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「過去問をこなす」だけでは合格しない―目的意識学習で伸ばした答案力

プロフィール

H.I 様
国立大学法科大学院(既修) 卒業
令和7年司法試験 合格

 

受講講座

  • 司法試験対策パック2022

 

成 績

総合 906点 640番台
論文 464点 470番台
公法系  106点(B、A)
民事系  168点(A、C、B)
刑事系  117点(B、A)
選択科目 73点

 

講座を選択した経緯・理由

法科大学院既習入学後に、再度基礎知識の確認をしようと思い、全体を比較的短い時間で総まくりできる講座を探していました。

私は、予備校の基礎講座を受講したことがなかったため、自分の知識が正確かつ使えるものかを知りたかったからです。

また、法科大学院入学後に、他社の司法試験解説講座を受講していましたが、①講義中にページを行き来しなければならないこと、②マーク指示に集中してしまうこと、③参考文献の記載があいまいなこと、④解説年度の少なさ、に抵抗感を覚えていたため、司法試験講座も探していました。

「総まくり講座」は、基本書をベ―スに構成されていること、事前にマーク指示動画があること、参照判例や参考文献の掲載ページが明記されていること、「過去問講座」は全年度の解説があることから、セット購入いたしました。

 

講座・教材の使い方

「総まくり講座」は、マーク指示に従い、すべてマークをしました。「総まくり論証集」も同じくマークしました。

両講座を通じて、先生の発言のうち重要だと思う箇所は加筆し、総まくり論証集に反映させていました。

「過去問講座」では、解答例の表現も「総まくり論証集」に反映させました。

すべての情報を総まくり論証集に一元化させることを意識していました。

論証集には、そのほか、法科大学院の講義内容のほか、論証集に掲載されていない判例百選の事案・判旨を自分なりにアレンジして加筆していました。

過去問講座については、時間を計って起案することはせず、すべて答案構成で済ませました。

試験本番が過去問の焼き増しであれば問題なく対応でき、初見の問題であっても、問題の捻り方や問われ方をイメージできるためです。

この戦略で勝負すると決めたため、論証集のAB論点については、8 割の精度で書けるようにすべて暗記しました。

 

講座・教材が令和7年司法試験にどのように役立ったか

憲法

在外国民選挙権訴訟と本問の事案の違いから、同訴訟の判断枠組みをどのように設定すべきか悩みました。

すぐに方向性を決めないと時間切れになると考え、在外国民選挙権訴訟の論証の理由づけの部分を、権利の性質や重要性を基礎づける事情として使用し、いわゆる三段階審査的な判断枠組みを設定しました。

この審査方法は総まくり講座において紹介されていたため、機械的に事実を割り振りました。

行政法

過去問の焼き増しの問題であったため、過去問講座で対応できる問題でした。

処分性の問題は、多くの問題が論証集に記載があり、本番でも問題なく解答できました。

民法

論証にあった規範を機械的に書き出し、事実を当てはめました。

商法

設問1・2ともに、成り立ちそうな構成が多数あり、これも論証集掲載の知識で対応できました。

成り立ちうるすべての構成を列挙したため、あてはめや要件の検討が薄くなったことが反省点です。

設問3も、似た論証がありましたが、事案が異なるため書くか悩みました。

しかし、構造は似ていたため、論証を修正しながら規範を設定しました。

全体的に事前にあった論証で対応できました。

民事訴訟法

設問1は、過去問の焼き増しといっても差し支えのないものであったため、過去問講座で対応できました。

設問3は、論証にあった規範を機械的に書き出し、事実を当てはめました。

刑法

総まくり講座・過去問講座では、定義の記載が充実していたため、構成要件の検討においては、定義を機械的に書いた上で、事実→評価を繰り返して論証しました。

不作為犯の論証の流れは、過去問講座でされていたため、それに沿って解答できました。

刑事訴訟法

設問1・2は、論証にあった規範を機械的に書き出し、事実を当てはめました。

ここでは、評価を必ずしていました。

公判前整理手続についても講座や論証で解説されていたため、条文を見つけるのには苦労しませんでした。

 

これから司法試験・予備試験を受験する方々へ

司法試験の勉強においては「過去問」が重要といいますが、何の問題意識を持たないで「過去問をこなす」ことをしてはいけないと思います。

「過去問を〇周した」ことより、「過去問をこなす」ことで何を得ようとしたいかを意識すると単なる「過去問をこなす」ことを何度もするよりも何倍も得られるものがあると思います。

そして、暗記から逃げてはいけないと思います。頭で理解していても、それを言語化できるわけではありません。

CBTとなる来年以降の司法試験において、短く要点を押さえた論証の重要性は増しています。

この2つを意識できれば、現場で焦らず問題に集中できると思います。