T.E 様
慶應義塾大学法学部 在学
令和6年予備試験(1回目) 合格
240点台後半 300位台後半
憲法B
行政法A
民法F
商法C
民訴A
刑法A
刑訴B
労働法B
実務基礎D
私がちょうど予備校の基礎講義を聞き終え、選択科目を考えはじめていた令和5年の秋ごろ、予備試験を目指している人たちの間で、加藤ゼミナールがはやり始めていました。
既存の予備校では網羅性が足りないというなかで、加藤ゼミナールの労働法の講座はどうやらとても出来がいいというのです。
私は既存の大手予備校で勉強をしていましたが、労働法については教材面で大きく不安がありました。
既存の予備校の労働法のテキストは論証が少なく、テキストそのものを通読する必要があるうえ、裁判例がそのまま載せてあるだけで、答案の形にするためには自分で新たに論証化する必要があったのです。
また、問題演習についても司法試験の直近数年分のみで少ないことから不安を抱いていました。
そこで実際サイトをみてみると、上位合格者が続々と輩出しており、また100問という明らかな物量から、なるほどオルタナティブになるのだなと思いました。
労働法重要問題講座ですが、予備試験を受けた令和6年の1月から2月にかけて講義をききながら1周、そのあと予備試験のほかの科目の勉強の合間を縫って、3月から4月にかけて2周を、予備試験の短答式試験に合格した7月から9月に3周目と4周目をしました。
1周目は予習はせず、加藤先生の講義を聞き、メモ、マーキングをすることに徹し、2周目は答案例と問題文を見比べて、答案例がどのような構造になっているか、逆答案構成をすることをし、3周目と4周目は答案構成をし、法律構成やあてはめのやり方を覚えていました。
付属の論証集は、2周目をする際にマーキングやかきこみを施し、重要問題講座との対応をはかりました。
予備試験の直前には、理解の不足していた法律構成や、覚えられない論証などをまとめたものを作り、それをひたすら周回していました。
また、3周目から4周目の最中に、直前に実施された令和6年の司法試験の労働法をさっと答案構成し、ほとんどの論点が加藤ゼミに載っているものだと気づき、とにかくほかの教材には手を出さず、加藤ゼミの教材を習得することが肝心だと思いました。
重要問題講座には一応、AからCまでランク付けが施されていますが、令和5年の予備試験労働法の問題が、Bランク相当の問題と似ていたことにかんがみ、労災保険法のような明らかなマイナー問題以外は飛ばさず、全問問題文・あてはめを丸暗記することを目指して勉強していました。
令和6年予備試験では、少なくとも労働法については、加藤ゼミナールの問題がほぼそのまま出題されました。
労働法の出題は、設問1は、オーソドックスな懲戒権濫用法理(第46問、第87問)、設問2は会社の組合に対する施設管理権の濫用と支配介入(第86問)でした。
労働法重要問題習得講座は、論点の規範とあてはめをそのままセットで丸暗記することができるので、試験当日「あ、加藤ゼミのあの問題じゃん」と感じながら、さくさくと問題を解き進めることができました。
特に、懲戒権濫用については、論証集に条文の文言と検討の枠組みの対応関係、上位規範、下位規範が載っており、現場では迷うことなく書き進めることができました。
設問2の不当労働行為制度は予備試験では初めての出題となり、試験後のSNSをみると、戸惑った人が多かったようですが、加藤ゼミの問題集には労働組合法の問題が35問、不当労働行為も11問載っていたので、迷うことなく、支配介入、施設管理権の濫用という論点を書き進めることができました。
その結果、設問1で変なひらめきで効果裁量の限界という全く関係ない余事記載をしてしまい、また、設問2でも支配介入において組合活動の正当性の枠組みで施設管理権の濫用を検討するというミスしてしまったものの、B評価で耐えることができました。
なお、答案作成は1回もしませんでした。
理由は、予備試験の過去問は当時2年分ありましたが、これらが再び出題されるとは思えないこと、労働法の予備試験は司法試験よりも問題の難易度が明らかに下げられており、司法試験の問題を解いても演習の効果が得られにくいことです。
加藤先生がしばしば述べられているように、労働法はインプット重視の科目なので、わからなかったらすぐ答案例を読む、とにかく教材を回し、暗記することで大きく成果をあげることができます。
確かに加藤ゼミナールの労働法は、論証集が170頁弱、問題集100問という一見にして膨大な量があります。
しかし、論証集が多いのは下位規範によるためで、問題集も100問といえども、実際には1問あたりの分量は、予備試験の1年分の半分くらいなので、見掛け倒しに過ぎません。
その分、ばっちり網羅されており、「論証集と問題集に載ってないことが出たらみんなわからない」という自信を持つことができます。
令和7年予備試験でも労働時間制と割増賃金という、重要問題と加藤先生の最新判例解説ページにばっちり掲載された論点であったことから、やはり加藤ゼミナールは労働法についてはきわめて有用なものと思います。