大場 勇輝 様
京都大学法学部 卒業
同志社大学法科大学院(既修) 修了
令和3年司法試験 不合格
令和4年司法試験 合格
・基本7科目の総まくり講座
総合 506位
論文 460.21点 390位
公法系 121.99点(A、A)
民事系 162.87点(A、A、C)
刑事系 124.10点(A、A)
ロースクールでは学説の変遷や深い解釈など、今後法曹として生きていく上で必要になってくるようなことをたくさん学べたので、ロースクールに入ったこと自体に後悔はなかったものの、各科目につき週1コマ~2コマで、半年~1年かけて学ぶ関係上テーマごとの知識がぶつ切りのような状態で体系的に理解できていないなという自覚がありました。そこで、司法試験対策に必要十分な情報量がありつつ可能な限り短期間で総復習できるような方法を探していた際に、本講座を見つけて受講しました。
1周目は、1コマ毎に講義動画を視聴する前にマーク指示動画を見つつ指示通りにテキストにマークをし、その後講義動画をテキストを熟読しながら1倍速で丁寧に見ます。私は、上記のような受講理由から憲法から順に1科目ごとに通して学習し、憲法が全て終わったら民法に、という形でやっていました。
7科目全てを上記の方法で視聴し終えたら、また憲法から順に今度は1.5倍速でザッと流します。この時、テキストはそこまで丁寧に読まず、基本的には画面を見ながら動画内で先生が喋っている情報が何色でマークされていたか、文字情報として頭に思い浮かぶかを意識しながら聞いて、それらが思い浮かばなかった場合一度動画を止めてテキストを熟読する、という方法をとっていました。これも7科目分終わったら、過去問やロースクールで出された練習問題等を解きながら規範をインプット/アウトプットする作業を繰り返していました。Aランク論点は誦じられるくらい、Bランク論点は現場で規範を作れるくらい、Cランク論点は大体の結論だけと言った形でメリハリをつけてインプットすることができたのがありがたかったです。
試験直前には、テキストを読み返しながら理解が甘いなと思ったテーマのみ講義動画を見返していました。総まくりテキスト以外の情報は、むしろあえて余り取り入れないようにしました。
試験本番との直接の関係では、憲法の講義で表現の自由についてベースライン論を結構重要そうに話していて印象に残っていたのですが、本番の問題で学問研究の自由についてではあるものの一度補助金を受けられていたのにそれが受けられなくなった、という文脈で上記の論点を思い出しました。また、憲法は問題形式が近年では見慣れないものだったのですが、総まくり講座の第一回で問題形式ごとの思考、解答方法を解説されていたので、焦らず対処することができました。公法系は上位10%の上位答案だったので、上記のような部分で差がついたのでは無いでしょうか。
教材についてですが、私は特に会社法について、膨大な判例があってロースクールのレジュメや判例百選などを眺めていてもどれが重要なのかいまいちよく解らず、なんとなく苦手意識がついてしまっていましたが、総まくりテキストに必要十分な量が記載されているとの信頼があるので量に溺れて判例学習を忌避してしまうことがなくなりました。特に今年は、典型論点とその類推適用が主な出題だったので、いかに基本的な部分を漏らさず理解できているかが勝負の分かれ目だったと思います。単なる規範集ではなく、趣旨や判例解説も一つにまとまった総まくりテキストだったからこそ高いレベルの基本が身についたと思います。
総まくり講座は非常に完成度の高い、まさに司法試験に合格するのに必要十分なテキスト、わかりやすい講義です。自分なりのスタイルを確立したら、総まくりテキストに従ってとにかく繰り返し学習していれば必ず結果はついてきます。なので、不安に思わずに学習以外のリソースは心身の健康を維持することに割くことをお勧めします。あれこれと新しい教材に手を出したり、司法試験関連のブログを読み漁って自分の状況と比べて一喜一憂したり、そういった無駄な時間は不要です。生活リズムを正し、勉強以外の時間は美味しいものを食べたり、趣味に費やしたりしてください。最終的に試験本番の5日間を戦い抜く体力を培ってください。
余談ですが、合格発表の直前はどれだけ手応えが良くても緊張と不安でおかしくなりそうになるものです。個人的には最後の30分くらいはラジオ体操(テレビ体操)をお勧めします。お手本の動画を見ることで視覚を集中し、体操をすることで行動を集中し、体操以外のことができなくなって、一回踊れば確実に数分経っています。