山本 凜 様
立命館大学法学部法学科司法特修 卒業
慶應義塾大学大学院法務研究科(未修) 卒業
令和4年度司法試験 合格
総合 907.27点 543位
論文 446.44点 514位
公法系 106.63点(A、B)
民事系 174.36点(A、A、A)
刑事系 110.63点(B、A)
選択科目 54.80点
講座を選択した経緯は以下の通りです。
私は、ロースクール卒業後1回目の司法試験に挑みましたが不合格でした。不合格後2回目の受験に挑むにあたり、1回目の受験時毎日一緒に勉強していた友人に加藤ゼミナールを勧めて頂き、加藤ゼミナールの講座を受講させていただくことになりました。
彼もまた私と同じく、1回目の司法試験に不合格後、2回目受験時に加藤ゼミナールで司法試験過去問講座を受講し合格したという経歴を持つ者でした。彼は、私の敗因分析と2回目で合格するための計画を一緒に考えてくれました。
私の1回目での敗因は、過去問の起案をほとんど行なっていなかったという点に尽きます。
私は、1回目の受験時、実力がついていないため過去問に着手する段階に到達できていないと自己分析しており、過去問を起案する時間を捻出するよりも、論証集や判例百選の典型論点を理解・暗記し、どんな問題が出題されても最低限の論述はできるようにするしかないと考えておりました。
友人と行った敗因分析で、私は、個々の論点を知識と知っていてもいざ本試験で出題された際、個々の論点についてそれを三段論法の形にのせ論述する(使う)ことができていないこと、小さな論点には気づくことすらできていないことを認識しました。
このような敗因分析を踏まえ、私が講座を選択した理由は以下の通りです。
本試験では、市販の問題集に掲載されているような典型問題ドストライクの問題はまず出題されないと考えています。本試験で出題されるであろう応用的な問題にも、その場で思考し三段論法を用い法律の答案として論述する力、これは過去問演習を行うことのみによって身につく力であると考えています。
そして、その過去問全年度にあたり、丁寧に解説してくださり、クオリティ、汎用性共に高い答案を作成していただけているのは、加藤ゼミナール以外ないと判断しました。
このような経緯・理由から、私は、司法試験過去問講座を受講致しました。
まずスケジュールについてです。これについては、加藤先生が司法試験合格目標スケジュールを設定しておられたため、基本的枠組みとしてはそれに則って勉強し、平日は毎日起案をしていました。
具体的には、Aランクについては年内に終わらせ、Bランクについては1月末までに終わらせました。
3月に模試があるため、そこまでにはCランク含め1周できるようにしました。模試以降、ABランクについては2周目の起案、Cランクでも苦手な部分はざっと目を通すようにし、ABランクの中でも特に苦手な部分については印刷し、答案の流れを確認するようにしていました。起案は試験当日12日前まで続けており、それからも模範答案には毎日目を通していました。
次に具体的な使い方としては、まず時間を測って起案をし、その後模範解答にざっと目を通し全体像としてできたかできなかったかを確認しました。その後、加藤先生の解説講義を、個々の論点ごとに重要箇所部分に線を引き、結論(通説・判例)、理由、学説(反対説)とでそれぞれ色分けをしながら、拝聴しました。
その後、自作の論証集と加藤ゼミナールの論証集・模範答案等とを見比べ自己の論証集において不足している部分については加筆をし、論点ごとの繋がりが重要な論点については、加藤ゼミナールの論証集をそのまま採用し、全体像としてのイメージをそのまま持てるように努めました。
まず、過去問演習をするべき意義についてです。
市販の問題集や論証集を使ってそれをこなしていく勉強は比較的ゴールが見え易いため、勉強のモチベーションが維持しやすいです。(自分がそうでした。)
しかし、先述したように、本試験では典型論点ドストライクの問題というのは出題されにくく、応用的な問題にもその場で思考し三段論法を用い法律の答案として論述する力、これは過去問演習を行うことのみによって身につく力であると考えています。
過去問のフル起案をしていく勉強方法は、毎日フルに頭を使うため、たしかにしんどく大変な勉強です。ですが、その訓練こそが本試験で未知の問題に遭遇した際に自分なりに思考し論述するという能力を養う唯一の方法であると考えます。
次に、加藤ゼミナールの過去問講座を使うべき意義についてです。
論証集・参考答案・解説の全てが採点実感を踏まえたものになっている点、これがとても優れており、市販の教材を用い独学で勉強するよりも圧倒的にコスパよく勉強できます。
独学で起案し採点実感を読み参考答案を見てこれを一元化することをやろうとすると、1日1題起案することは難しいと考えます。
また、公法系については重要論点について類型別に論証パターンを作成されている点、民事系・刑事系については網羅性が圧倒的に高い点が素晴らしいです。当然、質はいずれについても高いと考えています。
過去問講座を使い起案の絶対量を増やしていくと同時に、質の高い勉強を維持し、網羅的にコスパよく勉強できた点が合格に繋がったと考えています。
既修と未修との大きな差異は、既修が法科大学院入試に向けて答案練習をする機会が多いのに対し、未修はそれがないことに所以する絶対的な演習量不足だと考えています。また、未修出身の人は特に、いきなり基本書から勉強に入ることが多いと思うので、最終的に試験を受ける段階に入った際、勉強方法に困ることが多いと思います。
過去問演習のレベルに至っていない、過去問を解き始めてもまだ何も書けないと自分で考えたとしても、過去問演習をしながら論点の復習は同時に行えるので(それが一番コスパのいい方法だと思います)、なるたけ早い段階から過去問演習に入ることをお勧めします。
極論、過去問演習をしさえすれば、合格レベルには達することができると考えます。
今回僕が述べたことは、未修出身の人向けなので、既修出身の人には当てはまらないかもしれませんが、自分の敗因をもとに体験記を書かせていただきました。
僕は、合格するまでは、暗い海の底にいるような感覚、まさに底辺にいるような感覚でした。合格するだけで、何かが大きく変わるわけではないかもしれませんが、世界が開けたように感じています。
高く飛ぶための助走期間。根拠のない自信を持って、それを裏付ける努力を惜しみなく続けてください、その先には大きく開いた世界が待っています。皆さんの一助になれば幸いです。