小倉 隆誠 様
国公立大学法学部 卒業
私立大学法科大学院(既修)在学
令和7年司法試験 合格
論文 300位台前半
私が基本7科目の対策として加藤ゼミナールの講座を選んだのは、「ここを見れば全てが載っている」という一元化された教材がどうしても欲しかったからです。
学習を始めた当初は、科目ごとに基本書、判例百選、予備校の入門テキスト、論証集など、何冊もの本を机に広げて勉強していました。
しかし、学習が進むにつれて、このやり方に限界を感じるようになりました。
あちこちの教材を行ったり来たりすることに多くの時間を奪われていました。
また、情報が散らばっているため、試験直前期に全体を素早く復習することが難しく、学習効率や知識の抜け落ちに対する不安が常にありました。
試験会場に持っていくのはこの一冊だけでいい、と思える教材が欲しいと考え、教材を探していた時に出会ったのが、加藤ゼミナールでした。
テキストの中身を見てみると、条文、判例の規範、学説の対立点、そしてあてはめのポイントに至るまで、試験に必要な情報が一冊のテキストの中に体系的に整理されていました。
単に情報量が多いだけでなく、合格に必要な情報とそうでない情報のメリハリが効いていると思えた点も魅力的でした。
このテキストになら、自分が過去問演習で得た気づきや知識を集約していくことができると感じました。
「情報を一箇所に集める(一元化する)」ための土台として、これ以上のものはないと確信し、受講を決めました。
講座を受講してからは、加藤ゼミナールのテキストを学習の中心に据え、徹底的に情報を集約していきました。
私の使い方は、「過去問を解き、あてはめの仕方や処理手順をテキストに書き込み、それをひたすら繰り返す」というものです。
具体的には、まず過去問を解きます。そして、出題された論点がテキストのどこに載っているかを確認します。
ここまでは多くの人がやっていることだと思いますが、私はそこで終わらせず、「どうすればその論点に気づけるか」「どうあてはめれば点数が入るか」という実践的な情報をテキストに直接書き込んでいきました。
例えば、行政法の問題で「裁量権の逸脱濫用」が問われた際、単に規範を確認するだけではありません。
過去問で「考慮不尽」と認定された具体的な事実関係や、問題文にどのような誘導(ヒント)があったかを、テキストの論証のすぐ横にメモしました。
民法や刑法でも同様に、「この判例を使う時は、問題文のこの事実に着目する」といった「あてはめの作法」を書き加えました。
こうすることで、テキストを見返すたびに、単なる知識としてではなく「問題を解くための道具」として論点を確認できるようになります。
直前期には、この書き込みでいっぱいになったテキストを何度も読み返しました。
ただ読むだけでなく、論点を見た瞬間に「この論点は、過去問のあの事案で出た。
あそこではこういう事実評価がポイントだった」と、頭の中で問題を解くプロセスを再現しながら読み込みました。
この「思考のシミュレーション」を繰り返すことで、7科目それぞれについて、記憶を鮮明に保つことができました。
令和7年の司法試験本番では、現場思考が求められる問題や、細かい知識を問う設問も見られましたが、この教材のおかげで確かな手応えを感じることができました。
具体的に役立った点は大きく3つあります。
1つ目は、論証例だけでなく、注釈や補足説明まで読み込んでいたことで、既存の知識で対応できたことです。
加藤ゼミナールのテキストは、メインの論証だけでなく、注釈や補足説明が非常に充実しています。
私はここを読み飛ばさず、丁寧に知識として定着させていました。
本番では、一見すると未知の問題に見える設問でも、実はテキストの注釈に書かれていた判例の射程や、学説の対立がベースになっているものが多々ありました。
周りが「知らない」と焦る中で、私は「注釈に書いてあった知識だ」と既存の知識として処理でき、精神的に大きな余裕が生まれました。
2つ目は、「あてはめの仕方」まで復習していたことで、点数の取りこぼしを防げたことです。
事前に「この論点では、こういう事実を拾って評価する」という視点をテキストに書き込み、反復していたおかげで、問題文の中に散りばめられた事実を敏感に拾うことができました。
問題文にある事情は無駄に書いてあるわけではありません。
それらを余すことなく「使い切る」感覚で、事実と評価を丁寧に答案に反映させることで、確実に点数を積み上げることができました。
3つ目は、結果として全科目でバランスよく点数を取れたことです。
網羅的な知識(注釈含む)と、処理能力(あてはめ)の両輪が揃っていたため、苦手科目で大失敗することもなく、得意科目ではしっかり跳ねることができました。
総合力を問われる基本7科目において、穴のない安定した答案を書けたことが、合格につながったと確信しています。
これから受験される方にお伝えしたいのは、「網羅性の高い教材を一冊決めて、それを信じ抜くこと」の重要性です。
加藤ゼミナールの教材は網羅性が極めて高く、試験対策として必要な情報は、本文か注釈のどこかに必ず載っています。
「ここに載っていないことは出ない、出ても合否に関係ない」と割り切れる安心感は絶大です。
あとは、その教材に過去問の経験を書き込み、ボロボロになるまで反復するだけです。
正しい教材と正しい努力は、必ず結果に結びつきます。
皆さんの合格を心より応援しています。