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コスパ最強の選択科目・労働法―2位合格者の現実的戦略!

プロフィール

N 様
私立法科大学院(既修)在学
令和7年司法試験 合格

 

受講講座

  • 総まくり論証集(基本7科目、労働法)

 

成 績

総合 1077.33点 68位
論文 547.61点 48位
公法系 129.60点(憲法A、行政法A)
民事系 204.06点(民法A、会社法A、民訴法A)
刑事系 132.27点(刑法A、刑訴法A)
選択科目 81.66点

 

講座を選択した経緯・理由

私が加藤ゼミの労働法総まくり論証集を購入したのは、市販の参考書に限界を感じるようになったことがきっかけでした。

既習2年の春学期までは、近場の書店で購入した参考書と、大学院の授業を中心に学習していました。

その当時は、「選択科目はどの受験生も手薄になりがちなところであるから、対策は後回しでよい」と考えており、基本7科目とは異なり、予備校も一切利用していませんでした。

しかし、既習2年の秋学期に入り、大学院の授業もほとんど終了した段階で、いざ司法試験の過去問を解き始めたときに、自分が全く労働法を理解していないことに気づきました。

基本的な論点についての論証も抜けがある上、論証を覚えているものについても、あてはめが全く見当違いな方向になってしまっていたのです。

いくら選択科目とはいえ、ここまで周囲と大きく差をつけられてしまうと、本番で致命傷になりかねないと感じた私は、対策のために質のよい参考書を探しました。

その際に、既に購入済みであった加藤ゼミの基本7科目の総まくり論証集に思い至り、「選択科目でもこれを使えばインプット面で困ることはないはずだ」と考えて、購入を決意しました。

 

講座・教材の使い方

基本7科目と同様、基本的にはインプット用の教材として使用していました。

加藤ゼミの論証集は網羅性・正確性に非常に優れており、大学院の授業で扱うような最新の判例も含めて、司法試験の題材となるような論点はほとんど全てがカバーされています。

しかも、単に論証が記載されているのみではなく、あてはめにおいて「どのような事実を拾うべきか」や「事実をどのように評価すべきか」というところまで意識した記載となっているため、同論証集の内容を記憶しておけば、試験の現場ではただ手を動かせばよいという状態にまで到達することができるという点が、他の予備校の論証集とは明確に異なっています。

こうした特徴に鑑みて、私は「この論証集の記載内容を完璧に抑えれば、合格との関係では必要十分である」と考え、可能な限り論証を記憶するように努めました。

もっとも、私が論証集を購入したのは11月であり、試験本番まで時間がありませんでした。

そのため、同時に購入すべきであるとされる講座については受講ができず、判例の正確な理解やBランク以下の論点についてはやや難のある状態となってしまっていました。

そこで、論証集に記載のない判例などについては、別途百選にあたることで、穴を埋めるようにしていました。

 

講座・教材が令和6年予備試験にどのように役立ったか

令和7年司法試験でも、加藤ゼミの論証集の中から相当数の論点が出題されていました。

第一問では、退職金支給規定、競業避止義務、均等法9条といった論点が問われたところ、その中でも退職金支給規定と競業避止義務については、いずれもAランク論点としてあてはめも含めた正確な記載が論証集に掲載されていました。

そのため、問題文を見た瞬間、考慮要素に対応する事実が随所に配置されていることに気づき、ほとんど悩むことなく答案作成に着手することができました。

競業避止義務や均等法9条は、多くの受験生にとって予想外の出題であったようですが、加藤ゼミの論証集を通じてこれらの論点の重要性を認識していた受験生であれば、過度に苦戦することなく対応できたのではないかと思います。

第二問では、不利益取扱い・支配介入や下位職制による不当労働行為といった典型的な論点が出題されましたが、これらも当然ながらAランク論点として論証集に掲載されていました。

これらの論点は抽象的な判断枠組みの理解ではなく、事実の拾い方や評価の仕方によって答案の出来が左右されるものです。

前述の通り、加藤ゼミの論証集はあてはめの段階までしっかりと意識した記載になっているため、こうした典型論点でも安定して高い点数を獲得することができました。

以上のように、加藤ゼミの論証集を徹底的に記憶していたおかげで、問題文から考慮要素を手掛かりとして論点を即座に把握し、判例を踏まえた丁寧な答案を作成することができました。

その結果、現場対応で答案を作成した受験生と差をつけ、2位という成績に繋がったのだろうと考えています。

 

これから司法試験・予備試験を受験する方々へ

私が選択科目として労働法を選択した理由は、受験生の数が最も多く、試験対策方法も確立されているため、コスパが良いと考えたからでした。

実際に司法試験を終えた今、やはりこの選択は間違いではなかったと考えています。

労働法は科目特性として、判例に沿った記述をすると点数が伸びるという特徴があります。

この「判例に沿った記述」をするためには、単に判断枠組みを記憶するだけではなくて、事実の認定方法まで抑える必要があります。

そのため、労働法は暗記の負担が民法に次ぐレベルで重くなってしまいます。

しかし逆に言えば、しっかりと記憶してしまえば得点が安定する科目であるとも言えます。

ゆえに、努力が報われやすいという点で、労働法はコスパが良いと評価することができるのです。

そのため、これから選択科目を選択する受験生には、労働法をお勧めしたいと考えています。

もっとも、前述の通り労働法は「判例に沿った記述」が求められる科目である以上、その学習には「あてはめ」の水準まで踏み込む必要があります。

ここをあいまいにしたまま試験に突入してしまうと、せっかく知識を持っていても得点に結びつかないおそれがあるからです。

この点において、結論や判断基準のみならず、事実の拾い方や評価の仕方まで、答案にそのまま使える水準のあてはめが明示されている加藤ゼミの論証集は、学習教材として理想的です。

ですから、「コスパ良く」合格したいと考えている受験生の方には、ぜひこの加藤ゼミの論証集を用いて勉強してほしいと思います。