F.H 様
大学法学部 卒業
神戸大学法科大学院(既修) 修了
令和5年司法試験 合格
総合 839.00点 1255位
論文 408.57点 1231位
公法系 103.80点(B、B)
民事系 160.74点(A、C、B)
刑事系 99.91点(C、A)
選択科目 44.10点
前年の司法試験の不合格を受け、敗因分析をしました。そこで、知識があるところは得点できているが、知識がないところで大きく失点していることに気付きました。特に、前年の司法試験では、多数の受験生が知っている論点なのに、私のまとめノートには載っていない論点が複数出題されました。そのため、私は知識のアップデート、インプットを優先させる必要があると分析しました。このような状況において、加藤ゼミナールのテキストや論証集は正確性に定評があり、総まくり講座はひと通り学習を終えた人が知識を総整理する目的で活用していたため興味を抱きました。実際に説明会に参加し、テキストを読んでみると、他の予備校のものよりも詳しく、論点も網羅的に掲載されている点に惹かれて総まくり講座を選択しました。
私はインプット、知識のアップデートを目的に総まくり講座を受講しました。そのため、科目ごとに講座・教材の使い方は異なります。例えば、商法は知識の穴が少なかったので論証集を素読し、知らない論点がないかを確認するのに利用するにとどめました。他方で、刑法は知識に自信がなく、かつ、苦手なこともあり、じっくり講座を受講し、過去問や問題集を解いた後は必ず総まくりテキストに立ち返り、知識を一元化していました。刑法の短答は短答知識の問題よりも論文知識や思考読解を試す問題が多く出題されます。そのため、刑法については、論証集でなくテキストをまとめノートとして活用することで、論文知識の理解を深めることができました。過去問や問題集で出題された論点はまとめノートにメモするようにしていました。
論証集は総まくりテキストに載っている論証よりもコンパクトな論証が掲載されており、知識を確認したり、まとめノートを作成したりするのに非常に役立ちました。私は、主に論証集を基に加筆修正してまとめノートを作成していました。
公法系第2問の設問2(2)は総まくり講座の行政裁量の箇所が役に立ちました。行政法は出題量が多いため、最後の問題は時間との闘いでもあります。総まくりテキストには、行政裁量で論じるべきことについて、事案類型ごとに処理手順が示されています。この処理手順を守ることで、厳しい時間的制約の中でも漏れなく検討することができました。
民法のテキストには、要件事実も掲載されており、主張反論型の司法試験の問題に即して知識をインプットすることができました。民法のテキストで要件事実についてここまで取り上げているのは珍しいと思います。
総まくりテキストには、新しい判例や受験界通説が1冊に集約されており、複数の基本書や判例集を広げて勉強する必要がなく、学習しやすかったです。また、知識を総まくりテキストに一元化することで、短答と論文の勉強をリンクさせることができ、効率的な学習をすることができました。
また、総まくり講座の教材は他の予備校の教材に比べ、内容が詳細なため、総まくりテキストに載っていない論点は現場思考でよいというメルクマールになり、本番も慌てずに済みました。
複数回受験の方へ。どうして不合格だったのか敗因分析をされたと思います。インプット不足が原因の方は、来年も同じ教材を繰り返すことで合格できるのか考えてみてください。もし、不安を感じるならインプット教材の見直しを検討してみてください。予備校のインプット講座は初学者の方が受講するイメージでしたが、総まくり講座は法科大学院を修了し、ひと通り試験範囲を学習した人の知識の総整理においても有用です。総まくり講座の教材は試験に必要な新しい判例やタイムリーな論点も掲載されています。知識の穴埋め、アップデートの道具としてこれ以上のものはないと思います。