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中央値を目指して司法試験に挑む-等身大の合格体験記

プロフィール

小林 勇紀 様
法科大学院(既習)修了
令和7年司法試験 合格

 

受講講座

  • 司法試験過去問講座2025(行政法単科)
  • 司法試験過去問講座2025(民法単科)
  • 司法試験過去問講座2025(憲法単科)
  • 倒産法過去問講座2025

成 績

総合 1000番台
短答 500番前後
選択科目 38点

 

はじめに

率直に言って、私は当落ライン上の人間であって、上位合格を目指しうるような受験生ではありませんでした。

したがって、既に合格水準にある方がさらに上を目指すための勉強法などは、お示しすることができません。

また、受講にあたっては、過去問の傾向や受験生のレベル感を知ったり筆力を上げたりテクニック的なもの(マジックワードの上手い使い方など)を盗んだりすることを重視しておりまして、講座で得た法律学それ自体の知識や理解、新たな気づきについては、それがあったということは覚えているのですが、その具体的な内容をここでお示しすることは困難です。

加藤ゼミナールが理論面・論理面でも評価されているのは存じておりますが、こと私は、そのような観点から予備校を論評することはできません。

そこで、以下では、加藤ゼミナールの講座の長所を紹介する体裁をとりつつも、一人の受験生の感触を可能な限り誠実にお伝えすることを目指します。

なお、2025年7月当時、司法試験論文式では短答合格者の約半分が合格する試験であると考えられたので(実際その通りでした。)、全科目について、私は、ある程度は短答でカバーすることを前提として、論文では短答合格者の中央値を取ることを目標としていたことを付記いたします。

 

総 論

加藤ゼミナールの教材等の長所のうち、全科目に共通するものとして、以下のものを挙げさせていただきます。

・講師が一から教材を作成しており、講師自身の血の通った表現によって解説がなされている。

そのような教材を用いて行われる講義は、記憶に残りやすかったと感じています。

テキスト全体を通じて語彙やリズムや思考様式に一貫性があるからかもしれません。

・テキストにおける出題趣旨・採点実感(以下、「出題趣旨等」という。)の扱いについて、項目付けなどによって階梯性を深めつつも、原則として四角囲みの中に原文のまま貼り付けるという編集方針がとられていたところ、これは、とても便利でした。

常に出題趣旨等との関係を意識しながら講義を聴くことができるからです。

また、一部年度の憲法の違憲審査基準適用の部分を典型として、出題趣旨等にたまに存在する、重要であるのに出題趣旨等での言及が少ない要素ないし配点項目(重要であるにもかかわらず出題趣旨等での言及が少ない箇所)について、どこにそれがあるのかをテキストの記載自体から直観的に認識でき、すばやくその年の出題趣旨等のクセを消化することができたのも良かったです。

・教材その他のサービス全体を通じて、科目特性と試験特性、現在の試験傾向への深い理解に根差しているのが一目瞭然であって、その上、それに応じてどのような受験対策をすれば良いのか、逐一言語化してくださっています。

勉強するごとに信頼感や安心感が生まれ、それが次の勉強に良いフィードバックを与えていたように思います。

 

各 論

本節では、憲法、行政法、民法の各科目について、受講した各講座の特長について、適宜私自身の勉強法にも触れつつ紹介していきたいと思います。

憲 法

憲法については、「中上位答案」を自分の答案と見比べることが勉強の中核でした。

これにより、各年度の過去問について最低限書くべきことや論述量のバランスを視覚的・感覚的に押さえたつもりです。

また、「中上位答案」は、短答合格者の中央値という目標ラインの目安としても用いました。

さらに、「中上位答案」を用いて解説や模範答案のどこが合格との関係で不要であるのかを特定し、講義や後の復習の時間を大幅に短縮することもしました。

憲法の「中上位答案」において模範答案から落とされているのは判例の構造的な理解や学説にかかわるものであることが多かったので、解説や講義についてもそのような部分をスキップすることにより、結果的に、脳への負荷が減り、筆力や問題文読解などといった科目横断的な能力の涵養に時間を割くことができたのではないかと思います。

加えて、各年度の過去問について最低限書くべきことを押さえることで、過去問をベースとする予備校模試の演習および復習の負担が減ったということは、予期せぬ幸運でした

※ただし、今年の本試験問題のうち、在外国民選挙権訴訟に関する部分は、ローの予習で読んだり解説を受けたりした時の記憶を頼りにしたところ、ローでしっかり扱われた判例が出たという点で、憲法についてはラッキーパンチがあったといえます。

行政法

行政法については、解説の前についている構成例の有用性が印象深い。

司法試験の行政法の処理が安定するようになったのは、過去問演習を通じて、この構成例を参照しつつ自分の脳に問題文の読解手順を作り上げていったおかげであると推測しています。

加えて、とりわけ行政法については、答案作成上の留意事項が言語化して言及されることが多く、とても勉強になりました(「原告適格は書き過ぎない」等)。

教材や講義を通じて学んだ読解手順や答案作成上の留意事項を手がかりにして、行政法については、最終的には、問題文をパズルのように答案化していく工作を楽しめるところまで成長することができました。

また、今年の問題は会議録や設問の指示が例年よりも多かった印象であるところ、上記の勉強の結果、ある程度はその情報処理量に対応することができました。勧告3の裁量が途中答案ですが。

民 法

民法については、過去問講座購入後、「平成27年、平成28年の2年だけでもOKです。」との指摘を目にして(加藤先生のブログ上の質問コーナー、2023年4月6日のポスト)、それ以外の年度の過去問演習はやめました(直近の令和6年分を除く)。この点に関連して、視聴期限が次年度の9月末なのは地味にありがたかったです。

なぜなら、合格のために他に優先すべきことがあると認識していたとしても、視聴期限が迫っていたら講義を見ていたような気がするからです。

おわりに

改めて司法試験をどう捉えるのかという点については、受験生全体の動向を認識しているわけではないのでお答えすることは困難ですが、私に関しては、(1)で述べたような戦略が奏功してよかったです。

合格を確認した時は安心しました。

今は、司法修習やその先の弁護士実務を楽しみにしています。