大塚 敬太 様
首都大学東京(現:東京都立大学)都市教養学部都市教養学科法学系 卒業
一橋大学法科大学院未修コース 修了
令和4年 司法試験 合格
総合 790点台 1100番台
論文 380点台 1100番台
公法系 A、A
民事系 B、C、A
刑事系 C、B
選択科目 50点台
加藤先生の講座の受講を決めた最大の理由は、テキスト・答案で使われている日本語文章の読みやすさにあります。
私が目にしてきたいわゆる予備校教材の中には、日常的には使わないような言葉を使っているもの(「思うに」から論証を書き始めているもの等)があったり、文と文との接続関係が不明瞭で意味が分かりづらいもの(接続詞の用いられ方に一貫性がなく、その時の気分で接続詞を使い分けているのではないかと思われるようなもの等)があったりと、読んでいてストレスを感じてしまうようなものも数多くありました。
一方で、加藤先生のテキスト・答案例では、もちろん法律用語は使われていましたが、不必要に難解で古めかしい言葉は使われていませんでした。また、「そこで」や「もっとも」等、接続詞が一定のルールに従って用いられており、一読すれば自然に意味が理解できる文章になっていました(参考:https://kato.blog/5300/)。
このように、加藤先生の教材では、読みやすい日本語文章が使われており、書かれている文章を無駄な負荷なく理解していくことができると考えました。
さらに、読みやすい日本語文章が用いられている教材を使うことで、読む際に内容の理解がしやすくなるだけではなく、自分が答案を書く際の再現が容易になると考えました。
読みにくい文章の教材を用いる場合には、教材に書かれてある文章を自分の頭の中で一旦再構成して理解する必要があり、答案を書く際にも自分の頭の中で再構成したものを思い出す必要があります。この再構成の段階で思考が必要になり、時間のロスにもなりますし、無駄な負荷がかかってしまいます。
一方で、読みやすい文章が使われている教材を用いる場合であれば、書かれている文章をそのまま理解することができ、答案を書く際にも、教材に書かれていた文章をそのまま思い出すことができれば足りるため、答案作成の処理が速くなることに繋がります。
以上のように、日本語文章が読みやすい教材を用いて勉強をしていけば、インプットとアウトプットの双方を効率的にすることができると考え、加藤先生の講座の受講を決めました。
加藤先生の講座の視聴を本格的に開始したのは、司法試験を受験する約4.5ヶ月前である令和4年の年始からでした。それまでは、ロースクールの講義の予習復習等で手一杯になってしまっており、試験対策らしい試験対策はほとんどできていませんでした。
そこで、まずは3月初旬に実施される模試の受験までにインプットを一通り終えようと考え、2ヶ月間で7科目の総まくり講座のみを受講しました。欲張るとパンクしてしまうと考えたので、講義を視聴する際には、講義を聞くことに集中して教材にメモ書き等はほとんどせず(加藤先生が板書された当事者関係図を書いておくくらい)、加工したのはアンダーラインとマーカーのみというページがほとんどでした。
模試が終わってからは、総まくりテキストを用いて科目ごとの答案作成のための考え方や論証の復習をしつつ、新しい年度から順番に司法試験過去問講座を受講しました。答案を完全に作成することはほとんどなく、問題文を読んで答案構成をした後に加藤先生の作成された答案(中位答案の掲載がある年度の問題については、特に中位答案)を読み込み、講座を視聴していました。
結果的に、過去問はほとんどの科目で3年分程度しか目を通すことができませんでしたが、加藤先生の作成された答案から答案作成のための考え方を吸収したり、問題の問われ方の傾向等を把握したりすることはできました。
前述した、加藤先生の教材の日本語文章の読みやすさは、短期間で効率的に試験対策のための勉強をするのに大変役立ちました。加藤先生の講座・教材でなければ、司法試験までの約4.5ヶ月間の期間で、試験の現場で合格水準の答案を作成するための能力を身につけることはできていなかったと思います。
また、加藤先生が講座・教材の中で明示的に、更には過去問講座の答案等を通して黙示的に、科目ごとの答案作成のための考え方を伝えてくださったことが、司法試験の合格に大変役立ったと考えています。
私は司法試験対策に取り組み始めた時期が遅く、司法試験に向けた準備を十分にすることができなかったため、試験時までに正確に暗記することができていた論証等はそこまで多くありませんでした。しかし、加藤先生の講座・教材を通して、科目ごとに合格水準の答案を作成するための考え方を身につけることができていたため、論証の記憶が不正確であっても合格水準の答案を書くことができたと思っています。
上位合格を目指すのであれば、もちろん一つでも多くの論証を正確に記憶し、使いこなせるようになるべきだと思いますが、合格水準の答案を書くだけであれば、答案作成についての考え方を身につけてそれを本番でも実践することができてしまえば、それで足りてしまうのだと思います。
答案作成の考え方は、講義の中で明示的に伝えていただいたほか、司法試験過去問講座の中位答案を読み込むことで身につけることができました。加藤先生の中位答案は、この問題であればこれを書けていれば合格水準に乗ることができる、ということを具体的にイメージするための格好の教材だと思っています。
そして、メンタル面のお話にはなるのですが、総まくり講座は120時間程度で7科目のインプットを完了させられるため、最後まで完走しやすい講座であると思います。私は司法試験の直前期から講座の視聴を始めたものの、総まくり講座を最後まで受講することができたため、試験本番では「自分は総まくり講座を受講し切っているのだから、何を言っているかが全く分からないような問題が出るはずはない」という自信を持って問題文を読み始めることができました。不安でいっぱいの中でパニックになりながら問題文を読むよりは、自信を持って落ち着いて問題文を読むことができた方が、冷静に事案を分析して答案を構成していくことができるはずです。そのため、最後まで完走しやすい総まくり講座は、試験本番時のメンタル面においても役立ったと考えています。
私は、司法試験に合格した前年の令和3年予備試験では、論文式試験で1200番台をとり不合格になりました。その時にはFランクの答案が3つ(行政法、民事訴訟法、刑事訴訟法)もありました。司法試験の約2.5ヶ月前に受験した模試では、総合でD判定(合格推定圏外)をとっていました。司法試験の結果も、なんとか合格することはできたものの、順位は1100番台と上位とは言えないものでした。これらは、司法試験のための対策を始めるのが遅く、準備が不足していたことが原因だと思っています。
上位合格を目指されている方に対して、私がアドバイスできることはないと思います。私を反面教師にして、できるだけ早い時期から司法試験のための対策を始め、万全の準備を整えて、是非上位合格を勝ち取ってください。
私のように、ロースクールの最終学年なのに予備試験で満足な答案を書くことができなかったという方、試験まで時間がないのに対策らしい対策ができていないという方は、合格のための勉強の仕方をしっかりと考えるべきだと思います。
私見ですが、例えば、知識に穴がある状態で個別の論証をいくら正確に記憶していても、10回試験を受けたら3回は上位答案を書けるものの7回は不合格答案しか書けないという状態になると思います。個別の論証の知識は、その論証が使える問題が出題されなければ得点にはつながらないためです。
一方で、個別の論証の記憶が多少不正確であっても、インプット講座を一通り受講して知識の穴をなくした上で、問題文の読み方や答案の書き方といった答案作成のための考え方を身につけることができれば、10回試験を受けたら1回も上位答案を書くことはできないかもしれないものの不合格答案を書いてしまうこともないという状態になることができると思います。答案作成のための考え方は、あらゆる問題に応用することができるためです。
どちらの状態を望ましいと考えるかは人それぞれですが、4桁順位であってもなんとしてでも合格したいという方は、自分が試験の現場で不合格答案を作ってしまうリスクを最小限にするための勉強の仕方を採用すべきだと思います。
そして、私にとっては、基本7科目についての一通りのインプットを効率的にすることができ、答案作成のための考え方を身につけられる最適な教材が、加藤ゼミナールの総まくり講座・司法試験過去問講座でした。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
皆様の合格を心よりお祈りしております。