋を提示してくれます。そのため、勉強を進めていく過程で「これで本当に合格レベルに達しているのだろうか」という不安が生じたとしても、加藤ゼミナールの教材を活用することで、方向性を見失わず前へ進むことができるでしょう。
また、加藤ゼミナールを活用する最大の利点は、単なる模範解答の暗記ではなく、「なぜこの規範が求められるのか」「何を評価され、どう書けば差がつくのか」といった理解が深まり、その知識はどのような出題形式にも対応し得る強固な武器となる点でしょう。
合格までの道のりは、決して平坦ではありません。それでも、筋の良い指針を示してくれる教材と、それを活用するあなた自身の粘り強さがあれば、必ず成果は形となります。質の高い教材をもとに、試行錯誤を繰り返しながら、自分の答案を磨いていく日々が、必ず合格への地固めとなります。
あなたが歩む一歩一歩に、加藤ゼミナールが確かな地図と羅針盤を提示してくれるはずです。
自分を信じ、最後まで走り抜いてください。心から応援しています。