T.Y 様
法科大学院(既修)修了
令和7年司法試験 合格
選択科目(労働法)53.36点
私は、司法試験合格を目指して法科大学院の既修者コースに入学しました。
ある程度勉強が進んで学内の定期試験を受けたり司法試験の過去問を解いたりしていくと、どうしても時間内に答案を書ききれないという悩みに直面するようになりました。
友人や教授に相談しながら原因を分析した結果、どうしても答案の文章が冗長になってしまい、無駄な部分が多いことがわかりました。
法的三段論法をはじめとする形式面については答練を重ねることで少しずつ改善することができたのですが、規範定立の段階で必要なことを過不足なく書くという点については、なかなか苦手意識が克服できずにいました。
そこで、再現性をもって答案を書けるようにするために、論証パターンを用意することを決めました。
科目によっては、自分で作っていた授業ノートや、友人や先輩のノートをもとに論証集のようなものを作成することができたのですが、比較的学習が進んでいなかった選択科目・労働法については、残された時間を考慮し、既成品を活用することにしました。
そのような経緯で、私の周りの受験生の間で「記載内容の質が高い」と評判の高かった、加藤ゼミナールの『労働法論証集』を購入し、使用するに至りました。
私は、答案の再現性を高めるために論証集を購入したので、論証集の中の答案に書くべき部分については、とにかく一言一句暗唱できるようになるまで記憶するつもりで使っていました。
そうはいっても、試験本番まで記憶にとどめておける知識の量には限界があると感じていたのですが、加藤ゼミナールの論証集は、過去問の傾向などを分析した上でのランク付け(A~C)が付されていたこと、マーク指示動画を参考に、特に重要な箇所が一見してわかるようにマーキングすることができることから、自分の中で記憶の精度に濃淡をつけながら、無理なく暗記を進めることができました。
また、他の予備校出版の論証集に比べて情報の正確性にかなり気を配っておられるにもかかわらず、一文が短くコンパクトで、リズムの良い日本語でまとめられているために記憶に残りやすく、非常に暗記がしやすいと感じました。
加えて、各ページに程よく空きスペースも設けられていたため、法科大学院の授業や自主学習で得た補足情報を書き込むなどして、労働法の論文式試験に必要な情報を一元化する教材として活用することができました。
暗記の方法としては、まず内容を理解し、よどみなく音読できるようになるまで繰り返し読んだ後、目線を上げて、論証集を見ずに暗唱していました。
時間の経過とともに暗記した内容を忘れてしまうのは仕方のないことだと割り切って、空き時間を活用して何度も繰り返し読むようにしました。
そうした観点では、携帯のしやすいコンパクトなサイズも、私に適していたと思います。
加藤ゼミナールの論証集は、一つひとつの項目に、出題者の要求にピンポイントで答えるためのエッセンスが凝縮されており、出題の趣旨・採点実感に対する1つの模範解として完成されていたと思います。
過去問演習と論証集を往復するだけで、単に知識量が増えるだけでなく、司法試験の論文式に解答するために特化した思考モデルまで身につけることができます。
大きな要因として、各論点についていきなり要件を立てるところから始まるのではなく、その規範を持ち出すに至るまでの問題意識が簡潔に書かれており、労働法上位合格者である加藤先生の思考過程を辿れるような体裁になっていたことが挙げられると思います。
また、労働者性の認定や就業規則の不利益変更、争議行為の正当性などのように、規範はシンプルが故に“あてはめ”において他の受験生と差がつきやすい論点については、それぞれの要件につき判断するにあたって着目すべき考慮事情や、検討順序の場合分け、結論につなげるための評価の加え方まで詳細に類型化されていました。
さらに、脚注の記載も有益なものが多く、理解をより深めるために必要となる少し細かめな知識や、最新の判例の傾向等について、痒いところに手が届く情報が信頼のおける出典に基づいて付加されており、論証集でありながら単なる記憶素材にとどまらない重厚さがありました。
この論証集をやり込むことで、労働法について自分の知らない論点が出題されるかもしれないという不安は完全に払拭することができましたし、逆に、他の受験生も確実に書いてくるようなメジャーな論点についても、相対的に評価を得やすい答案が書けるはずだという自信をもって、本試験に臨むことができました。
結果として、自分が労働法でとりたかった点数には若干届きませんでしたが、令和7年司法試験で出題された論点はどれもこの論証集でカバー済みだったおかげで、書きたいことは時間内にすべて書くことができ、合格のために十分な成績をおさめることができました。
私は論証集を購入しただけなのですが、加藤ゼミナールの教材からは、本当の意味で論文式試験の“問い”に答えられる水準まで受講者を導こうとしてくださる熱意と工夫が感じられます。
今は自分の知識に自信のない人も、上位合格を狙う人も、加藤ゼミナールの教材や講座を信頼して努力すれば、後悔はしないと思います。
そして、どんな勉強方法を採るにせよ、司法試験を受ける以上は暗記から逃れることはできませんし、暗記以上に重要な学習プロセスはないと確信をもっていえます。
私のように良い教材と巡り合うことができたならば、しっかりと暗記を頑張るだけで、間違いなく合格に近づけると思います。
これから司法試験を受験するすべての方が、最後の一分一秒までベストを尽くすことができるよう、心から願っております。