比嘉麻衣子 様
法科大学院既修 卒業
令和3年司法試験 合格
比嘉様の基本7科目の合格体験記はこちらからご覧いただけます。
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労働法 58.16点(上位17%)
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私は選択科目の勉強の開始がとても遅れてしまい、11月まで手をつけていませんでした。
ロー入学以前に社労士資格を取得していたので、大枠としての理解は多少あったのですが、司法試験の論文に耐えられるだけの深い知識は到底ありませんでした。
この時点で他7科目の一元化教材もない、過去問も回してないという状態でしたので、残り2か月で労働法のインプットとアウトプットを完了させなければ現役合格は見込めないというギリギリの時期でした。
そこで予備校教材に頼るしかないと考え、Twitterなどで情報収集した結果、本教材の評判がとても良かったので受講することに決めました。
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まず速修テキストを1周しました。テキストの完成度に驚きました。テキストを回しながら、基本書や判例集などの理解を論証集に書き込む形でインプットを完成させました。
ローの授業や課題と並行しながらであったこともあり、この作業に思ったより時間がかかり、完成時期は1月頭になってしまっていました。(約2か月)
すぐに過去問テキストに切り替え、1周目は問題を読み、すぐに解説を見るだけとどめ、書き方や自分に弱い部分を論証集に書きこみました。第2問の最初に聞かれる手段などは、問題形式でないと具体的な理解が難しかったので、この時点でようやく理解するといった状況でした。
この作業が終了したのは1月末でした。3か月でおおよその答案が書けるようになります。
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本教材を普通に回していれば、労働法が足を引っ張る科目になることはまずありません。それくらいテキストの完成度が高いです。また、本講座の習得過程で、結論をとる上で不利な事情にも触れるあてはめの書き方・評価の書き方を学べるのであすが、刑訴や憲法など当てはめ重視の科目にも活かせると思います。とにかく選択科目が労働法であるなら、受講しておいて損はありません。
ここからは上位合格を目指している方向けに私が50点代にとどまってしまった反省点を書きたいと思います。
労働法のテキストに感動したので、基本7科目についても、総まくりに乗り換え、勉強しました。7科目に比べて、労働法は自分が思ったより点が跳ねなかったのですが、この理由は、我を出してしまったからだと考えています。
基本7科目については、出題趣旨や採点実感を素直に読み込み、試験委員の見解に沿った論述ができるように準備していましたが、労働法は、ある程度基本書を読む体力や思考力が出来上がっていたことや、以前違う角度から勉強していたことが災いして、自分の興味・関心や書き方を追及してしまった感があります。せっかく加藤先生の教材をべースにしていたので、もう少し試験にフィットする勉強をするべきであったと思います。逆に言えば、これが完全に独学だと試験からどんどん離れた勉強をしてしまったと思います。
加藤先生は、「労働法ではこの書き方は求められておりません」「採点では重視されていません」「ある程度論点主義でもOK」という趣旨のことを仰せでしたが、本当にその通りなのだと実感しました。選択科目の特殊性もあるかとは思いますが、論理の流れにこだわりすぎたり、点取りゲームと割り切ることに失敗すると、司法試験ではホームランを打てないのだと感じました。
60点以上を目指すのであれば、司法試験の研究をやり尽くしておられる加藤先生の指導を素直にとりこむことが鍵だと思います。
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労働法は日本史のような科目です。やればそれなりに点は取れますが、やらなければ詰む。
記憶の負担が小さい選択科目の友人と比べると記憶量に泣きたくなると思います。行政法や民訴より覚えることが多いです。
量的にも採点方針という点でも、ある程度割り切って勉強することが大切な科目であると思いました。
記憶が苦手でなければ、大外しすることもない科目ですので、おすすめです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。