H.K. 様
国立大法科大学院 修了
令和3年度司法試験合格(受験1回目)
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司法試験過去問講座2020
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総合 900番台
論文 800番台
公法系 90〜100点台(憲法A、行政法C)
民事系 150〜160点台(民法A、商法A、民事訴訟法C)
刑事系 90〜100点台(刑法B、刑事訴訟法B)
経済法 50〜60点台
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ロースクール3年次前期の終わり頃に「司法試験の過去問をそろそろ本格的に取り組まなければ」と思っていました。しかし、ひとりで出題趣旨等を読み込んで対策することに自信がなかったため、司法試験の解説講座を受講しようと考えていました。司法試験の解説をしている講座には、加藤先生の司法試験過去問講座以外に、ほか2つの講座があったのでどの講座を購入するか非常に悩んでいました。
最終的に加藤先生の司法試験過去問講座を選択したのは、①ガイダンス動画で講座の特徴・講座の使い方を詳しく教えていただけたこと、②総論で各科目の書き方を詳細に解説されていること、③問題文・設問や誘導の読み方まで教えていただけること、④模範答案だけでなく中位答案も掲載されていることで現実的な合格答案を知れること、この4点によります。
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(1)総論部分
教材が届いてすぐ、総論の解説動画で各科目の書き方を学びました。司法試験の論文式試験は書き方でも差がつくため、総論の内容は何度も復習し一元化教材に反映させました。特に、憲法、行政法、刑訴法は書き方でかなり差がつくため、試験本番までに何度も読み返しました。
(2)過去問の解説部分
加藤先生がご自身のブログに書いてくださっていた過去問のランクづけを参考に、まず、Aランクの問題、次にBランク以下の問題でセレクト45に収録されているものを取り組みました。
司法試験で実際に使われる答案用紙を使って2時間で答案を書いたのち、先生の解説動画を見つつメモをとり、先生が「ここは覚えてください」「ここの書き方は押さえておいてください」等と指示されることをマークしました。動画を見終わった後は、解説をもとに自分の書いた答案を自己添削しました。また、総論で学んだ書き方もできているかも確認しました。
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今年度の問題は例年より難しかったので、「わからないときこそ基本に立ち返って考える」という、先生が普段おっしゃっていたことを守りました。その結果、比較的冷静に問題に取り組むことができました。
憲法では、総論で学んだ違憲審査基準の書き方を守って書きました。この書き方に即して書いたおかげで思考が整理された答案を書けたと思います。
商法では、設問2の論点を知らなかったので、現場思考問題として解きました。当てはめで使うべき事実を使えるように、何らかの理由を付した上で規範を定立し、当てはめをするという現場思考問題を解く際の書き方を守りました。
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(1)総論講座
総論では、科目に共通する事項(行政法であれば処分性、原告適格、裁量)の書き方を各科目の過去問を取り組む前に解説していただけました。答案の書き方は、合格するためにかなり重要な要素であるにもかかわらず、あまりしっかりと解説がされることが少ないものです。しかし、総論講座では、書き方についてかなり充実した解説がされるため、充実した答案を書けるようになりました。総論部分は一元化教材に反映する、コピーするなどして手元においておくとよいと思います。
(2)過去問の解説
法律論にとどまらず、問題文の読み方、事実の捉え方、あてはめのポイントなどの答案作成技術までしっかり解説がされていました。
毎年解説動画が更新されているため、法改正への対応はもちろん、最新重要判例(たとえば、刑法では、同時傷害の特例についての平成28年判例に対応)にも対応した、最新で正確な解説が提供されます。司法試験過去問講座2020はコロナ禍により2019の解説動画が使われるという例外的措置がとられていましたが、令和2年の試験を踏まえて一部動画が差し代わっているなど、フォロー体制はしっかりしていました。
テキストの解説部分は、定評のある基本書等をベースに記載されているため、信頼して読むことができます。また、試験で使うべき見解も明示されるため、自説の選択に迷うこともありませんでした。
(3)答案例
模範答案、中位答案ともに1行32字を想定して答案例が書かれているので現実的な答案の分
量を知ることができました。
模範答案だけでなく中位答案も示してくれるので合格の相場感を掴むことができました。中位答案は、妥協した書き方や緊急避難的な書き方、また、ありがちなミスを反映したものもある現実的なものになっているからです。
加藤先生は非常に当てはめが上手なので、事実の評価のやり方、それぞれの事実を書く順序等々、模範答案の当てはめ部分は本当に参考になりました。
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(1)司法試験過去問講座のススメ
司法試験攻略はやはり過去問をどれだけしっかり取り組むかが鍵になると思います(特に、公法系、刑事訴訟法は過去問の重要性が極めて高いです)。加藤先生の司法試験過去問講座では、正しい法律論だけでなく、正しい問題文・設問の読み方、誘導の乗り方、当てはめの仕方のようなテクニックの部分まで徹底的に教えていただけます。本講座を使えば、効率よく正しく過去問学習をできますので、迷われている方にはぜひおすすめいたします。
なお、この講座は過去問をメインに解説したものであって、基礎知識を学ぶものではありません。ですので、短文事例では主要な論点を抽出でき規範定立・当てはめがある程度できること、主要な条文は引けることなど、基礎がある程度できたときが、この講座を使うべきタイミングだと思います。
(2)司法試験に向けて
論文以前に、まず短答はきっちり対策をしましょう。素材は過去問だけで大丈夫です。普段から140点(80%)くらい取れると、本番で多少失敗しても合格者平均点くらいは取れます。短答はやればやるほど伸びるので、早い時期から繰り返し勉強しておくべきでしょう。
論文対策としては、やはり書くことに躊躇しないことが大事です。2時間も答案を書くことは、はじめはかなりしんどいことですが、何度も繰り返していると慣れてきます。この慣れは本番でも役に立つので、書く時間を確保するという点で、論文過去問の着手も早いうちに行うとよいでしょう。過去問で深い学習をすると同時に、短文事例問題を解く時間も設けてほしいです。知識をある程度網羅しておかないと、知っているかそうでないかで差がつく問題もあるからです。また、記憶の時間も大事です。論証をそのまま暗記できるならそれに越したことはないですが、そうでない場合は、まずは定義・規範から覚えていき、ある程度定義規範を覚えることができれば、論証のキーワードや当てはめのポイントも記憶の対象として広げていくとよいと思います。小さな段階ごとに取り組めば単純記憶の辛さも軽減されるでしょう。
司法試験はやはり難しい試験ですので、本番では思うように上手く答案が書けなかったりすることに直面することになるかと思います。私も1日目は公法系で全く答案を書けず、ずっと不合格が頭を過っていました。それでも一縷の望みを託して諦めず答案を書き続けました。メンタル的にもきついため途中で投げ出したくなる試験ではありますが、最後まで諦めずに書くことだけは絶対に守ってほしいです。書けば何かしらの点は入るかもしれませんので、加点の可能性がたった1%しかなかったとしても信じてペンを動かし続けてください。
司法試験の勉強は長丁場になりますが、気を張り詰めすぎずに地道に確実に学習していただければと思います。合格した自分の姿を思い浮かべて日々頑張ってください。応援しております。